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家族に“いらない”と言われた俺、実は国家機密級の能力者だった~捨てられたはずが政府に保護され人生逆転~  作者: あぁ


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第8話 「初めて見る戦場」

第8話 「初めて見る戦場」

衝撃音が響いた方向へ走る。

リナの後ろを追いながら、俺は周囲を見回した。

施設内なのに、空気が違う。

緊張。

警戒。

そして――恐怖。

職員たちの顔には、それが浮かんでいた。

「そんなにヤバい相手なのか?」

走りながら聞く。

リナは前を向いたまま答えた。

「相手による」

「曖昧だな」

「だってまだ正体分かってないし」

確かにその通りだ。

やがて、大きな隔壁の前に辿り着く。

分厚い金属扉が半分ほど開いていた。

その隙間から、眩しい光が漏れている。

「ここだ」

リナが足を止める。

「私は中に入る」

「俺は?」

「後ろで見てろ」

即答だった。

そして。

俺たちは中へ入った。

「――っ!」

思わず息を呑む。

広い。

訓練場よりも広い空間。

まるで地下都市みたいだった。

その中央で――

戦闘が起きていた。

炎。

雷。

見たこともない力が飛び交っている。

能力者たちが協力し、一つの存在を囲んでいた。

「なんだ……あれ」

自然と声が漏れる。

そこにいたのは、人間だった。

見た目だけなら。

白い髪。

黒い瞳。

年齢は俺と同じくらいに見える。

だが――

異様だった。

周囲の空間が歪んでいる。

まるで熱気の中の景色みたいに。

存在しているだけで違和感を放っていた。

「対象確認」

誰かが叫ぶ。

「封鎖維持!」

次の瞬間。

白髪の少年が手を上げた。

ドォン!!

凄まじい衝撃が発生する。

能力者たちが吹き飛ばされた。

「うわっ!?」

思わず声が出る。

今の、何だ。

能力?

そんなレベルじゃない。

「強すぎる……」

リナが呟く。

その表情は真剣そのものだった。

「捕獲対象じゃなかったのか?」

俺は聞く。

「本来はね」

リナが答える。

「でも暴走してる」

暴走。

その言葉に引っかかった。

「まさか……」

思わず白髪の少年を見る。

俺と同じ。

そんな考えが頭をよぎる。

「能力者なのか」

「うん」

リナは小さく頷く。

「しかも上位クラス」

戦闘は続いていた。

しかし――

明らかに押されている。

白髪の少年は一人。

なのに複数人を相手にしている。

それでも互角以上だった。

「おいおい……」

思わず呟く。

その時だった。

白髪の少年の視線が動く。

こちらを見る。

「……え?」

目が合った。

一瞬だった。

だが確かに。

次の瞬間。

少年の表情が変わる。

驚き。

信じられないものを見たような顔。

「……見つけた」

小さな声。

距離があるのに、なぜか聞こえた。

「は?」

意味が分からない。

だが。

白髪の少年は笑った。

そして。

俺を指差した。

「そこにいたのか」

ゾワッ。

背筋が凍る。

「リナ」

俺は声を絞り出す。

「今の……」

しかし。

リナの顔色も変わっていた。

「まずい」

それだけだった。

次の瞬間。

ドンッ!!

白髪の少年が消えた。

いや。

動いた。

速すぎて見えない。

「防御!!」

誰かが叫ぶ。

間に合わない。

少年は一直線にこちらへ向かっていた。

俺へ。

「逃げろ!!」

リナが叫ぶ。

だが。

足が動かなかった。

少年はもう目の前だった。

そして――

「やっと会えた」

そう言って。

俺の肩に手を置いた。

その瞬間。

視界が白く染まる。

頭の中に大量の映像が流れ込んできた。

知らない場所。

知らない人々。

知らない記号。

そして――

巨大な扉。

その前に立つ二人の少年。

一人は白髪。

そしてもう一人は――

俺だった。

「――っ!?」

激しい頭痛が襲う。

世界が揺れる。

「離れろ!!」

爆発音。

衝撃。

叫び声。

全てが混ざる。

意識が遠のく中。

最後に聞こえたのは、白髪の少年の声だった。

「思い出せ」

「俺たちは――」

そこで意識が途切れた。

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