その19 腹心を布く
先生と合流。
「どもー。暑すぎっす」
「ああ。そう言うと思ってたは。アイス買ったる」
「やったぁ!」
俺は適当にチョコモナカジャンボ。先生はアイスは買わずにコーヒー。俺の分の氷を渡したら舌打ちしながら受け取ってくれた。いい先生だ。山重さんは散々迷った後、パピコにした。
「ごちそーさまです!」
「うっせぇ。はよ食え。溶けるぞ」
外の灰皿前でモナカを半分に割る。
「はい、山重さんの分ですよ」
山重さんは驚いたように首を横に振った。
「早く早く」
山重さんはおずおずと受け取り、齧った。満面の笑みだな。俺も半分になったモナカを齧る。あはは、あんま美味しくないな。やっぱ甘いもんは好きじゃあないや。コーヒーを飲む。これは美味いな。
山重さんはパピコの半分を押し付けてきた。俺があげた以上、受け取った。どうしよっかなーと思案してると、ジッと山重さんは俺の方を見てる。苦笑し、食べる。・・・あはは、そんなに不味くないね。
ゴミを捨て、先生に着いて試合会場まで向かう。
「試合当日は相当暑くなりそうだな」
「うげぇ。地球温暖化の弊害ですかぁー」
「ああ。まだ6月終わってないのにこんなにも暑い」
「ラムサール現象ってやつです?」
「あ?ラニーニャ現象だろ」
「さっすが!」
「こっちは教師だぞ!」
「え!寡聞にして存じ上げておりません!」
先生はため息をついた。目的地にも着いた。
先生はなにか係員の人と話してるみたいだ。俺はぼんやりとタバコ吸ってる兄ちゃんたちを眺める。
・・・あの人はマルメンか。んであの人は?えーっと、セッタ?かな。あの人は、吸ってないのね。じゃあ離れなよ。煙草なんでいいもんじゃあないぜ。あの人はピアニッシモ?んなもん煙草じゃねーだろ。喫煙所で深呼吸してこい。男が女々しく軽いのを吸うな。吸うならがっつり。吸わないなら吸うな。どっちつがずは情けねーぞ。
「何見てんだ。行くぞ」
先生に小突かれ、その場を離れる。あー吸いてー。ピアニッシモすら吸いたいもんな。
「ここが多分ウチらの着替える場所だな」
更衣室。山重さんは着替えるために入って行った。俺は気まずくなってスマホを取り出す。
「・・・お前、山重のことどう思ってる?」
「んー、人付き合いが下手ですね」
「お前に言わせれば大体の人は付き合い苦手だろ」
「あはは。山重は喋れないからか感情の発露の仕方が幼いですね」
「ああ、そうだろうな」
「まぁ、それ含めて可愛いと思いますよ」
っ!口が滑った!慌てて先生を見るとニヤニヤしてる。
「何笑ってんだクソジジイ!」
「はっはっは」




