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【完結】異世界召喚が勇者召喚じゃなくて魔王召喚だったけど、魔王として頑張ってみようと思います  作者: 雲英侑李


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第28話 万能結界

ボクに切りかかってくる勇者の足元にはさっき僕が投げた石がある。それも次の一歩で確実に踏む。


ガタッ  ボロッ


石が崩壊した?魔力障壁に阻まれたのかな?魔法を発動した後みたいな崩壊の仕方だね。


「[ハード]」


右腕全体を硬質化させて剣を受ける。


「面倒だな。」


「そう?ならほかの攻撃手段を持ってくるといいよ。君の身体能力じゃどうやってもボクの身体強化を超えることはできないよ。」


といっても魔法で倒そうとしたら僕にも決定打がないのは事実だね。魔力障壁の仕組みは結界自体に魔力感知の能力が備わってて、魔力を感知したらその攻撃に対して絶対的な防御を張るって感じかな?なら魔法ではあるけど、魔力を介さない攻撃なら問題ない?


「貴様も同じだろう?近接戦ならまだしも魔法でとどめを刺すには決定打を持たない。そのうえ武器を持たない以上近接戦でもとどめはさせないだろう?」


「それはないかな。近接なら簡単だよ。でもせっかくだから遊びたいしね。魔力障壁を魔法で突破したいって好奇心もあるからね。[サンダーストーム]!」


魔法で強制的に嵐を発生させてそこで生まれた雷のエネルギーを制御する魔法。これなら相手に当たるころには雷に魔力は残っていないはず。


「雷か。魔法で起こしたものだ。その程度で障壁を突破できるとでも?」


キィィィン


弾かれちゃったか。でも手ごたえが違う。これは・・・・


「貴様、どうやって魔法障壁を突破したんだ・・・?」


「なるほどね。内側に万能結界まで張ってるわけだ。」


「よくわかったな。お前の攻撃は俺に届かない。」


万能結界についてはカイルから教えてもらった。術者の実力次第ではいかなる攻撃であろうと通さない最強の結界魔法だ、と。でもカイルからはもう1つ万能結界の強みを聞いてる。それが本当なら・・・


「万能結界の弱点って知ってる?」


「万能結界に弱点なんてものはない。」


「そりゃこの世界の人間ならそう思うのが当然だよね。教えてあげるよ。[ヒーリング]」


この世界では一般的な回復魔法。悪魔天使(デモンエンジェル)になった時に使えるようになったものだけど・・・


「なぜ俺に回復魔法を?」


「これが答え。万能結界は内部の者に対して『ダメージを与える攻撃』しか防げない。魔力障壁もそれは同じことだけどね。[アンチウォード]」


パキパキパキ


「な、万能結界が・・・」


「さて、これで魔力を介さない攻撃は通るよね?」


魔力障壁を壊せなかったのは本来広範囲に使う魔力障壁を効果範囲を対個人にまで絞ってるからかな?せっかくなら魔力障壁まで破りたいけど・・・


「貴様・・・・!」


「でも、それじゃつまらないからね。意地でもその魔力障壁を破って倒してあげる。」


「どこまでも俺を舐めやがって・・・!」


さっきまでは剣筋がきれいで確実にボクを切り裂きに来てたけど、怒りでザルになってきてるね。この程度ならボク程度の格闘でも楽にいなせる。


「{空力(くうりき)}」


「空中を足場に!?」


まずいね。この位置関係はマズイ。回避しきれない。けどこっちが結界を使うと負けた気になるし・・・こんなので手札を切るのはもったいないけど仕方ないかな。

転移座標をデフォルトから勇者の真後ろに変更。足元の石に触れて・・・


スカッ


「何!?」


「どうしたの?そんなの当たらないよ。」


「そんなわけはない!貴様の身体能力では今の攻撃は避けられないはずだ!魔法の使用にも魔法名自体の詠唱は必要なのだろう?」


「そうだね。でも、トリガー式の魔法はそうでもない。さっき投げた石、あれには全部魔法が込められてたんだよ。あんたが踏み荒らすから今のが最後の1個だけどね。」


「それが回避できたことの回答になる、と?」


「今というか、最初あんたが受けた[ヘルファイア]以外全部転移魔法なんだよ。うちの四天王の一人が使う空間転移と同じものだと思ってくれていいよ。」


「なるほどな。だが、もうトリガー式の魔法はないのだろう?スキルを使う俺の攻撃を避け続けられるか!」


厄介だね。空気を自在に操って足場を作れる感じっぽいし。

攻撃は何とか回避しながら、ボクはすべての攻撃魔法を1つずつ無詠唱で完成させていく。もちろんそのすべての魔法はまだ解放せずに器の中に詰めている。器を大きく作りはしたけど、それでももともとこの世界にあった魔法とボクの作った魔法は相性が悪いみたいで制御にはかなりの集中力がいるね。

回避しながらだと厳しいかな?制御がおろそかになるかもだし向こうが使ってきたものに頼るのはカッコ悪いから嫌だけど、仕方ないね。


「[万能結界]」


「めんどうな・・・!」


仮に突破されてももう気にせずに制御する。そうでもしないといつ崩壊するかわからないから。

1つずつ丁寧に紡いでいく。器はもういつあふれてもおかしくない。それだけの魔力量が込められてる。その中にある魔法がどう混ざっているを解析してその混ざった中に丁寧に混ぜ込んでいく。今器に入った魔力量に変更は加えずに術式だけを混沌の中に織り交ぜていく。

そして最後の1つ。これまでボクが一番使ったであろう魔法[ウォーターボール]を混ぜ込んで完成。


パキパキパキパキ


万能結界もそろそろ限界かな。さすがに突貫だと大した耐久力もないね。


「混沌魔法[(うつろ)]」

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