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君たちの時代にいたい  作者: たかゆき宗也
6章 番外編
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リラとアメッサの出会い

〈1921年某月〉


 演習場に第13小隊の隊員がぞろぞろと集まっていた。


「今日の演習。士官候補生が指揮を取るんだってよ」

「オーライ〜、俺達は未来の上司の練習台かぁ」

「なぁ、リラもそう思うよな」


 同期のバリーが肩を組みながら話しかけてきた。

 どうやら今日は士官候補生が来るらしい。

 もう一人の同期は諦めたように手を持ち上げていた。

 


「え? うん、どうだろう……でも実際前戦に行くのは私達だし覚悟は決まってる、かな」


 軍人になったからには死は覚悟していた。

 

「なーに言ってんだよ。大きな声じゃ言えねぇが、お前は俺ら13小隊の中でも上位に入る実力だよ」


 士官学校を卒業して早1年。

 リラは第13小隊に所属していて、前線で同期達と共に奮闘していた。


 バリーが言うことには一理あった。

 一年も経てば多かれ少なかれ怪我をするが。

 リラは大きな怪我をすること無く戦線を生きていた。

 

「そんな事はない! 幼い時から剣術を習っていただけで、戦場は慣れていない、馬鹿なことを言うな」

「俺らの中で一番特進が遅いのは確かだろうけどな」

 

「笑えない冗談はやめてくれ……まぁ、君達が危なくなったら助けてやらん事もない」

 

同期とくだらない話をしていると号令がかかった。

慌てて整列をする。

私達13小隊の前に現れたのは、妹のリーナとさほど背の変わらない少女だった。

 

「初めまして、本日から3日間、第13小隊の指揮を務める。士官候補生のアメッサだ」


 自らをアメッサと名乗った少女は声を低く作っているようだったが、あまり気迫は感じられなかった。


 この子が士官候補生……。

 国はいつからこのような採用をするようになったんだ?

 

 私の疑問は小隊の全員が感じていた様で、しまったことに同期が声を上げた。


「あの、この方が小隊の指揮を取るんでしょうか……?」

「あぁそうだ、バリー伍長。確かに私は軍の身長制限ギリギリだが、今年で18にもなる。貴官が心配するような事は何一つ無い」

「……し、失礼しました!」


 アメッサさんは少し顔を顰めた後、説明を始めた。

 リーナと背が変わらないから、もっと歳が離れていると思っていたけれど、アメッサさんの年齢は私の一つ下だった。

 

「それでは明日からの作戦についてだが……」


 アメッサさんから作戦について説明があった後に解散。

 

 13小隊の中でアメッサさんと同性で年齢も近いこともあり、仲良くしてやれと隊長から言われた。


 辺りを散策していると、人気の無い場所にアメッサさんは座り込んでいた。

 

「やはりどうかしている。場馴れしろとは言われたが、どう考えても……」


 アメッサさんはよく聞こえなかったが、独り言を呟いていた。

 

「アメッサ少佐、少々お時間よろしいでしょうか」

「リラ伍長、何かあったか」


 アメッサさんはすぐさま立ち上がった。

 

「先程は同期が失礼しました。少佐は卒業後、司令部に配属されるそうですね」


 アメッサさんは上官の司令官とノイの諜報員を摘発し、階級が少佐へと上がり、更に司令部に所属するらしい。


 上官の司令官はナオキ少将。

 同じくノイの諜報員摘発で大将となり時期に父から総司令官の座を引き継ぐと言われている。

 

 噂はそちらの方が強く、アメッサさんに関しての情報は殆ど流れていなかった。

 

「あぁ……私の出す作戦が不安か?」


 アメッサさんは少し目を細めた。

 半ば諦めのような、穏やかな表情をした。


 弱冠18歳で司令官になる方だ。

 周囲の目も痛いことだろう。

 

「いえ、あなたの作戦を私達は頼りにしています」

「そうか、私も君達の実力を頼りにしている」

 

 アメッサさんの返事は反射的に出た返答だったかもしれないが、私達はこの人に3日間命を預ける。


 それで死んでも後悔ないよう、私は目の前の敵を、家族の敵を一人でも多く殺そう。

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