砂漠の遺跡:B
海斗とヘンリーを入り口に残し、空とリーチャオは遺跡の中へと進んでいった。
中の様子を確認しつつ、あたりを探索する。
「なんか、じめじめしてるわね」
「そうだな、それに暗いし地面も不安定だ」
「今から、二人の方に戻る?」
「馬鹿言え、ここまで来たんだ、最後まで行かなきゃダメだろ」
それもそうかと頷き再び歩み始める。
それから少し進むと一つの大きな部屋へと辿り着いた。
「何だこの部屋」
「あそこに扉があるけど」
リーチャオが扉のドアノブを回すと鍵がかかっていた。
「だめ、鍵かかってる」
「そうか、鍵を探すにも灯が無いからな」
空が悩んでいると、リーチャオがランタンを見つけた。
「これ使えないかしら」
「ランタンか、いいかもしれない。だが、どうやって灯をつけるつもりだ?」
「大丈夫よこれがあるから」
リーチャオは徐にポケットからマッチを取り出した。
彼女は自分と空の持っているランタンに灯をともした。
ランタンは煌々と部屋の中を照らし、二人の視界は部屋の隅まで届くようになった。
「なかなか広い部屋だったんだな」
「そのようね」
部屋の中には、引き出し付きの大きな机、それに伴う同サイズの椅子。天井には電球の切れたシーリングライト。部屋の角には蜘蛛の巣がはり、床にはなにかの資料が散乱していた。
「何だよこの部屋、まるで誰かが生活していたみたいだ」
「そうね、何だろうこの資料」
拾った資料には『人造人間計画議案書』と書かれていた。
「これって、まさか。」
「どうしたの?」
「頼む、ここにある資料片っ端から集めてくれないか?」
「わかった」
二人は部屋に散乱していた資料を集める。
「これで全部みたいね」
「そのようだな」
その資料は一冊の冊子になるようなほど、多かった。
所々読めない箇所や、破れている箇所。
「なかなか酷いな」
「そうね、このページなんて読めやしない」
「いやまてよ、この部分だけは読む事が出来そうだ。読んでみてくれ」
「なになに、『議案者ヘンドリクセン』ってこれ!」
呼びなれたその名前が書いてあった。
「これは帰ったら話を聞かないとな」
その後、机の引き出しから鍵を見つけた二人は奥のドアを開け先へと進んだ。
「それにしても、先に進む度そのつどじめじめして来てるわね」
「確かに、ここは砂漠の中のはずなのになんでこんなに湿気が強いんだ?」
二人の疑問は足下を見るだけで謎が解けた。
足下には少量の水が流れていた。
「うわっ!なにこれ!」
「どうした?リー。」
「足下に水が流れてるのよ!それになんかこの水ぬるぬるしてない?」
「本当だ。しかしこの液体一体どこか流れているんだ?」
二人が水の流れてくる方向を追うとそこには大きな扉があった。
その大きな扉を開けるとそこには異様な光景が広がっていた。
「どうやらここで行き止まりのようだな」
「そのようね」
二人は大きな扉の向こうへと進んでいた。
二人は同じ物の前で同時に足を止めた。
「なあ。きっとこれって」
「空が思ってる事何となく理解しちゃった」
二人が目にしたその空間には、大きな透明な筒が無数に存在し、手前には何かしらの機械。
筒の中は液体で満たされており、その中にはおそらく人間だったであろう何かが入っていた。
何本かは筒が砕けており中から液体が漏れだしていた。
「もう一回さっきの資料を見せてくれ」
「わかった」
空はその計画書のとあるページに目を通しながら筒の前に立つ。
「やっぱりな」
「どういう事?」
「この中の人間、みんなこの計画に賛同した科学者だ」
「え?じゃあ、この中にあの名前も...」
「あるさ、それもちょうどここにね」
空の目の前にあった筒の中には、まぎれも無いヘンリーの姿があった。
空がその空間の写真を撮ったあと二人は来た道を戻り休んでいた二人の元へと戻って来た。
「海斗。今直ぐそこの男を拘束しろ」
「いやいやまてよ!何だよ帰って来て直ぐそんな事言って!」
「いいから拘束しろ!」
「分かった」
海斗がいやいやヘンリーを拘束すると、空がヘンリーの元へ近寄って来た。
「な、何だよ、いきなり拘束なんてして」
「解いてほしかったら、大人しく俺の言う事を聞け」
「わ、わかった」
「なあ、ヘンリー。お前一体誰だ?」




