令嬢の朝はドタバタと始まるものですわ
お母様のキャラが濃いです。オネエ言葉じゃないよ。
お母様!勝手に部屋に入ってこないでと何度言ったら分かってくれるのですか!
「ギャー!ギャーン!」
「あらあら、なんて言っているのか分からないわ。今日もきれいな毛並みねえ」
そうですわ。タヌキの姿のままでは言葉が話せないのでしたわ。早く変化しなければ。葉っぱを頭にのせて、えい!
けほっけほ、やっぱり少し煙いですわね。美しいルビーのような巻き髪、しなやかで傷1つない四肢、ちゃんとネグリジェを着ていますし、尻尾は……ありませんわね。よし、変化完了ですわ!
「お母様!勝手に部屋に入ってこないでくださいませ」
「ちゃんと変化できているのか心配なんだもの。それに、かわいい娘を起こしたいのよ。許してちょーうだい」
ぐぬぬ。18の娘がいるとは思えないほど若々しいせいで、かわいこぶった仕草も大して痛くありませんわ。なんということ。
「それに、まだちゃんと変化できていないわよ。鏡をみてみなさーい」
「え!なんですって!」
そんな、今日の変化は完璧なはず。寝ぐせで乱れた髪、髪と同じく赤い瞳、よく見たら瞳の縁は金色になっているし、いつも通り……
「いや——っ!!」
目の周りに黒い模様が残っているではないですの!ああ、これがもし人前だったら大変なことになりますわ。公爵令嬢としてのイメージが……!
「ふふっ、セレスティーネちゃんもまだまだね~」
目の周りが黒いまま、同じく化けタヌキだったお母様をきっ、と睨みました。
「化けタヌキの血筋は、絶対に私で終わらせますわ!」
ご覧いただきありがとうございました!
次の話は、どうしてこうなったかについてです。
最後の方には、大きな進展もありそう……!




