表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣の道~拾われた子が30年素振りを続け最強に至るまで~  作者: 涙目


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
35/43

第35話 「いつもの場所」

この物語は全てフィクションであり、実在する人物、事件とは一切関係ありません。

道場へ戻ったのは夕方だった。


見慣れた門。

見慣れた庭。

見慣れた稽古場。


王都にいた時間は長くない。


それでも少し懐かしく感じた。


門をくぐる。


すると声が飛んできた。


「レン!」


リナだった。


駆け寄ってくる。


「おかえり。」


「ただいま。」


それだけだった。


リナは笑う。


「どうだった?」


レンは少し考えた。


王都。

大会。

シオン。

老人。


色々あった。


だが口から出たのは。


「勉強になった。」


リナは苦笑する。


「レンらしいね。」


それから少しだけ王都の話をした。


屋台のこと。

人の多さ。

大会のこと。


だがシオンの話はしなかった。


まだ自分でも整理できていなかった。


---


夜。


レンはいつもの稽古場へ向かう。


誰もいない。

静かな場所。


木剣を握る。


構える。


振る。


王都の訓練場ではない。

観客席でもない。


いつもの稽古場だった。


一振り。


また一振り。


その時、

ふと気付く。


師匠の姿が自然と思い浮かぶ。


シオンを見ていた時は分からなかった。


だが今、

この場所で振ると分かる。


師匠はいつも同じ場所を見ていた。


剣ではない。


相手でもない。


もっと近い。


目の前の相手が、

今何をしようとしているのか。


それを見ていた。


レンは木剣を止める。


思い返す。


子供の頃。

何度踏み込んでも打たれた。


技を見抜かれたのではない。


自分を見抜かれていた。


「……そういうことか。」


小さく呟く。


王都で見たシオン。


師匠。


似ている理由が少しだけ分かった気がした。


だが、

まだ違う。


そこだけは分からない。


レンは木剣を構え直す。


答えはまだ先にある。


だから振る。


一振り。


また一振り。


木剣の音が、静かな道場に響いていた。

お読み頂き、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ