その4 無知の恥
「着きましたよー老若男女に東西南北みんな好きなゲーセンです」
『喧騒で声が聞き取りにくいね』
「じゃあ!もっと!大きな!声で!喋りましょうか!」
『喧しい』
「どないせぇっちゅーに」
『あれは何?』
「あっちはメダルゲームですね」
『メダルゲームって?』
「一定の割合でメダルを買った後、そのメダルを使って遊ぶゲームですね」
『あの機械にお金を入れたらメダル、メダルを入れたらお金が出るの?』
「それは賭博法に引っ掛かりそうですねぇ。メダルは買えますけど、メダルと現金はかえれないです」
『じゃあ、なんでこんな無駄なことをするの?』
「いやぁ・・・楽しいからですよ。言っちゃえばどうせうんこになるからおいしいものを食べなくていいって言ってる人がいたら冷笑するじゃあないですか」
『・・・そう、じゃああれは?』
「あれは音ゲーですね。音楽に合わせてボタンとか太鼓とかを叩くんですよ」
『太鼓?』
「はい、お祭りとかにあるあの太鼓です」
『・・・よく思いついたね』
「それはナムコとコナミに言うべきですよ」
『なにそれ?』
「俺も知らないでーす」
『あれは?』
「射ゲーっす」
『シャゲー?』
「シューティングゲームです。鉄砲的なのを持ってゾンビだったりテロリストだったりを撃つゲームです」
『あれは?』
「あれはクレーンゲームですね。お金入れてあの手みたいなのを動かしてぬいぐるみとかフィギュアとかを取るですよ」
『取ったら何が貰えるの?』
「え、取ったものですよ」
『・・・あれは?』
「あれはぁ・・・プリクラですね」
『プリクラ?』
「はい、写真を撮って加工しようってやつだった気がします。俺もやったことないんですけど」
『なんでやらないの?』
「あーゆーのは恋人同士とか女の子の遊びとして撮るんですよ。男1人とか男友達だけで使うのは稀有っすね」
『ふーん、じゃ、帰ろっか』
「え」
『なに?遊びたいの?』
「そりゃ来たら遊ぶつもりでしたけど」
『会員証的なのは持ってるの?』
「ゲーセンにそんな堅苦しいものはいりませんよ。小銭と遊びたい気持ちがあれば誰だってウェルカムです!レッツゴー」
『でも、楽しめるかわかんないし今日はいいよ』
「山重さん、いいですか。ゲームで楽しまないといけないって考えるのは野暮です」
『?』
「俺もモンハンとか何が楽しくてやってるかわかんなくなる時もありますよ。んだこのクソゲー!とか言いながらやってますよ」
『なんで辞めないの?』
「楽しいからですよ。コントローラーを置いて制服着て学校来てもゲームしてーって思うから帰ってゲームするんですよ」
『・・・私にはわかんないな』
「とにかく、今から遊びますよ。小銭なら貸します!」
『くれないの?』
「・・・あげません!」
『・・・フンだ。じゃ、プリクラから撮ろ』
「え」
『君だってやったことないんでしょ?じゃあ、平等』




