王太后に転移させられましだか、あまりにお腹が減ったので、強引に途中の要塞に飛び降りました
私は王太后の恐らく分身に襟首を掴まれて転移させられたのだ。
しかし、この王太后、というかどう見ても山姥が最初に言ってくれた言葉が
「お前は思ったより重いね」
「えっ?」
私はその山姥の言葉が理解できなかった。
と言うかもう山姥で決定だ!
私は小柄だし、ちょこまか動くことが多いから基本は太っていない。背も低いから軽いのだ。
断じて重くない!
山姥の言葉に流石に頭にきた。
淑女に向かって重いって何よ!
山姥婆さんに比べたらよほど軽いわよ!
私は余程そう叫んでやろうかと思ったが、流石にそれがまずいことは私ににも判っていた。
何しろ私の命はこの山姥に握られているのだ。
余計なことは言えない。たとえそれが事実でもだ。
でも、どう見ても山姥よりも軽いと思うんだけど……
「お前、今私のことを重いと思ったね」
山姥がなんか叫んでくれているんだけど、
いやいや、絶対にあなたのほうが重いじゃない!
私が軽く睨みつけたら、
「本当に生意気なやつだね。このまま殺してやろうか」
山姥がじろりと私を睨みつけて言ってくれた。
私は視線を反らせた。
まあ、今は我慢の時だ。
どうしても私を殺すと言われたら、私もやるけれど、そうでなければ静かにしていれば良いだろう。
と言うか、馬車が谷底に落ちる前に少し食べ物をもらっただけだ。
お腹も結構減っていた。
こんな時に戦うのは不利なのだ。
少し静かにしていたら、この山姥も私のことを少しは憐れんで、食べ物を分けてくれるはずだ。
私は甘い考えを持っていた。
でも、なんかこの山姥の転移は、最初の転移に慣れた私からしたらとても遅かった。
こんな遅くて良いのか? と不思議に思ったくらいだ。
山姥は本当にゆっくりと転移空間を進んでくれた。
だから全然着かない!
私は本当にお腹が減ってきた。
「そんな時にお腹が減るなんておかしくない?」
後でセッシーとかは呆れていってくれたけれど、
魔術を使うのはとてもエネルギーを使うのよ。お腹が減ったら使えないわよ!
私は叫びたかった。
地上を見て、そろそろバイインの要塞都市に着くはずと判った。
でも、山姥は全然休もうとはしてくれなかった。
いい加減に私も疲れてきた。
このまま私を餓死させるつもりならば、私もその時はやってやると心に決めたのだ。
女だからって金○つぶしが効かないと思って舐めているんしゃないわよ。
私も一応は最強の帝国の皇族の一員なのよ。それに私自身、文官と言うよりも脳筋だから戦闘要員なんだから……
侍女長とか、アリスからは、絶対にダンジョンに潜ってはいけませんとか、淑女なんですから、剣術や魔術はもっての外ですとか言われていたけど、命には代えられない。
何しろ剣術も魔術もお義兄様直伝なのだ。
日頃はお淑やかに、とか帝国の皇族らしくとか散々釘を刺されているからやらないけれど、命がかかったら礼儀作法も令嬢も関係なかった。
「おばあちゃん」
私がたまらずに声をかけた時だ。
バシン!
「痛い!」
私は思いっきり頭を叩かれた。
なにするのよ!
睨みつけたら
「私はあんたにおばあちゃんなんて言われるような年齢じゃないよ」
理不尽なことを山姥は言ってくれた。
ええええ! どう見ても私からみたらおばあちゃんじゃない。
確か、公爵家の祖母と同じ年齢のはずだ。
そう思ったが、女は年齢に煩いのもいるみたいだった。
仕方無しに私は言ってあげたのだ。
「小母様?」
パシーン
「痛い!」
私はまた頭を叩かれた。
「いい加減にしてよ!更に頭が悪くなったらどうするのよ」
思わず私が叫んだら、
「誰がおばさんよ。そんな年じゃないだろう。お姉様とお呼び」
私はその言葉にあいた口が塞がらなかった。
どう見てもお姉様なんて詐欺以外の何物でもないだろう!
おばさんでもヨイショしてやったのに!
でも、食い物のためには仕方がないのだ。
私は精一杯愛想を振りまいていったのだ。
「お姉様!」
「何だい! 今私はいい加減に疲れてきて、とても機嫌が悪いんだよ」
山姥が言ってくれるんだけど、
「すみません。お疲れですよね。バイインがもう少しですから、そこで休みません?」
私は精一杯ブリッコして言ってあげたのだ。
「何故、お前が言うんだい。お前は私に連れてもらっているだけだろう! 何一つ疲れていないはずだよ。そもそもお前が重いからこんなに遅いんだろう! お前が軽かったらとっくに王都に着いているんだよ」
めちゃくちゃ不機嫌に山姥は言ってくれたが、いい加減にしてほしい。
私は軽いんだから!
「重い重いって煩いわね!」
私は叫んでいた。
その時は空腹で意識も朦朧としていたのだ。
山姥にたんかをきるなんて、余程の命知らずだ。
でもその時には本当にお腹が減っていたのだ。
頭がまともに働かないくらいに。
地上にバイインの要塞がまた見えてきた。
ココは要塞都市で、チエナの経済の中心でもあった。絶対に美味しい食料もあるはずだ。
山姥が怒るもクソももう関係なかった。
バイインの要塞が私には食料庫に見えたのだ。
「本当に煩いわ」
「なんだと、お前は死にたいのかい!」
山姥がプッツン切れたみたいだったが、私にはもうどうでも良かったのだ。
お腹の減った私はガブリと山姥の手に噛みついたのだ。
決してお腹が空きすぎて山姥の手を食べようとしたのではない。
いくら空腹でも食べて良いものと悪いものの区別はつくのだ。
私を掴む手を離させようとしただけだ。
「ギャーーーー」
痛みの叫び声を上げると山姥は私の手を離していた。
私は大きく体を振ると足から転移空間から飛び出したのだ。
そして、そのまま、キックする要領でまた、バイインの巨大な城門に突っ込んだのだった。
ズカーーーーーン
すさまじい爆発がまた起こったのだ。
ドンドン要塞都市を壊していくエリーゼでした。
でも、敵の要塞の中に入って無事でいられるのか?
続きは明日です。
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