その27 間章
ひでぇ雨だ。七星、傘を買ってくれたんはありがてぇが、なんで折りたたみ傘なんだよ。気が利くんだか効かないんだか。俺は地図を開き、1番近くのBARに行く。
「らっしゃい」
マスターがガラスのコップを洗ってた。店内は俺だけだ。
「いい曲のセンスだな。ジミヘンか」
「ああ、皆がいいって言うものは、やはりいいと言われる理由がある」
「ヘネシー、あるかい?」
「もちろん」
「じゃあ、ショットで」
「・・・いや、構わんがいいのか?」
「値段か?金ならある」
「へぇ、仕事は何してるんだい?」
「高校の教員さ」
グラスのお酒を眺める。めんどくさくなって、一息に飲み干す。・・・この喉を柔らかく刺す感じ、本当に美味い酒だ。
「まだ飲むかい?」
「や、あんま酔いたくないんだ。いい酒はあるかい?」
「・・・どんな気分だ?」
「・・・可愛い教え子どうしがいい雰囲気なんだ」
「ははっ、めでたいな」
「愛でたいぜ」
出された酒はアイリッシュクリームのカウボーイだ。ははっ、いいセンスしてやがる。
店を出る。話し込んだらもう真夜中だ。俺は部屋に戻る。
「戻ったぞ」
・・・誰も居ねぇ。アイツら、ヤってねーだろうな。ガキの恋愛は推奨派だが、流石に無責任な行動は咎めねぇとな。
隣の部屋をノックする。返事がない。
「入るぞ」
カードキーで開け、入る。電気はつけっぱなしだ。
「・・・ははっ」
佐々木は大の字で寝てて、その腕を枕に山重も寝ていた。
「ああ、お休み、いい夢を」
電気を消した。部屋を出てさっきのBARに戻る。
「・・・また来たのか」
「・・・またコニャックを」
「ショットかい?」
「や、ジョッキに入れてくれ」
「・・・はぁ?」
「酔いたい気分だ」
「悪い気分なのかい?」
「いいや、逆さ。最高の気分だ」




