チエナ王国王太后視点 ナンジンに小娘が古代竜を連れて現れたとの報に急行しました
「痛いな」
妾は小娘に噛まれた手を押さえていた。
小娘をワン等の愚か者たちがウーハンの要塞の手前で転移空間から落としてしまって、ウーハンの要塞は破壊されてしまった。
何故転移空間から小娘が出ただけで、要塞が破壊されたのか悩むところではあったが……
そもそも我らが転移させている途中でその拘束から逃れる事など普通の人間では不可能だった。それをあの小娘がやってのけたのが信じられない事態だ。
妾は現地の兵に直ちに小娘の捕縛と王都への護送を命じた。
が、妾等が小娘に手間取っている間に、なんと帝国の軍団が各地から我がチエナに攻め込んできたというのだ。
なんという礼儀知らずな奴らじゃ。宣戦布告もせずに攻め込んでくるなど言語道断。
まあ、奴ら礼儀知らずの帝国軍の前には我が軍の要塞がある。
各地に作った我が要塞はそう簡単には破られまい。
礼儀知らずの奴らに思い知らす時が来たのじゃ。
妾は直ちにその迎撃を命じた。
しかし、そう言えば他の地は要塞が健在だったが、小娘のいるウーハンは破壊されてしまった後だった。
妾は小娘の護送が少し心配になってきた。
流石にこの事態で転移で妾自身が動くのも何なので、幽体分離で小娘を転移させるために現地に向かった。
なあに小娘など妾が運べばすぐに王都まで転移できるだろう。
妾は楽観していたのじゃ。
しかし、役立たずのチャングーを処分して、小娘を連れて転移しようとしたら、中々前に進まぬ。小娘は妾の想像以上にとても重かったのじゃ。
妾の転移では遅々として進まなんだ。
ワン等に手を抜くなと叱咤激励した妾だったが同じ状況になってしまった。
ワン等にも手伝わせれば良かったと思ったが、後の祭りだった。もっともワン等は小娘を運ぶのに大半のものは魔力切れを起こしていた。
一体この小娘はなんだというのじゃ。
見た目はとても小さい小娘なのに、魔力量はとてつもなくでかいらしい。
そうでないと妾の転移が遅々として進まないのが説明できまい。
そして、あろう事か小娘はバイインの要塞の手前で、妾の腕に噛みついてくれたのじゃ……
あやつは絶対に許さない!
妾の綺麗な腕に噛み跡なんか残してくれおってからに……
人豚二号に絶対にしてくれるわ!
怒り狂う妾の前に息子が百官を引き連れて誓願してきおったのじゃ。
「母上、お願いですから帝国の小娘を小まめに動かすのはおやめ下さい」
「小まめに動かしておるつもりは無いが」
妾が眉間にシワを寄せて言うと、
「しかし現実に、ウーハンの要塞、バイインの要塞と順に動かしているではありませんか?」
「こちらにはこちらの都合があるのじゃ」
ムッとして妾が反論すると、
「しかし、母上、その度にその地に帝国軍が殺到して、我が軍は大打撃を食らっておるのです。特に恐竜皇子は必死にその小娘目掛けて駆けていて、前に現れた我が軍は既に10万近くが壊滅させらせております」
青くなって息子は報告してくるが、
「ふん、その方等の日頃の訓練が足りんのではないか」
「しかし、なにも、わざわざ恐竜皇子らを死に物狂いにさせる必要はないのではありませんか?」
「王太后様におかれましては、何卒、小娘を恐竜皇子に対しての餌になどせずに、お返し頂けましたら……」
外務卿が余計なことを口出してきた。
妾の方針に口を挟むとは愚かな。
ボンッ
そこで話していた愚かな男が黒焦げになって転がった。
「「「えっ!」」」
全員唖然と外務卿だった体を見た。
横にいた息子など真っ青になっていた。
「言いたい事はそれだけか?」
妾は息子をじろりと睨み付けた。
「い、いえ、母上」
息子は震えていた。
「今回の帝国との争いは国家存亡をかけた戦いぞ。その方等の態度では、その事が良く判っておらぬようじゃな。その身に心の底から知らしめてやろうか?」
妾はそう言うと一同を見回したのじゃ。
「いえ、そのようなことは滅相もございません」
皆慌てて頭を下げだしたのじゃ。なんじゃ、面白くもない。もっと逆らってくれたら、この場で成敗してやるものを。
妾は渋面を作った。
その時じゃ。
兵士が慌てて駆け込んできた。
「何事じゃ」
妾が叫ぶと
「ご報告いたします。ナンジンに古代竜が現れました」
「な、何じゃと。ワン、どういう事じゃ。古代竜は魅了して、我らの指示に従うとの事だったではないか」
妾は魔術師団長を見ると
「そもそも古代竜は王太后様の命によって帝国の小娘を巣に連れ帰らせました。小娘が何らかの方策を下したのやもしれません」
慌てて魔術師団長が答えてきた。
そうじゃった、古代竜に生意気な小娘を巣に餌として連れ帰らせたのじゃ。
「使えぬ奴らよの」
妾は呆れて声を出した。
あのような小娘に策をろうじられるくらいならば大したことはあるまい。
「その古代竜の上に女がいるとの報告でございます」
兵士が再度報告した。
「やむを得まい。魔術師団は妾とともに参れ。古代竜とはいえ、我らが束になってかかればなんとかなろう」
妾は命じていた。
「おのれ帝国の小娘め。ここまでやってくれるとは。
こうなれば直接我らでふんじばって、生きてきたことを後悔させてやるわ」
そう言うと、妾は皆の前で高笑いしてやったのじゃ。
もう絶対に生きて帝国には帰さん!
妾は誓ったのじゃ。
エリーと古代竜の運命やいかに?
続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾
この話の第一巻が電子書籍でコミックシーモアで絶賛発売中です。
『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に【シーモア限定特典付き】 』
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/
下にリンクも張っています
買ってね(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾








