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青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
397/403

本屋ロマンス錯覚戦線 ― 天使、You Are shock! ―


放課後の風が、ちょっとだけ夏の匂いを運んでいた。

購買の前で、タクミが妙に真剣な顔をしていた。


タクミ「……駅前の本屋、行ったことある?」

ユウ「ん? あの静かなとこ?」

タクミ「そこに、いたんだよ。めっちゃ可愛い子が。」


杏仁豆腐、同時に動揺。

ダイキ「恋だァーー!!」

カズ「お前が恋って単語使う日が来るとは。」

ユウ「観測史上、初の恋対象。」


タクミ「黒髪で、白シャツ。笑ったとき、目が少し細くなる感じでさ……本屋の光で髪が透けてた。」

ダイキ「え、詩人?」

カズ「いや、もう恋の被害者だよ。」

ユウ「天使、観測完了。」


──後日、全員で現地調査。


駅前の本屋。

文庫コーナーの陰に、野次馬集団(杏仁豆腐+三柱+マナティ)。


レイナ「いたいた!ほんと可愛いじゃん!」

アイカ「天使、確認。観測、継続。」

マナティ「“妄想”じゃなかったのね。よかった。」

ミナミ「……なるほど。これは確かに“熱”。」


カズ「どうする?」

ユウ「決まってる。行くしかない。」

タクミ「……行ってくる。」


ダイキ「いけー!伝説つくれー!」

レイナ「勇者、出撃ー!」

マナティ「努力の見せ場、開始よ。」


──そして運命の会話。


タクミ「あのっ、こんにちは。いつもここにいるんですか?」

店員「え、はい。よくシフト入ってます。」

タクミ「そ、そうなんだ……雰囲気いいね。」

(全員:おぉぉぉ!? 会話が続いてる!?)


タクミ「えっと、学年とか……?」

店員「同い年です。」

ユウ「同級生設定きたぁー!」


タクミ「……名前、聞いてもいい?」

店員「ケンシロウです。」


全員「え?」


店員「北斗の拳の。親がファンで。」


──時が、止まった。


レイナ「漢……!!」

マナティ「破壊的ギャップ。」

アイカ「タクミ、顔がフリーズしてるわ。」

ミナミ「……青春の光、乱反射。」


店員「じゃ、上がりなんで!」

颯爽と去っていく天使(♂)。


残された杏仁豆腐、沈黙。

ダイキ「お前、恋のケンシロウに破壊されたな。」

タクミ「うん……完全に北斗百裂パンチ。」

カズ「愛を取り戻せ、だな。」

ユウ「恋も錯視も、どっちも光の加減だよ。」


ミナミ「……バカでいい。錯覚も、青春の一部だから。」


夕陽が街の看板を照らして滲んだ。

それが涙か笑いかは、もう誰にも分からない。

でも確かに、そこに“恋の残光”だけは残っていた。


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