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冬の坂道
夏の夕刻ではなく、冬の昼。
鎌倉にも梅が咲きはじめた。
スーパーの前の梅の写真を撮って。
坂を下る。
しばらく下ると、海が見える。
海が見えてくるとテンションが上がってきた。
写真を撮ろうと、道の真ん中へ移る。
正面から、車がのぼってくる。
車、きちゃったか。
もう一度、真ん中へ。
今度は、後ろから車が。
ダメか。
坂道の写真を道の真ん中から撮ろうとするが、いがいと車が通る。
そして、再び、真ん中へ。
撮れた。撮れた。
振り向くと、自転車が2台、下りてくる。
まさにあの曲のイントロの光景だ。
写真、写真と思ったが、用意ができていない。
キャー、キャー叫びながら、近づいてくるふたり。
「あっ!」
僕は、思わず、声をあげた。
ふたりがこっちを見る。
ふたりとも気づいたようだ。
僕は駆け出した。
踏み切り前で待つふたり。
手を振るふたり。
「走れ~!」
と京子が叫ぶ。
「頑張って!」
と美鈴。
「とうちゃーく。」
「こんにちは。」
「どうも。」
3人で海にでた。
海はキラキラと輝いていた。




