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その5 写真

「えぇー俺わかんないですよ」

『だから撮るんだよ。まさか逃げないよね?』

「舐めやがってチンピラがよぉ!やってやらぁ!」

俺も首を傾げながら機体に近づく・・・故障中じゃねーか。

「故障中ですって」

『・・・なんでぇ』

「や、故障は仕方がないと思いますよ」

『プリクラの機械ってこれしかいないの?』

・・・多分、2階にはまだあるけど恥ずかしいしなぁ。

「たぶんこれだけだと思います。残念ですね。また撮りに行きましょうね」

『・・・じゃあ、ちょっとそこの椅子に座ってよ』

「はい」

山重さんは俺の隣にぴったりと座り、カメラモードになったスマホを渡してきた。

「撮れってことです?」

山重さんは頷いた。

「じゃ、とりますよー、はいポーズ」

2枚ほど写真を撮った。緊張してるのか山重さんは少し硬い表情だった。スマホを返す。

「じゃ、次は何しますか?」

それからはメダルゲームで3時間と俺の口座から7000円を消し飛ばした。山重さん負けず嫌いが過ぎる。メダルも無限に湧くと勘違いしてるから俺が静かにメダルを交換する羽目になった。なけるぜ。

「もう暗いですし帰りましょ」

『・・・楽しかった』

「そりゃあ何よりですよ。したら家まで送りましょうか?」

『や、お母さんに迎えに来てもらうよ』

「了解でーす。あ、傘は干してから返しますね」

『いいよ。今返して。君は忘れてきそうだし』

「信用してくださいよぉ」

山重さんに手を振り、ショッピングモールから出る。


しばらく夜道を鼻歌交じりに歩いてると寺内に会った。

「よぉ」

「よぉ」

「飯断った癖にまだ制服なんかよ」

「まぁね」

「ははーん、デートだな」

「まぁね」

「だとおもったぜぇ・・・え?」

「や、なんか今日変なことが色々起きたんだよ」

「へぇ、聞かせてよ」


「ふぅーん、相変わらず千葉セン優しいなぁ」

「俺もあんな大人になりてーよ」

寺内はいつも通りハイメンを取り出した。俺もショートピースをポケットから取り出す。

「火ィくれよ」

「あいよ」

ライターを投げる。

「さんきゅ」

俺も火をつける。あ、制服のままだった。帰ったらファブリーズだな。ふとスマホを見るとラインが来てた。

『明日から朝練あるから来てね』

『6時半からよ』

そして一緒に撮った写真が添付されてた。

『はいはい』

『はいは1回』

『へむへむ』

『もう』

「・・・お前、何ニヤニヤしてんだよ」

「・・・まぁね」

俺はポケットの煙草を寺内に投げた。

「なんだよ」

「俺、煙草やめる」

「は?」

「んじゃ、朝練あるし帰るわ」

「はぁ?待てよ」

俺は振り返らず歩き出す。

「待てよ!ジッポ忘れてんぞ」

それはまずい。置きっぱにしてたジッポをポケットに入れる。

「お前、今更真っ当になるって言うのか?」

「・・・まぁね」

「・・・まぁ頑張れよ。禁煙ってのは辛いぜ」

「ああ」

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