チエナ無敗将軍の独り言 史上最強の要塞が木っ端微塵に吹き飛ばされました。
儂はチエナ王国の将軍チャングーである。
儂は軍歴50年。
10歳の時に3代前の国王陛下の親征に幼年兵として参戦して以来、戦うこと100回は下らない。
負け知らずの将軍なのじゃ。
40年前の飢饉による反乱の功により部隊長になり、30年前の異民族フン族の侵攻を食い止めた功により将軍となった。
軍に入ってから50年、ただの一度も負けたことなど無かった。
ここ10年間は帝国との国境の地の要衝、ウーハンの巨大要塞を任されていた。
帝国とは時には国境の村での小競り合いもあったが、我軍は帝国には一度も背を向けたことがないのが誇りだった。
近年東方10カ国が帝国に占拠されて、帝国が北の我が国に毒牙を向ける可能性が懸念されたので、要塞の更なる強化を図り、増築していた。
二重の城壁を更に増やして、3重にしたのだ。
その間に兵舎を作り、要塞の守備兵は昔は5万人だったが、それを10万人に増加させて、万全の体制を取りつつあった。
城塞の第一防壁が占拠されても更に2つあるのだ。
城壁の高さは20メートルもあり、そう簡単に乗り越えられないようにしていた。
その前にも間にも堀を作り、そう簡単にはしごも届かないようにしたのだ。
第一城壁の城門は3重にしており、帝国の魔術攻撃でもそう簡単に壊れないような作りにしていたのじゃ。
ここまで万全の準備をしていたのじゃが、帝国は何をトチ狂ったか、国境の地に戦力を増強始めた。
軍団旗の数を数えるだけで、20を超えた。
まだ先遣隊だけだと思うが、全て揃えば20万にはなろう。
敵は本気で攻めるつもりだ。
だが、我が要塞は100万の大軍で攻められても落ちるかどうかだ。
20万ではびくともしまい。
ウーハンの要塞はチエナ最強なのだ。
魔術師の数も本国から総計1000名になるように増員をした。
防衛戦は基本は守備兵の10倍の戦力がいるのだ。
敵は高々2倍。
いくら恐竜皇子がいるとはいえ、我が要塞の敵ではない。
我らは東方10カ国のように油断することもない。
帝国の20万の軍とはいえ、この体制ならば1年でも持たすことは出来る。
懸念は食料だが、最近の増強で備蓄食料も増やして1年なら、補給無しで戦えるようにした。
その上後方からの輸送の体制も万全だった。
万全の体制で帝国を迎え打てると思っていたのじゃ。
そんな時だ。魔導通信で王都より作戦命令が伝えられた。
なんでも、帝国の皇太子の婚約者を人質にするというのだ。
そんな卑怯なことなどせずとも勝てるとは思ったのだが、王太后様の命令は絶対だった。
なんでも、敵の帝都にいるのを誘拐して、我が王都に召喚するのだそうだ。
何千キロも転移させられるのか? 儂は信じられなかったが、まあ、ズバン王太后様の魔力量をして初めて可能なんだとか。
それで恐竜皇子の動きを封じて、我軍の勝利を確実にするのだとか。
「なんとも面倒なことですな」
副官が呆れて言っていたが、誘拐されて怒り狂った恐竜皇子が突っ込んでこないという保証はなかった。
儂は一応、見張りの数を増やして敵がいつ攻めてきても対応できるように配下に命じたのじゃ。
いくら恐竜皇子の魔力量が強大だとはいえ、このウーハンの城壁を越えられはすまいと儂は安心していた。
そして、儂は日課の要塞内視察に出た。
「将軍閣下に敬礼」
「「「「はっ」」」」
儂が行くところ行くところで兵士たちからは敬礼を受けた。
要塞内は士気溢れており、戦う気満々、帝国何するものぞの精神に溢れていた。
これは絶対に勝てる!
儂は勝利を確信していた。
城壁の外を視察している時だ。
「陛下、空間波動を感知。何かが転移してきます」
魔道士が叫んできた。
「な、何じゃと。何がくるのじゃ?」
儂には皆目見当もつかなかった。
城壁に立っていた魔道士を見ると、魔道士は一点を指さしていた。
帝国の方の一点が真っ赤に光っているのだ。
ピカッ
次の瞬間何かが飛び出して、ドカーン、と城門を突き破っていったのだ。
「えっ」
それは3重の城壁の全ての城門を突き破って、要塞の壁も突き破って中に飛び込んでいた。
儂は唖然とした。
とっさに地面に伏せたのだ。
しかし、凄いのは、そこからだった。
次の瞬間凄まじいソニックブレードが城壁や要塞に襲いかかってきたのだ。
それは一瞬の出来事だった。
全ての城壁が一瞬で弾き飛ばされてばらばらになり、儂も吹き飛ばされるのを感じた。
凄まじい爆発音がおこり、必死に地面に伏せて爆発をやり過ごした。
そして、真っ黒な粉塵が去った後には、巨大な廃墟がそこにあった。
要塞ウーハンは消滅していたのだ。
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エリーゼはどうなった?
続きは明日の昼です。
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