呼び出し
「きりーつ、きょーつけー、礼」
恐ろしくやる気のない日直の号令。
「晃~帰ろーぜぇ~」
欠伸しながら敦也が振り返る。
「おぅ」
俺は殆ど空っぽの鞄を担ぐ。
「そーいやお前、藍川と帰んないの?」
「んー、何か今日は他に用があるみたい」
ふーん。
どうでもいいに等しい情報か。
談笑しながら靴箱を開く。
「ん?」
中には薄ピンクの封筒。
「ナニナニ??」
敦也が手元を覗き込んでくる。
「お!ラブレターじゃん!!」
「・・・・」
内容は、今日の放課後裏庭に来てほしい・・・ということだった。
「名前無しかよ」
どんだけ礼儀知らずなんだよ。
とはいえ、こういう対応には慣れている。
「俺、ちょっと行ってくるわ」
「お~待っとくからな♪」
んじゃ、さっさと終わらせてやんなきゃな。
俺は、封筒を手に、裏庭へ向かった。
「好きなの!!」
・・・・・。
「だから、その、・・・」
目を泳がせてるし。
「つ、付き合って!!」
上目遣いで、目を潤ませている。
てゆーか・・・。
「あのさ・・・」
「はいっ?!」
「誰?」
「えっ」
誰だよお前。
名前初めて聞いた。
顔初めて見た。
ま、可愛いの部類に入るかもしんないけど、泉川の方が圧倒的に可愛い。
「同じ学年・・・だよな?」
3年は赤、2年は緑、1年は青と、リボン・ネクタイ・スリッパ。
この3つは統一されている。
コイツは青いリボンだから、1年。
「お、同じクラスだよ?!」
半泣き状態。
やっべ。
俺全然人の顔覚えてねーし。
「席も、斜め後ろだよ!!」
・・・まぢか?
そー言われれば、見た事もあるようなないような・・・。
「わりぃ。
付き合えないわ」




