【第3巻シーモア先行配信記念】王女らが差し出してきたケーキを下の2義兄とトマスさんらに食べさせたら、中には媚薬が仕込んであって大変でした。
私とお義兄様でお義兄様の作ったホールケーキを食べさせあって完食した。
私は大満足だった。
「お義兄様、このケーキとても美味しかった。お義兄様はケーキ作っても天才ね。今度はお返しに、私が作ってあげるわ」
私が申し出ると、
「うーん、そうだな」
お義兄様が少し考え込んだ。
「えっ!」
「いや、それは止めたほうが良いだろう!」
「そうだ。食材のムダ遣いだ」
「黒焦げになる材料が可愛そうだ」
「と言うより食べた人間が死ぬ」
お義兄様の代わりに、マルクスお義兄様とローレンツお義兄様が代わる代わるとんでもないことを言ってくれるんだけど。
「何言っているのよ。そんな事ないわよ。ちゃんと出来ることもあるんだから」
私は必死に言い訳したら、
「何言っているんだよ。この前作ったクッキーでさえ、丸焦げになったじゃないか!」
お義兄様は時間がない時に作ったクッキーについて言うんだけど、
「ちょっと時間がないから火力を強くしたら強すぎただけよ」
私が言い訳すると、
「どこがだ」
「お前の作ったケーキでまともに出来たのなんかまだないだろ」
「そんな事ないもん。お義兄様は食べてくれたもん」
私が二人に文句を言うと、
「兄上は特別だ」
「そうだ、兄上は鋼鉄の胃をしているから何でも食べられるんだよ」
「マルクス、なにか言ったか」
調子に乗ったマルクスお義兄様をお義兄様が睨みつけた。
「ヒィィィィ」
マルクスお義兄様は飛び上がった。
静かにしていればいいのに、余計なことを言うからいい気味だ。
私が思った時だ。
「レオンハルト様。私も家でケーキ作ってきたんです」
そこへ後ろからチエナのホンファ王女が切り分けたケーキを持ってやってきたのだ。
「ちょっとホンファ様。嘘を言ってはいけませわ。あなたが作れるわけはないでしょう」
「そうですわ。シェフに作らせたに違いありませんわ」
後ろから公爵令嬢のベアトリスと外務卿の娘のアガットが注意している。その手にもケーキがあるんだけど。
「そんな事ないわよ」
「私は公爵家お抱えのシェフに手ずから指導を受けて作りましたのよ」
ホンファを無視してベアトリスが自慢してケーキを差し出す。
「何言っているのよ。あなたは横で見ていただけでしょ。私のは本当に焼きましたのよ。焦げ目がありますでしょ」
横から差し出したアガットのケーキはたしかに見た目が少しブサイクだった。いかにも作った感があったが、
「何言っているのよ。シェフに言って無理やり焦げ目を入れさせたんでしょ」
「本当にシェフ泣かせよね。そんな変なケーキを作らされて」
「そんな訳無いわよ!」
ベアトリスに突っ込まれてアガットは反論していたが、
「レオンハルト様。ぜひともお食べください」
「ホンファ、あんた何抜け駆けしているのよ」
「レオンハルト様私のを」
「レオンハルト様!」
この女たち、ケーキを良いことに体ごと特に胸をお義兄様にくっつけているんだけど……それを見て私はプッツン切れた。
胸ない、ペチャパイと私のことをからかうお義兄様はこういうのが良いのか!
「レオンハルト様。私のを一口」
ホンファがフォークで一口分すくって差し出すと
「ホンファずるい!」
「私も」
残りの二人もフォークに一口分差し出してきた。
「ちょっとお前ら近すぎだぞ」
思わず側近のトマスさんが注意しようとして前に出た。
私は女たちの大きな胸にムカムカが頂点に達していて、その横で物欲しそうに見ているマルクスお義兄様を見たのだ。
「「「キャッ!」」」
次の瞬間だった。
「毒見だ」
お義兄様がホンファとベアトリスのフォークを取り上げて横にいたトマスさんとローレンツお義兄様の口の中に放り込んだのだ。
私は横に立って物欲しそうに見ていたマルクスお義兄様の顔をケーキに向けて押したのだ。
「な、なに ゴボ」
アガットの持っていたケーキがマルクスお義兄様の口の中に収まった。
「な、はひほ」
「えっ」
3人共ぎょっとした顔をしたが、口の中にケーキが収まっていた。
「ちょ、ちょっとレオンハルト様」
「なんてことを」
ホンファとベアトリスは唖然としていたしアガットは私をきっとして睨みつけているんだけど。
ふんっ、私の前ででかい胸を見せびらかすからよ。
私は明後日を見てやった。
「ちょっと、レオン、何してくれるんだ」
「だから毒見だ」
「前もって言えよな」
トマスさんが怒っていた。
「うん、なんか体が熱くなってきたぞ」
トマスさんが言い出した。
「本当だ。暑い」
「なんか変な気分だ」
ローレンツお義兄様とマルクスお義兄様が言うんだけど、どうしたんだろう?
「ベアトリス、お前らケーキの中に媚薬しこんだな」
トマスさんが叫んだ。
「あああら、何のことかしら」
「あっ、用があるのを思い出しましたわ」
「お父様が呼んでいますわ」
「ちょっと待て!」
女たち3人が逃げ出したあとがまた、大変だったのだ。
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
どうしてもお義兄様を落としたい3人組でした。
さて、この話の第三巻がついにコミックシーモア様から先行発売されました。
『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。【シーモア限定特典付き】』
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/
この3人組もお話の中で1人は本文で、3人揃っては本の中の2万字の新規書き下ろし、お義兄様の卒業年の学祭のお話の中で堂々登場してきます。
絶対に面白いので、ぜひとも読んでみてください。
下にリンクも張っています








