出会い
いつものように家を出た。大学までは20分くらいで着くため健康も考えて毎日歩いて通学してる。
「あ、」
目の前で突然女性がうずくまった。秋めく季節には似合わないくらい薄い服装の若い女性だった。
少し目を離した隙に彼女の前に水たまりができていた。ただ、私にはそれが何なのかはわからない。
「大丈夫ですか?」
私が戸惑っている間に後ろから若い男性の声が聞こえた。
「救急車、呼びますね。どこが痛いかだったり教えていただけますか?」
突然現れた男性はあまりにスムーズな対応で女性を介抱した。
うづくまった女性は苦しそうな声を出すだけで、彼の言葉に全く答えられていない。
その間に彼は救急車を呼び的確に場所と状態を伝えていた。
「すみません。お願いしたいことがあるのですが。」
彼のあまりに手際のよい動きに感心していると彼に話し掛けられた。
「彼女の腹部の状態を確認していただきたいんです。」
あぁ、そういうことか。昨今、緊急時であっても女性の衣類を男性が脱がすことにはリスクが伴う。そこで私に依頼してきたのであろう。
「大丈夫ですよ。」
特に断る理由もなかったので二つ返事で了承した。
彼女の服をめくったが、特に異常があるようには見えなかった
「特にどうにもなっていないはずです。」
見たままの事実をそのまま伝えただけだ。色が見えない私にとって青くなっているとかそういうのは全く分からない。ただ、私は人の命と自分の秘密を比べたときに自分の秘密をとってしまえるくらいには冷たい女だったのだ。
「ありがとうございます。助かります。」
彼のまっすぐな感謝に心が痛くなる。
そのあとの流れはとても速かった。救急車がやって来て女性を搬送していった。
「あの女性、無事だといいですね。」
先の男性が私に向かって話しかけてきた。
「あぁ、そうですね。」
なんといえばいいかわからず、生返事で返してしまった。怒らせてしまっただろうか。
そんなことを考えていると男性がふと時計を見て慌てた顔をした。わかりやすい人だ。
「それでは、僕は失礼します。」
彼の言葉は非常に丁寧だったが、その中には焦りが見えた。何か大切な用でもあったのだろうか。そのまま彼は走り去っていってしまった。
「あ、大学」
一限の開始時間はとっくに過ぎている。
「まぁ、いいか。悪いことしてたわけではないし許してくれるでしょ。」
私の中にはあの時色がわからないことを言えなかった弱さと彼の後ろ姿がずっと残っていた。
どうやったら感想っていただけるんでしょうか。何かと不慣れなパソコンで書くのは難しいですね。




