038●闘血鬼の習性
「考え方や行動様式も、随分と異なっています。例えば、食物にしても、そのほとんどがタンパク質です。」
クドーは解析結果を読み上げる。
「あの技術をもってすれば、調理は容易なはず。しかし、好んで生肉を食べているんです。」
「生のまま?消化吸収に時間がかかるぞ。非効率だろう?」
「メディカル・チームによると、胃腸に当たる部分に、我々テラトリアンと差異が見られます。生肉を摂取することで、ビタミンなどの成分も取り入れているようです。腸内細菌も特殊です。つまり、調理に時間をかけず、素早く栄養を吸収し、常に戦闘を続けられるような身体に進化したのではないか、とチームは仮説を立てています。」
「食事の仕方はどうなんだ?」
「刃物で獲物を切断してかぶりつく、というスタイルです。しかし、そこには秩序があります。上位者から順に食べ始め、下位者は上位者のおこぼれをもらう、という傾向が見られます。」
「上位者はどうやって決まるんだろうな?」
「現在のところ、我々テラトリアンが近づくと、本能的に自分より強いかどうかを感じるようです。下位者での比較観察では、こちらの歴戦の兵を近づけると、反抗的な態度を止めるものがいます。新兵との差は歴然です。」
「うーん。闘血鬼、トウケツキ、か。自称なのか?そこだけ、テラの一部地域の文字と発音が使われているというのも妙な話だ。」
「ええ、それなんですよ。どうも、彼ら彼女らの始祖の中の一人から、伝えられた呼び方として、脈々と伝わってきたようですね。最初の受信を無理やり文字起こししてみると、文中に闘血鬼と表示されました。」
あっ、本当だ!あの時は気がつかなかったよなあ・・・。




