チエナと戦う時、お義兄様は心配だから私を連れて行くと言い出しました
私はお義父様の命令書があるとはいえ、本当に今も有効なのかどうかは判らないけれど、基本的に帝国は皇帝が右といえば右のはずだ。それに逆らうのはお義兄様だけだから、今回は問題はないはず。
後でセッシーにそう話したら、
「あなたも陛下の言うことによく逆らっているじゃない」
と突っ込まれてしまった。
「そんな事無いわよ。私はお義父様の言うことはよく聞くわよ」
と私が反論したら
「よく言うわね。いろいろだめだって言われたことやっているでしょ」
「そんな事無いわよ」
「昔、夜、出てはいけないと言われているのに、レオンハルト様と幽霊退治に行ったり」
「えっ、そこにはあなたもいたじゃない」
私が慌てて指摘すると、
「私はお父様の了解を得たもの」
威張ってセッシーは言ってくれた。
「私もお母様の了解は得たわよ」
私が言うと
「今は陛下の話でしょ」
セッシーがそう言うんだけど……
でも、セッシーのお父様は陛下じゃないじゃないと言うと話がまたややこしくなりそうだから言わなかったけれど……なんか釈然としない!
「ダンジョンに行くのは危険だからダメだって言われてたのに、泣き落として行ったし、あなたが陛下に逆らったことなんて山のようにあると思うわ」
セッシーは言い切ってくれた。
うーん、お義父様は私に過保護すぎるのだ。
私は悪くない!
私はそう思うことにしたのだ。
取り敢えず、他の部署との軋轢を生じさせないために、書類をお義兄様のサインを真似てできるだけ書くようにした。お義兄様は怒ると何をしでかすかわからないので、できるだけ喧嘩の元になるようなことはしないほうが良いのだ。
でも、私がサインするこの書類の山を見ていると、食料や武具など補給物資の輸送関係が多いんだけど……
「お義兄様。北部のどこかで災害でも起こっているの?」
私は思わず聞いていた。
「いや、起こっていないが。何故そんな事聞くんだ?」
お義兄様が聞いてきた。
「だって、私に回される書類の多くが、食料とか物資とかの輸送関係が多いから」
私が答えると、
「そうか、エリ、お前もそんなことが判るようになったんだな」
お義兄様が子どもの成長を喜ぶように頭を撫でて言ってくれたが、
「ちょっとお義兄様。髪が乱れる」
私はむっとして文句を言った。
「それにこんな書類見たら当然判るでしょ。
災害の為じゃないのなら、チエナと戦争でもするの?」
「な、なんで判った」
私の言葉にお義兄様が驚愕した顔で聞くが、
「えっ、お義兄様。わたし5歳の子供じゃないわよ。資料見ていたらそんなの大人なら誰でもわかるわよ」
私は子供扱いされたのがムカついて言っていた。
物資の移送先がほとんど北部の国境地帯なのだ。
学園の学生でもそれに気づくはずだ。
「凄いな。エリちゃんは」
トマスさんまで言ってくれるんだけど……
「でも、本当にチエナと戦争するの?」
私は心配してお義兄様を見た。
チエナは歴史の古い大国なのだ。帝国軍が知らない武器もいろいろあるだろうし、人も多い。
勝てるとは限らないのだ。
そもそも終わるまで何年もかかると経済が疲弊する。
戦争は出来たら避けたかった。
「エリ、喧嘩を売ってきたのはチエナだ」
ムッとしてお義兄様が私の顔を見た。
「でも、私を誘拐するのも失敗したし」
「ロベールとアナベルを見捨てるのか」
お義兄様が捕まっている私のサンタルの時の知り合いのことで突っ込んできた。
「そうは言わないわ。でも、そこは外交で交渉して取り戻せば」
私が言うと、
「俺もできたら平和的手段で解決できるのが一番良い」
お義兄様が珍しく正論を出してきた。
「外務も色々やってくれているが、中々らちはあかないのが現状だ。次は脅すしかあるまい」
まあ、海千山千の太古からあるチエナだ。我が国の外務が口で適うかと言うとなかなか難しいだろう。
「そこで、素直に返せば良し。返さなければ攻撃するのみだ」
お義兄様は手を握りしめてくれた。
お義兄様は絶対にチエナを攻撃するつもりだ。
その目を見れば判る。
「奴らは俺を生んでくれた母上をAAAを使って殺してくれた。お前の母上が死んだ疫病もチエナの奴らが流行らしたという本当か嘘かわからない話まである。元々東方10カ国を焚き付けたのはチエナだ。今回の10カ国の反乱を応援していたのもチエナだ。もうやるしかあるまい」
お義兄様は本音を話してくれた。
「でも、お義兄様。チエナは何をしてくるか判らないわ」
「気にするな。こちらにはマルクスとシスがいる」
「えっ、マルクスお義兄様とシスって、それとチエナとどう関係するの?」
お義兄様が自信満々に言ってくれるんだけど、私には全然判らなかった。
まだ、戦場にいるマルクスお義兄様はともかく、まだ学園にも通っていない可愛いシスはチエナと関係ないと思う。
「まあ、エリ、そこは判らなくてもよい。マルクス等が考えてくれる。それよりも奴らはまた、エリを狙ってくると思う」
「えっ、私なの? でもそれは警備を厳重にすれば」
「厳重にしていてもこの前入いられたのだ」
お義兄様が言ってくれた。
「じゃあセッシーに守ってもらうわ」
私が言うと、
「チエナは大国だ。どんな秘密兵器があるか判らない」
お義兄様が首を振ってくれた。
「でも、どうするんだ。レオン。お前は今回帝都に残るのか?」
トマスさんが聞いてきた。
私としてはその方が安心だが、恐竜皇子と他国から恐れられているお義兄様が軍にいないと帝国軍も戦力低下は免れない。
「俺は戦場には出る。俺が出ないとまずいだろう」
お義兄様が言ってくれた。
「じゃあ、エリちゃんには誰をつけるんだ? 俺がつこうか?」
「お前が付いてもそんなに変わらないだろう。お前は抜けているところもあるからな」
お義兄様がめちゃくちゃ失礼なことを言ってくれたんだけど。
「お前な、そんなことはないぞ」
トマスさんも怒って反論した。
たしかにトマスさんは謀は苦手そうだけど、じゃあどうするんだろう?
まあ、私は自分のことは自分でできると思うけど……
私がそう言おうとした時だ。
「エリは俺が戦場に連れて行く」
「「「「「えっ!」」」」」
お義兄様の言葉に私達は驚愕したのだ
皆様の応援のお陰で第2巻発売が決まりました。
本当に有難うございます
9月25日(水)シーモア先行配信 限定SS付き
10月19日(土)kindleなど他書店
表紙絵はおだやか先生がお義兄様とエリーゼのとても美しいキスシーンを描いて頂きました。
後ろで怒っているのはお義父様です。
感動の1枚です。
レーベルはリブラノベル
私自身第2巻発売は初めてなので、感激しています。
私がここまで来れたのは小説家になろうで応援頂けた皆様方のお陰です。
感謝感激です。
2巻は8万字の本文にプラス2万字の新規書き下ろし付きです。
今回はお義兄様とエリーゼはセッシーと一緒に湖の神殿に潜ります。
シーモア限定SSもついています。
現在コミックシーモア様では皆様から応援頂いた第一巻
王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に【シーモア限定特典付き】(最新刊) | 古里/おだやか |
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/
が絶賛発売中です。リンクは下にも貼っています。
まだの方はぜひともお買い求め頂けたら幸いです。








