会議で皇帝親征が決まりました
昨日は2話更新しています。
チエナ攻撃についての作戦会議で、帝国の会議室は満員だった。
各大臣はもとより、帝都にいる軍の指揮官が一同に会して、壮観な眺めだった。
私は真正面の皇帝陛下のお義父様と皇太子のお義兄様の間に無理やり座らされていた。
それも会議前に私を誰の隣に座らせるかという下らないことで、お義兄様とお義父様、お祖父様の3人が15分くらい喧嘩してくれたのだ。周りの面々は呆れていたと思う。
そして、攻撃計画の詳細についてお義兄様が話しだした時だ。
いきなり、お義兄様は私を連れて戦場に行くと言い出したのだ。
それを会議の冒頭で話すことか?
「はああああ! エリーゼと一緒に戦場に行くだと! そんなのが許せるわけはなかろう」
「貴様! バージルの忘れ形見のエリーゼを戦場に連れて行くなんて、どういうことだ!」
そうお義兄様が言った途端に、お義父様とお祖父様が大反対してきた。
まあ、当然そうなるだろう。
この二人も私に対して超過保護なのだ。
「レオンハルト、いくら貴様が恐竜だと言われてチエナに恐れられていようと、儂のエリーゼを戦場なんて危険なところに連れて行くのは許さん!」
お義父様が叫べば、
「そうじゃ。エリーゼを王宮に残すのが危険ならば、我が屋敷で預かる。それなら問題はなかろう」
お祖父様まで言い出したのだ。
「はああああ! 何を申しておる。貴様の家より宮殿の方が安全に決まっておろう」
「現実にチエナの間者に侵入されているではないか」
「ぐぬぬぬぬ、ヴェリエ、貴様が賊の侵入を許したのだろうが。貴様が責任を取れ!」
お義父様はめちゃくちゃだ。
「はっ、申し訳ありません」
ヴェリエ近衛騎士団長はもう蒼白になっていた。
「お義父様、ヴェリエ近衛騎士団長が全て悪いわけではありません。私の知り合いの従者にチエナの暗部が潜り込んでいたのです」
「では、その知り合いに責任を取らせて」
「お義父様。落ち着いて下さい。全ての民はお義父様の臣民なのです。
お母様も良くおっしゃっていらっしゃいました。お義父様は慈愛の人だからと」
「うん、まあ、そうじゃな。しかし、エリーゼを危険にさらすなど」
お義父様が納得いかなそうな顔でつぶやき出したが、
「私はこうして無事です。どなたにも責任取って頂く必要はございません」
私はそう言い切ったのだ。
「しかし、恐竜がエリーゼを戦場に連れて行くなど申しておるのだぞ」
「そうじゃ。それは危険じゃろう」
二人は叫んだ。
「父上。チエナは狡猾です。何をしてくるか判ったものではありません」
「それは元々判っておる話じゃ」
珍しく怒り出さずに落ち着いた表情で話し出すお義兄様にお義父様も頷くしかなかった。
「だから、エリは私が守ります」
お義兄様は言い切ってくれた。
そう言ってくれるのは嬉しいのだ。
私としても。
戦場に行くのもおそらく大丈夫だ。
お義兄様とは小さい時から何度もダンジョンには潜っているし、この前サンタルから帰ってくる時は、王太子の襲撃も受けた。
お義兄様のレッドに乗るのも慣れている。
「私はエリが小さい時からエリと一緒にダンジョンに潜って戦っておりますから、問題ないでしょう」
お義兄様もそう言ってくれた。
でも、お義父様とお祖父様は納得いかないみたいだった。
「そうは言ってもだな。エリーゼを戦陣に連れて行くのは危険だ。エリーゼが攻撃を受けない保証がどこにある」
「私の障壁で守ります」
「100%確実ではなかろう」
「そうだ。どのような不測の事態が怒るかわからないではないか」
「私がいない宮殿にチエナの間者が潜り込んできたほうが心配です」
「何じゃと、そのために近衛がいるのであろうが」
「現実に守りきれませんでした」
「しかし、あの近衛は元々貴様の配下ではないか」
「たしかに、私の部下も完璧ではありません。だから私が連れて行くのです」
「しかし、お前も完璧ではなかろう」
「それに近くなります」
「そんなのはわからないだろうが」
3人は言い争い出した。
私はお義兄様と一緒に戦うのは問題ないが、大国チエナとの戦争になるというのがもう一つ納得いかなかった。
前世が平和な日本というのもあるのかもしれないけれど、戦争になったら多くの人が死ぬのだ。
私が女神役をした騎士たちも多くが死ぬだろう。
そういうのは嫌だ。
「皆様。納得いかれないみたいなので、やはりチエナと戦うのを止めるということは」
3人が言い疲れた時に、私は言ってみたのだ。
「それはダメだ。エリ」
「それはない」
「そこは無理だ」
お義兄様、お義父様、お祖父様、すなわち帝国の皇太子、皇帝、軍務卿の意見がピッタリ一致してしまった。
なんでそこだけ意見が一致するのよ!
私は頭を抱えたくなった。
「チエナは東方10カ国との戦いの時から今まで、散々我が帝国に余計な手出しをしてくれた」
「我妻の皇后を殺したのも元はと言えばチエナがAAAに指嗾したからだというではないか」
「今回エリーゼの誘拐を企んだのだ。我軍も堪忍袋の緒が切れたぞ」
3人が一斉に言ってくれた。
「それに我が外務の駐在員をチエナは拘束しているのだ」
お義兄様が外務卿の方を見れば外務卿も頷いていた。
「これだけでも、攻撃するのに値する」
お義兄様が皆を見れば皆頷いたのだ。
どうやら戦争は止められないみたいだった。
「レオンハルト、どうしても、エリを連れて行くのか?」
お義父様が聞いていた。
「当然です。私の傍が一番安全ですから」
お義兄様が自信満々に頷いてくれた。
「判った。ならば儂も行く」
「えっ?」
一瞬、お義父様が何を言ったか良く判らなくてお義兄様は聞き返した。
「儂も戦場に立つと申したのじゃ」
「えっ、皇帝陛下、自ら親征されると言われるのですか?」
近衛騎士団長が驚いて聞いていた。
一斉に場内にざわめきが起こる。
「フンッ、レオンハルトにばかり良い目を見せるわけにはいかんわ」
お義父様は笑ってくれたんだけど。
「陛下がいかれるならば儂も参りますぞ」
お祖父様まで言い出したんだけど。
「良かろう。全軍を上げて一気にチエナに攻め入る」
お義父様が一同に宣言したのだ。
ついに皇帝親征です。果たしてどうするチエナ。
次はチエナの悪巧みです。
今夜更新予定です。
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