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女神のさぶらい 〜逃げた勇者共に代わり武士を召喚してやった〜  作者: サムハラ
第五章 創造の勇者編

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第7話 アンジェさんの3秒クリエイト

「アンジェさんの3秒クリエーイト! イェーイ!」


 晴れた空の下、アンジェリカはいつものように1人突き抜けたテンションで奇行を始めた。


「はい、今日はめがみんのアーリーライフルに似た銃を作って行きたいと思います! アシスタントはミュンミュンでーす! よろしくお願いしまーす!」

「え? ええ、よろしく……」


 横に立つミュンネイもこの状況が分からず困惑した顔を見せる。

 そんな彼女にアンジェリカは口を尖らせて言った。


「ちょっとミュンミュン。もっとノリ良くやってくれないとアタシ拗ねるよ~」


 注意されて改めて笑顔で手を振るミュンネイ。ただしやっぱり意味が分からないので「私は何をやらされてるんだろ……?」と小声でぼやいた。


「俺等は何を見させられてんだ?」

「分かりません」

「ってか、めがみんって何? あの娘、女神に対してフレンドリー過ぎない?」


 彼女達の前に座るアルケー達も訳の分からないといった顔をしている。

 アンジェリカと出会って4日、アルケー達はまだネスタに滞在していた。何せ彼女達の予定が詰まり過ぎていて中々、カルカスに連れて帰れないのだ。

 そんな日々のポッと空いたオフ日に、アンジェリカは街外れの山までアルケー達を呼び出しいきなり奇行を始めた。

 岩の上にはアルケー達が集めたり菊子の(つて)で送って貰った鉄、銅、真鍮、鉛、炭、木、硝石、硫黄等の材料が並べられている。


「さて何で材料を集めて貰ったかと言うと、皆さんご存知アタシのスキル創造(クリエイト)は物を作り出すスキルです! でも実は何でも作り出せる訳じゃあないんだなコレが! 簡単に言えば作る物に必要な材料、技術を魔力で再現するスキルなので、せめて材料だけは集める様にしましょう! でないとアタシが疲れちゃう!」


 前にいるアルケー達に向けてアンジェリカは自身のスキルについて説明する。


「では早速、創造(クリエイト)物質操作(マテリアルマスター)!」


 集められた材料に手をかざす。すると材料は一箇所に集まり、まるで幼虫が(さなぎ)になる様に、そして羽化する様にその姿を変えた。

 一瞬にして、さっきまで鉄屑や石ころだった物が見事な銃へと変貌を遂げたのだ。


「はい出来上がり! 以上! アンジェさんの3秒クリエイトでした~!」

「私何かアシストした!?」


 勝手気ままに始まり、そして終わった相方にツッコミを入れるミュンネイ。

 そのアンジェリカは工作が完成した子供の様に飛び跳ねながら三郎の元まで来ると、出来立てほやほやの銃を差し出した。


「はい、さぶちん御所望の銃だよ!」


 ズンッと重たく手に沈む銃に三郎は目を見開く。

 中折れ単発式のダブルバレル・ソードオフ・ショットガン。

 弓でも太刀でもない未知の力が我が物となった三郎はそれこそ子供の様な笑みを見せた。


「これが俺の()()()()()()()()か!」


 アルケーのアーリーライフルしか銃を知らない三郎はこの手の物を全てアーリーライフルと思っているらしい。本当はショットガンなのに。

 早速アルケーの見様見真似でショットガンを構える。確か輪っかの中の出っ張りに指を掛けて引けば光の弾が放たれる筈だ。

 だが引金を引いても何も起きない。

 何だ何でだとまごついているとアンジェリカが何かを手に持って見せてきた。


「さぶちん、弾を入れないと使い物にならないよ」

「アルケーはそんなの入れてなかったぞ」

「私のは魔力の弾丸だもの。掴んだ手から供給出来るのよ」

「めんどくせぇな」


 今までアルケーのアーリーライフルしか見たことない三郎にとって、火薬で撃ち出す銃の事情なんて知る筈がない。

 思っていたより遥かに不便だった武器にちょっと残念感を抱きつつも、アンジェリカからのレクチャーを受けて、いよいよ三郎は山の斜面に銃口を向けた。


「さあ、さぶちん! 初ショットかましたれぇ!」

「応!」


 ドンッ!!


 三郎は2つの引金を一遍に引いた。

 初めて撃った銃の衝撃、轟音、煙。

 どれも坂東武者の彼にとって初めての物ばかり。

 それに驚いた三郎は反射的に手の力が甘くなってしまった。その刹那、銃は手からすっぽ抜けて彼の大きな鼻に激突した。

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