【第3巻シーモア発売記念】お義兄様の模擬店で特大ケーキをお義兄様と二人で食べさせ合って周りに白い目で見られてしまいました(10歳編2)
結局、私はお義兄様が変なこと言い出したから気になって、お義兄様離れは全然出来なかった。
「戦場に行っちゃ嫌だ!」
と言うと
「エリがちゃんと俺が戦場に行かないように見張っていれば良いだろう」
とお義兄様に言われたので、お義兄様を見張ることにしたのだ。
お義兄様は本当に何をいきなりしでかすか判らないし、やると言ったらやるのだ。
傍から見るとますますお義兄様に執着するように見えたはずだ。
それに、私の前で噂していた侍女たちは知らないうちに一人として宮殿内にはいなくなっていた……配置替えになったんだろうか?
教師たちはお義兄様が私の前では勉強することを知っているので、私のことを誰も注意しないし、お義父様はお母様と一緒にいられれば機嫌が良いので、お義兄様と私が仲良くなるのは何一つ文句を言わなかった。
家臣たちも私がいるとお義兄様が暴走しないので、黙っていた。
私はお義兄様と言う荒馬を御す御者かと思っても見たが、お義兄様はたまに私に意地悪するので、思いのままには繰れないのだ!
お義兄様は日中は学園なので、私は午前は勉強して、午後からはシスのお相手をしたり、剣術や魔術の訓練をしたり、お母様から裁縫や料理を習ったりして過ごした。
そして、夕方、お義兄様が帰ってくると勉強でわからない所をお義兄様に聞いたり、魔術の訓練に付き合ってもらったりする。
お義兄様はいつも16時には帰ってきてくれるんだけど、友人たちとの付き合いとかはないんだろうか?
と思わないでもなかったけれど。
夕飯はみんなでワイワイ言って食べて、その後私がシスにご本読んであげて寝させて、その後、お義兄様が今度は私にご本を読んでくれるのだ。
そして、今日はお義兄様の学園の学祭だ。
でも、当日はシスが熱を出したので、お母様とお義父様が参加出来なくなったのだ。
「ローレンツとマルクスの言うことをよく聞くのですよ」
私はそうお母様に注意されて、送り出されたのだ。
「うーん、お母様も間違っているわよね。絶対にローレンツもマルクスもエリの言うことをちゃんと聞くのよが正解よ」
「あのな」
「お前よくそう言うことが言えるな」
ローレンツお義兄様とマルクスお義兄様が白い目で見てくるが、
「ええええ! この前、お義兄様の大切にしている剣に傷つけたのは誰と誰でしたっけ」
「いや、エリ……」
「エリの言うとおりだ……」
あっという間に二人は前言を翻したのだ。
そうそう、素直に私の言うことを聞いていればいいのよ。
と私はない胸を張ったのだ。
馬車が学園の前に停まると、私達は降りた。
「きゃーーーーローレンツ殿下よ」
「マルクス殿下もいるわ」
二人は女の子からも人気があった。
「あの横の小さいのは」
「あれは後妻の連れ子よ」
「ふーん」
何それ!
私は流石にプッツン切れた。
「何なのよ。あのいけ好かない奴らは」
私はプンスカした。
「まあ、エリは俺達のおまけだからな」
いかにも威張ってマルクスお義兄様が言ってくれるんだけど、
「ふうーん。そのおまけをこの前は訓練に無理やりついてこさせたのは誰なのよ」
「いや、あれはだな。お前がいれば兄上が訓練を軽くしてくれるから」
「今度から行くのやめようかな」
私が言うと、
「すまん、エリ。この通り」
マルクスお義兄様が拝んでくるんだけど……どうしようかな
マルクスお義兄様で遊んでいるうちに、お義兄様の教室に着いた。
ここでは喫茶店風でケーキを食べられるのだ。
「はい、いらっしゃいませ」
いきなりお義兄様の側近のトマスさんが迎えてくれた。
「トマスさん、こんにちわ」
私が頭を下げる。
トマスさんは私達3人を席に案内してくれると
「レオン、エリちゃんらが来てくれたぞ」
お義兄様を呼んでくれた。
「おっ、来たか、丁度出来たところだ」
そう言いながらお義兄様は大きなホールケーキを持ってきてくれたのだ。
「嘘っ! なにこれ」
私は目がケーキに釘付けになったのだ。
「エリ特製のケーキだ。一度ホールケーキを丸ごと食べたいと言っていただろう」
お義兄様が言ってくれるんだけど、周りの人は小さなショートケーキなのに明らかに違うんだけど……
「いいの? お義兄様」
「俺がいいって言っているんだからいいんだ」
お義兄様がお義兄様らしい一言で片づけてくれたんだけど……本当にいいんだろうか?
「兄上、俺たちのこれはないんじゃない!」
横でマルクスお義兄様が文句を言うんだけど、マルクスお義兄様のお皿には申し訳程度にケーキの切れ端が載っていた。
「うんっ、まあ、お前らはエリが食べられなかった分を食べればよいだろう」
「そんな」
「マルクス、俺たちの扱いはこんなもんだ」
ローレンツお義兄様があきらめたように言っていた。
「食べないのか、エリ?」
「えっ、でも」
私が躊躇していると
お義兄様が一部をスプーンにとって私の目の前に持ってきてくれた。
私の目がそれに釘付けになって……ぱくりと食べてしまった。
「キャッ」
「あの子、レオンハルト様に食べさせられた」
後ろで女たちの悲鳴のような声が聞こえたが、私はそれどころではなかった。
「おいしい!」
このケーキ、口の中でとろけるのだ。
後で聞いたところ、何でもお義兄様はこのケーキを作るために宮殿の料理長にしばらく教えてもらっていたらしい。料理長の腕にはまだまだだったが、こんなところで食べるケーキの味ではなかった。
「ほらっ、もっと食え」
お義兄様はどんどん私の口元に持ってきてくれた。
私はひな鳥みたいにパクパクお義兄様に食べさせてもらっていたのだ。
ホールケーキを丸ごと食べるなんてとても幸せで、それをクラスの女どもが白い目で見ていたのは知らなかった……
でも、自分だけで食べていてはさすがにまずいと思ったので、お義兄様の手に自分の手を添えて
「お義兄様も食べて」
と言ってお義兄様の口の中に入れたのだ。
「えっ、」
「あの子、レオンハルト様に食べさせた」
「嘘!」
悲鳴が上がるが、私にはよくわからなかった。
お義兄様とはおやつの食べさせ合いとかは普通にしていたし……
私はお義兄様とその後も食べさせ合いをさせて、完全なバカップルぶりをクラスのお義兄様狙いの女どもに見せつけることになったのだった。
ここまで読んでいただいてありがとうございました
皆様の応援のおかげでこの物語の第三巻が本日コミックシーモア様から先行発売されました
『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。【シーモア限定特典付き】』
二万字超の新規書下ろし、エリーゼとお義兄様の学園の幽霊竜退治のお話付きです。
シーモア限定SSはエリーゼの護衛騎士セドリックのお話です。
おだやか先生の素晴らしい表紙絵と共に楽しんでいただけたら嬉しいです
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/
10センチ下にはその表紙絵と各リンク張ってます
よろしくお願いします








