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第三話 新しい家族

 俺と常見、カレンは俺と常見の車で俺の家に到着する。

 今日は綾瀬君もバイトのシフトが入っていない日だからみんな今頃夕食を終えてリビングか多目的スペースで寛いでいる頃合いだろう。

 俺は二人を先導して玄関に入る。


「お帰り、大木さん!」


 リビングでゲームをしていた綾瀬君が気づいてこっちにやって来る。


「って、あれ。ジョーちゃんじゃん、久し振り!

 って、後ろの女の子は誰ですか!!まさか、彼女さん!?」

「あ~、いや。いのりちゃんそんなんじゃねぇんだわ。」


 そう言っているうちに茉莉ちゃんと楓ちゃんもやって来る。


「おかえりなさい!和にい」

「和にーちゃんお帰り。」


 二人は俺の後ろにいる常見とカレンに気付き尋ねてくる。


「和にい、この人たちは?」

「ああ、こいつはようやくお目に掛けることにできたけど。噂の高賢寺 常見だ。

 今日漸く日本に帰ってきた。」

「で、奥の女の人は?常見さんの彼女さん?」

「あはは~。そのことなんだけどね・・・。取り敢えず落ち着いてから話すよ・・・。」


 俺はリビングで話をしたいと言って、常見とカレンを家に上げてソファに座らせる。

 俺もソファに座って、他の子たちは思い思いの場所に座っている。


「一応、茉莉ちゃんと楓ちゃんは、初めてだったよね。こいつが俺のもう一人の悪友、高賢寺 常見だ。

 みんな知っていると思うけご住職の次男坊で、俺達と事業をやっている。」

「いや~。改めて紹介されると照れちゃうな~。

 茉莉ちゃん、楓ちゃんよろしくね。」


 そう言って、初見の二人に挨拶をする。


「初めまして。深山 茉莉です。こっちは妹の・・・。」

「楓。」

「おうっ!よろしくな!!」


 そう言って気軽に挨拶をする常見。

 で、カレンだ。


「で、大木さん。この子は?

 ジョーちゃんの彼女じゃなかったら、どういう人なの?」


 俺は聞かれて、まずはカレンのことを紹介することにした。


「この子はカレン・最上・ダニエル。常見と俺の新しいビジネスパートナーのプロのポールダンサーでアメリカの名門大学生だ。」

「カレン・最上・ダニエルよ。よろしく。」


 カレンが立ち上がって一礼する。


「カレンは常見がアメリカでスカウトしてきたんだ。

 で、ケガの治療もあって来日したんだ。

 ご住職の好意で欧女の大学に聴講生としても通うことになった。」

「ということは・・・。」

「ああ、茉莉ちゃんと同じ大学に通うことになっているよ。」

「そうなんだ、私は深山 茉莉と言います。文学部の一回生です。

 よろしくカレンさん。」

「カレンでいいわ、茉莉。よろしくね。」

「この子が妹で高等部に通う・・・。」

「深山 楓。よろしく。」

「よろしく。」

「わたし綾瀬 いのりちゃんだよ~!よろしく!!

 もしかしなくてもハーフかな?」

「ええ、米日ハーフよ。あなたも同じね。ヨーロッパ系?」

「あははは・・・。事情があってそのあたりはわからないんだ。

 でも、アメリカの人から見てそうならそうなんだと思うヨ。わたしもそう思うし。」

「そう。ごめんなさい。」

「いや、気にしないで。そういうことだったんだよ。偶々ね。」


 そう言って互いに自己紹介をしあう。

 そして俺は本題を切り出す。


「で、ここからが本題。

 カレンをこの家に住まわせようと思う。みんなはどうかな?

 正直に言ってほしい。別に、嫌なら常見が新しい住む場所を確保するらしい。」

「和にい、私は和にいが決めたことなら問題ないよ。一応、住まわせてもらっている立場だからね。

 カレンさんのお部屋は空いているお部屋でしょ。」

「ああ、そうなる予定だ。」

「私も問題ない。」

「私もだよ~。」

「ありがとう。みんなお世話になるわ。」


 カレンが頭を下げる。


「で、ここからが本題なんだけど、カレンは現在、靭帯を損傷している。

 この治療を最優先で行うことになっている。

 これから手術をして、しばらくは血が滲むようなリハビリが必要だ。

 だから、みんな手伝ってもらえないかな?」


 俺はみんなに対して頭を下げる。


「いいよ。これから一つ屋根の下で暮らすんだから。当たり前だよ。」

「うん。」

「だねっ!」


 皆が快諾してくれた。

 カレンもほっとしたのか深く息を吐いている。


 ぐーーーーっ


 お腹の音が鳴る。カレンからだ。

 彼女は顔を真っ赤にしてお腹を抱えている。


「いけねっ。日本に帰って来てから直ぐに事務所に行って話をしていたから、機内食と軽いもんしか食べてないんだった。」


 常見にカレン以外の女の子の冷たい視線が突き刺さる。


「あの・・・。なんだか俺、とっても痛いんですけど。」

「ジョーちゃんの自業自得だよ!」

「ごめんなさい・・・。いま和にいのごはんしかなくて・・・。」

「ジョー最低。」


 うん、これは間違いなくこいつが悪い。

 たまにデリカシーゼロの行動発言が多い。

 だから顔はイケメン、性格ザンネンと常見を知る女性たちは評価する。


「すまねぇ!今から啓介の所にも挨拶がてら行って来て、飯食べてくるわ。」


 常見は急ぎカレンを車に乗せて、リストランテ ルイジに向かったのであった。

 俺たちはリビングに取り残される。


「和にい、本当にいいの?」

「ああ、彼女はビジネスパートナーだ。茉莉ちゃんたちが問題なければよろしくしてやってほしい。

 もちろん嫌なことがあったら遠慮なくいってくれ。出来る限り善処する。」

「なら、問題ない。見たカンジ、そんな悪い人や遊んでいる人には見えなかった。」

「まあ。腐ってもエール大の学生だから。」

「それは、とてもすごい。」

「?エール大?ビールみたいな大学だね。」

「いのりちゃん、アメリカの有名な大学だよ。日本でいうと早慶みたいな。

 ただ、レベルは段違いだけど。」

「え、なんかすごい子が来ちゃったね。」


 そんなことを言ってカレンの話をしながら、茉莉ちゃんたちはカレンのために準備と、俺の夕ご飯の準備をしてくれる。

 茉莉ちゃんは俺のごはんを温めなおしてくれた。

 楓ちゃんは取り合えず今日は一階の和室に泊ってもらうことにしたので、布団を準備してくれた。

 綾瀬君は明日からの朝食の材料が足りないとのことで、スーパーに買い出しに行ってくれた。

 皆、新しい家族となるカレンを好意的に捉えてくれているようだ。


 これから、どんな生活が始まるだろうか。

 俺はこの家が満員になって、騒がしくも楽しい日々を想像した。

 心の中で亜咲に問いかける、


 これでよかったんだよな、亜咲・・・。

 空っぽだった俺とこの家が満たされてきている。

 きっと、もうすぐ亜咲に顔向けできるような、亜咲が好きでいてくれた俺に戻れるような気がするよ・・・。


 こうして、俺と4人の共同生活が、本当の生活が始まった。






気になった、続きが読みたいって方は是非ひと手間お願いします。

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よろしくお願いします。

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