392 最終試験
ガッ! ……ドカッ!
ゴーレムの攻撃は、見事受け流されて地面へと叩きつけられた。
「やった!」
「おめでとう。」
特訓の成果、サリーさんが先に受け流しに成功し、お陰で盾術のスキルを習得したみたいだ。
「私も負けてられない!」
「頑張って!」
それを見たルナさんが闘志を燃やしたのは言うまでも無かった。
ガッ! ……ドカッ!
それから少しして、ルナさんも成功を納め、盾術のスキルを習得できたのは言うまでも無かった。
「2人共、おめでとう。」
「「ありがとう!」」
「後は徐々に速度を上げて行く修行だな。避けられる時は避け、避けられない場合は受け流し、それも出来ない場合は受ける特訓になる。」
「「はい!」」
「そうそう、これからは防御と同時に余裕が有ったら攻撃もしてみてくれ。」
「分かったわ。」
「はい。」
こうして、新たな目標を立てることで、特訓は続くのだった。
・・・・
そして仮入団の3ヶ月が過ぎた。
「今日で仮入団は終了となる。そのため、今から配属先を決めるための最終試験を行う。」
「「「「「「はい!」」」」」」
「とは言っても、お前たちの配属先は、ほぼ決定しているんだけどな。」
「教官、だとしたら試験の意味は無いんじゃ無いでしょうか。」
「そう言うな。一応決まりだからな。」
「ちなみにどちらへ配属されるのでしょうか。」
「ロイドとトールは第4騎士団となる。ここは魔法使いのみを集めた騎士団なので、選択の余地は無いんだがな。」
「教官、シュウは違うのでしょうか。彼も魔法使いでは?」
「いや、シュウは別の部署となる。部署名は言えないがな。後で本人にのみ通達する。」
「分かりました。」
まぁ、剣も魔法も使えるからどこでも良いけどさ。出来れば面倒事が少ない楽な部署が良いな。
「そして、ルナとサリーは第1騎士団だ。」
「そうなんですか?」
「第1騎士団って、エリート達のみが集まるって言う、あの第1ですか?」
「回復魔法が使えるのは貴重だからな。より王族に近い騎士団への配属となる。」
「「わかりました。」」
あれ? ゴンゾーさんも僧侶なのに、第1騎士団に配属にならないのか?
「最後にゴンゾーだが、貴殿だけは試験の結果で配属先が変わることなっている。」
「一応確認ですが、それは何故でしょうか。」
「すまないが、貴殿は魔法職では無く戦闘職とみなされたとのことだ。戦闘の結果で第1から第3のいずれかへの配属となる。」
「なるほど、承知した。」
ゴンゾーさんには悪いが、納得だ。シールド以外の魔法を使わないし、何でこっちに来たのだろうと思ったくらいだしね。
「それで試験の内容は?」
「教官である私と戦ってもらう。」
「承知した。」
「では、ゴンゾーは前に。」
教官の合図と共に、ゴンゾーさんが前に出て教官と向かい合った。
「戦闘は気絶、または参ったと言った時点で終了とする。質問は有るか?」
「有りません。」
「では、始めるとしよう。」
教官は模擬剣を、そしてゴンゾーさんが拳を構えた。
教官が例の魔法を使う気配がした。さぁ、ゴンゾーさんはどう対応するのか楽しみだ。
パンッ!
ゴンゾーさんの顔の周辺に水球が現れたと同時に、水球が破裂した。
「シールドか!」
「ご名答。事前に分かっていれば対策も容易だ。」
「なるほど。」
ゴンゾーさんがそう言うと、教官はニヤリと笑うのだった。
その後は距離を縮めての近接戦闘での戦いとなった。
お互いの攻撃を避けて反撃をする応酬が続いているが、武器の有無と戦闘経験の差からか、徐々にゴンゾーさんが不利となっていた。
被弾はシールドで防いでいるみたいだが、そろそろMPも切れそうだ。
ドカッ!
「……参りました。」
MPが切れてシールドが張れなくなった時点で、わき腹への一撃を食らったことで、ゴンゾーさんは負けを宣言したのだった。
中々いい勝負だったのだが、ふと思ってしまった。
「ルナさんとサリーさんなら勝てるかもしれない……」
結局、複数を相手に全体を把握しながら戦うことは出来なかったが、単体相手による避けと防御に関しては問題無いくらいに強くなっていたのだ。
オリハルコンの剣か糸を使わない普通の武器での戦闘であれば、俺も魔法無しで1対1の勝負をしたら、負けることは無くても勝つことは難しいかもしれない。
魔法有りなら余裕だろうけどね。
「では、ゴンゾーとシュウの結果は追って連絡する。今日のところはこれで解散とする。」
「「「「「「はい。」」」」」」
解散後、ルナさんとサリーさんが俺のところにやってきた。
「今日も特訓するの?」
「その前にちょっと聞いても良いかな?」
「どうした?」
「もしかしてだけど、私達って結構強くなってない?」
「試合を見ていた感じだと、教官にも勝てたかもしれないよね?」
バレテーラ(汗)
「あーうん。そうね。でもショックを受けるかもしれないから、本人には言わない方が良いかもね。」
「そ、そうだね。」
「うん。」
こうして3ヶ月の特訓の成果は、確実に身に付いたことを理解した3人であった。




