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031●ルール この名にかけて

作戦会議は長時間に及ぶ。

ルシファーは思う。

最後にこのような綿密な相談をしたのは、いつだったのだろう、と。


極めて初期の、もう記憶の彼方にある時代。

科学も技術も戦略も随分と未熟だった頃。

犠牲者が多く出た。自分たちのためだった。生き延びなければならない。

少しでも長く、豊かに、強く。

憎悪の連鎖の中にいた。強欲に飲み込まれていた。


衣食足りて礼節を知る。

試行錯誤の末、身につけた最先端の科学は魔法と区別がつかない。

全員が安堵した。だが・・・もう、 天国には行けない。

多くの命を奪いすぎた。半永久的な身体を手にしたが、精神はそうではない。

それは現在でも変わらない。

それでも、せめて奪った数と同じぐらいの命を救いたい。

罪滅ぼしにもならない、自己満足でしかないと、誰もが分かっていた。


それでも、皆が立ち上がる。

人類は捨てたものではない。

自分たちもそうだ。そうであるはず。そうでなければ。

世界線をこえる能力を手に入れた時、考えた。何とかなるかもしれない、と。


しかし、現実は厳しかった。

何度試みても、滅亡する世界がある。絶望を味わう。だめだ、まだ、だめだ。


やがて、ルールを決めた。干渉しすぎない。できるだけ、穏やかに、そっと。

管理者などという視線は禁物だ。それでも支援者には、なれるのではないか。

物理的破壊がやむを得なくとも、命の損失は避けること。

その世界線、時間軸に沿うように努めること。


ただし、例外のないルールはない。

緊急事態での超・高度技術の使用。

命を奪うことに直面した時、回避する特別な方法。

それら諸々の関連するルールを持つようになった。


さらに超例外が存在する。

「ダークエンジェル」である。

皆が手を上げた。自分がやる、と。ロードも例外ではない。

激しい議論となった。誰も譲らない。誰も譲れない。

一応の結論が出るまでには、ヒトの寿命の何倍もの時間が必要だった。


ルシファーは思う。

今度の件で命を奪うことは、避けられないだろう。

だが、だからこそ、今、わたしはマイロードといる。

使命を果たすために。そうだ、その時がやってくる。

この「ルシファー」の名にかけて、

決して譲ることのできない、

あの誓いを、必ずやり遂げるのだ、と。


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