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青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
399/402

再会セッション ― 弦と鼓動、ふたたび鳴る ―


放課後の教室。

杏仁豆腐はフェスに向けた曲作りの真っ最中。

机の上にはコード譜、菓子パン、やる気と睡魔。


カズ「このサビ、ちょっと青臭くね?」

ユウ「青春だからな。」

タクミ「いや、青春に頼るな。」

ダイキ「“青春”って単語使った時点で終わってるからな。」

ユウ「お前らのセンスの方が終わってるわ。」


ドアが勢いよく開いた。


「やっほー! 青春やってるー!?」


全員「……え?」


昼間の転校初日、静かでおとなしそうだった“あの子”が、

今はパーカー姿でギターケースを抱え、明るすぎるテンションで立っていた。


ダイキ「……誰?」

タクミ「昼の転校生、別の人格アップデートされてね?」

カズ「昼:猫。夜:ライオン。」

ユウ「……お前、初日とのテンション差どうした?」


ヒナタはにやっと笑って、髪をかき上げる。


ヒナタ「初日くらい猫かぶるでしょ? “女子の礼儀”ってやつ。」

カズ「礼儀のベクトル間違ってる。」

ダイキ「かぶるっていうか、今完全に脱ぎ捨てたな。」

タクミ「猫がギター持って襲来してる。」


ヒナタ「フェス出るんでしょ? うちも“ハレバレ”で出るの! よろしくね!」

ユウ「お前、まだバンドやってんのか。」

ヒナタ「そっちこそ。まだギターでしょ?」

ユウ「いや、今ドラム。」

ヒナタ「は!? お前が!? リズム感、死んでたのに!」

ユウ「お前、相変わらずだな。」


その「お前」で、空気が一拍止まる。


カズ「……出た。“お前”発言。」

ダイキ「心の距離、ゼロメートル。」

タクミ「ミナミ先輩が見たら、確実に温度下がるやつ。」


ヒナタ「じゃ、久々に合わせてみようよ!」

カズ「今この流れでセッション!?」

ユウ「……まぁ、いっか。」


ギターを手に取る音。

弦の響き。

笑いながら、息が合う。

音が、懐かしさと今を同時に鳴らしていく。


──その音を、廊下の向こうで聴いていた三柱。


レイナ「やば。あの距離、恋のリハビリじゃん。」

アイカ「再燃予報、60パーセント。」

ミナミ「……お前、ね。」


夕陽が床を撫でるように差し込む。

ミナミは小さく笑って、

「……まぁ、悪くない音だったわ。」とだけ言った。


教室にはまだ音が残っていた。

フェス前の校舎で、懐かしさと熱が同時に息をしていた。


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