その28 間章その2
「んで、その教え子さんについて聞かせてよ」
「ああ、いいぜ。ってか、ジョッキで出せって言ったろ。なんでショットグラスで出すんだよ」
「・・・本当にジョッキに入れるのか?言い間違えかと思ったんだが」
「・・・ソーダで割ってくれ」
「それもそれで勿体ないがな」
出されたハイボールを躊躇なく半分飲む。優しさが随分と消え、酒としての暴力。美味い。そうだよ。美味い酒こそハイボールだよ。
「どんな生徒なんだ?」
「生意気なクソガキと物静かなガキンチョだよ」
「へぇ、問題児か?」
「ああ、クソガキは大問題児だ。前手が荷物持ってて塞がってた時、ソイツにメビウスのソフトを開けさせて俺に咥えさせたんだ。したらソイツ、分かってる開け方したんだ」
「分かってる開け方?」
「マスター、煙草は?」
「吸わないな」
「ちょっとコレ、見てくれよ。あ、安心してくれ、吸わないから」
「別に禁煙じゃあないぞ」
「へぇ、今のご時世珍しい。じゃあ一服失礼」
俺は少し残ったメビウスを取り出す。
「こうやってよ、紙のソフトのパッケージ、初めて見たら全部破いて開けちゃうだろ?こうやってテープの左右のどっちかしか開けないって知らないだろ」
「そのクソガキさんはこの煙草みたいに開けたってことか」
「まぁ、たまたま知ってるだけかもしらんがな」
紫煙を吐く。美味い酒、美味い煙草。可愛いガキ共。いい人生だな。
「ガキンチョさんは?」
「ああ、友達がだーれもいなくて部活に打ち込んでた女の子だ。あ、モナンあるかい?」
「カクテルか?」
「そのまま飲む」
「・・・本当に何を言っているんだ」




