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家族に“いらない”と言われた俺、実は国家機密級の能力者だった~捨てられたはずが政府に保護され人生逆転~  作者: あぁ


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第2話 「保護された先で知った現実」

第2話 「保護された先で知った現実」

気づいたとき、俺は見知らぬ場所にいた。

白い天井。無機質な照明。病室のようでいて、どこか違う。

体を起こすと、軽い違和感があった。

「……ここは」

「目が覚めたか」

声のした方を見ると、昨日の男が壁際に立っていた。

相変わらず無表情で、スーツ姿のまま。

「ここは我々の管理施設だ。安心しろ、危険はない」

「いや、全然安心できねぇよ」

思わず即答する。

むしろ状況的に不安しかない。

「……俺、どうなった」

「簡単に言えば、“保護”された」

男は淡々と答える。

「昨晩、君は正式に我々の管理下に入った」

「管理って……」

言葉に引っかかる。

保護じゃなくて、管理。

その違いがやけに重く感じた。

「まずは現状の説明をする」

男はそう言って、タブレットを操作した。

画面に映し出されたのは――俺の名前だった。

「は?」

思わず声が漏れる。

そこには、これまでの俺の生活が細かく記録されていた。

学校、成績、行動履歴。

それだけじゃない。

「……なんだこれ」

“異常現象記録”

そんな項目があった。

「君に関する観測データだ」

男は迷いなく言う。

「これまで、複数回の異常が確認されている」

画面が切り替わる。

そこには、いくつかの記録が表示された。

【記録No.12】

交通事故回避事例

→ 被験者周辺にて時間遅延現象を確認

【記録No.27】

試験中の異常解答率上昇

→ 未学習範囲の正答率100%

【記録No.41】

対人接触時の感情変化

→ 相手の思考誘導の可能性あり

「……なんだよ、これ」

思わずつぶやく。

全部、心当たりがあった。

だが、ただの偶然だと思っていた。

「君の能力は複合型だ」

男が言う。

「時間認識の操作、情報取得、思考干渉――複数の異常が同時に発現している」

「いや、待てって」

頭が追いつかない。

「そんなの、俺ができるわけ――」

「できている」

即答だった。

逃げ道を与えない声。

「君は無意識に使用している。だからこそ危険なんだ」

危険。

またその言葉だ。

「……危険って、何が」

「最悪の場合、周囲の現実を歪める」

その一言で、背筋が凍った。

「……はは、冗談だろ」

笑えなかった。

もし本当なら、俺は――

「安心しろ」

男が続ける。

「現時点では制御不能ではない。ただし、放置すれば不確定要素が増える」

「だから管理ってわけかよ」

「そうだ」

あまりにもあっさりと認めた。

「君は既に“国の資産”だ」

その言葉に、胸の奥がざわつく。

人間じゃなくて、物みたいな言い方だった。

「……断ったら?」

試しに聞いてみる。

男は一瞬だけ沈黙した。

そして――

「推奨はしない」

それだけ言った。

だが、それで十分だった。

選択肢なんて、最初からなかったんだ。

「今後の流れを説明する」

男は話を進める。

「まずは能力の測定と適性検査。その後、訓練プログラムへ移行する」

「訓練……」

完全に別世界だ。

昨日まで普通に学校行ってたのに。

「その前に一つ確認する」

男がこちらを見る。

「君自身、自分の力をどの程度認識している?」

「……ほぼゼロだよ」

正直に答える。

「ただ、なんか……変な感覚はあった」

「それでいい」

男は頷いた。

「では、簡単なテストを行う」

部屋の中央に、小さな装置が置かれる。

透明な板のようなものだった。

「ここに手をかざせ」

言われた通りにする。

その瞬間――

ピキッ。

小さな音がした。

「……?」

違和感。

次の瞬間、

バキンッ!!

装置が、砕けた。

「……は?」

俺は固まる。

何もしていない。

ただ手をかざしただけだ。

なのに――

「数値振り切りか」

男は、驚く様子もなくつぶやいた。

「やはり規格外だな」

「いやいやいや、待てって!!」

思わず叫ぶ。

「今の何だよ!?俺なんもしてねぇぞ!?」

「だから問題なんだ」

男は静かに言った。

「無自覚でこれだ。自覚した場合の影響は未知数」

心臓がドクンと跳ねる。

「君は――想定以上だ」

部屋の空気が変わる。

さっきまでの“確認”じゃない。

もっと別の、何か。

「……おい」

嫌な予感がした。

「これ、どうなるんだよ」

男は一瞬だけ考え、

そして、こう言った。

「予定を変更する」

その目は、初めてわずかに鋭くなっていた。

「君の扱いは“最重要対象”に引き上げる」

――完全に、普通じゃなくなった。

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