白い宝石の王子。え、ちょっと何をしているのですか?!
ちょっとした昔話をどうぞ。
そんなに難しくも長くもないですよ。
最後の方にはあの人も出てくるそうです。
どうして私が化けタヌキなのかについては、はるかな先祖の伝説について話さなければなりませんわ。
その昔、私の先祖はここよりもずっと東の島国に住んでいたそうです。そして私の先祖——1匹のタヌキはとある人間に恋をしたのです。
ですがタヌキの身では相手にもされないでしょう。悲しんだタヌキは3日3晩泣いたそうです。
しかし、その様子を憐れに思った女神がタヌキに祝福を授けたのです。「あなたに変化の力を与えましょう。その力で人間の姿になるのです。もし恋を成就できたら、本当の人間になれますよ」と。
喜んだタヌキは人の姿になり、人間へ会いに行きました。そして、無事に恋を実らせたタヌキは人間になることができました。
ただ、祝福が中途半端だったのでしょう。人間といっても、タヌキに化けることができる人間に、それから2人の子供は、3歳になると人に化けることができるタヌキになったのです。
その後、海を渡った子孫にもその祝福は受け継がれ、恋が叶えばタヌキになれる人間になる、という運命を背負うことになったのです。
めでたくない、めでたくない。
この化けタヌキというのが本当に大変なのです。生粋の人間である皆様には想像できないでしょう。
少し気を抜けば尻尾が出て、鏡を見ていなかったら目の模様が残る。しかも私は公爵令嬢。変な姿を皆様にさらす訳にはいけませんわ!
こんな大変な生活を私の子供に、ひいては子孫たちに味合わせるわけにはいけません。だからこそ!私の代でこの化けタヌキの血を終わらせることにしたのです!
後継者は養子を取るよう、お父様たちにはお願い済みですわ。なのであとは私が結婚しなければいいこと。結婚したら世継ぎを求められますからね。
なので、学園でも殿方にはあまり関わらないよう、距離を取るように頑張ってきたのです。絶対に叶えるわけにはいかない恋などしたくありませんもの。
なのに、なのに、どうして白の宝石と名高いユリウス王子が私でタヌ吸いをしているんですのー!!
「スーッ」
スーではありませんわ!
ご覧いただきありがとうございました!
ちょっとややこしいかもしれないところを補足。
3歳になるまでは人間として産まれ、生活します。出産のときに大変になりますからね。
その後、メインの体はタヌキ、変化で人間としての自分にだけ化けることができます。
恋が成就すると、メインの体が人間、変化しようと思えばタヌキになれる、いわば化け人間になります。
人はそれを化け物と呼ぶって?やかましいですわよ。
こんなかわいい子たちを化け物と呼べませんよ。
最後の王子、どうやらセレスティーネを吸っているようですね。
王子、そこを代われ。




