第24話 悪魔天使
「そ、そのお姿は・・・」
「え?」
姿が変わったのかな?本来の姿に?スキルを発動できたってことはボクのスキルは・・・
「すぐに鏡をお持ちします。」
ってことでフランが鏡を持ってきてくれた。
「本当にこれがボクなの?」
「はい。おそらくヒヨリ様の本来の魂の姿がその姿です。種族としては悪魔の系譜から外れてはいなさそうですが・・・」
そんな僕の姿は、この世界に来たことで生えた角は消え、背中には純白の翼、神も金髪になってる。まるで・・・
「天使、みたいだね。」
「おっしゃる通りかと。この世界に種族としての天使は存在しておりませんが、人間の信仰する宗教において神の御使いといわれております。」
「そうなんだ。そこは大体ボクの元居た世界とあんまり変わらないかな。でも、こんな姿で悪魔の系譜って本当?」
「はい。私は種族的な能力として悪魔の系譜の絶対支配というものを所有しています。その効力は格下の悪魔の系譜の魔族すべてに及びます。そのため、相手が能力の対象になりうるかがわかるのです。今のヒヨリ様は能力の対象外ではありますが、その気配は悪魔そのものです。」
「でもこんな姿だよ?」
「そうですね。ですが、原子悪魔ではなくなっているようです。」
「そうなの?」
「はい。悪魔の気配以外にも神聖なものの気配を感じます。おそらくは天使の力も有しているのでしょう。」
「へぇ。なら悪魔天使ってとこかな?」
「未知の種族ですしいいと思います。ただ、明日の戴冠式には以前の姿で出ていただけますか?」
「うん。魔法で姿を変えておくよ。」
「お願いいたします。」
「フランはさ、このスキル、世界の法則をいじれるものだと思う?」
「私どもはそう考えておりましたが・・・」
「多分だけど違うよ、これ。今自分から使って確信したよ。このスキルは・・・いや、いいや。明後日見せたほうが速いし。」
「よくわかりませんが、かしこまりました。」
コンコン
「はーい。フラン、出てあげて。」
「はい。」
フランがドアを開けるとそこにはカイルが立ってた。
「ヒヨリ様、なのですか?神聖な気配を感じ、戴冠式の準備も終わったところだったので慌てて駆け付けたのですが・・・」
「せっかくだし四天王には伝えとこっか。カイル、レイとゲルを呼んできて。」
「かしこまりました。」
ってことでボクの部屋に四天王全員が集結した。
「ってことで、ボクはスキルについて理解したし、これがボクの本来の姿なんだ。」
「って言われても天使だなんてな。簡単には信じられねぇよ。」
「でも気配はヒヨリちゃんなのはゲルもよくわかってるでしょ?それにこんなにかわいいんだもの。」
「それで明後日なんだけど、みんなこの部屋に集まってくれる?タイミングが合わなかったら部屋にはボクいないかもだけど勝手に入っていいから。集まるタイミングは衛兵から伝えさせるから。」
「ここに、ですか?」
「うん。ちょっと面白いものを見せてあげようかなと思ってね。」
「俺は問題ない。」
「私も問題ありません。元はゲルと残った依頼の片づけに行くつもりでしたが、ヒヨリ様のおかげで片付いていますので。」
「私も大丈夫よ。」
「私も大丈夫です。」
「それなら決まりね。それじゃ今日は解散!」
もう夜だしみんな戻ってった。今日はさすがに休もうかな。明日の夜にレドルと話して明後日には決着をつけに行く。
「[フェイクカバー]」
解除するまでは効果が持続するから休んでても問題ないね。休むにしてもやっぱり寝れそうにはないね。やっぱ魔法でも試しに行ってみようかな。
「またお前か。」
「今日はいるんだ。」
「そういえば明日俺のことを呼び出していたな。今用件を聞いてもいいか?」
「ごめんだけど、それは無理かな。明日の、それも夜じゃないと都合が悪いからね。」
「そうかよ。」
「まぁ、話したところで問題はないかもだけど、一応、ね。」
「相も変わらず魔法の練習か?」
「まぁ、そんなところかな。といってももう練習することもないんだけど。」
{全能神}の力は把握したし、なんとなくだけど、制御できる感覚もある。多分魔法も自由自在に使えるし、新しい魔法だって作り放題じゃないかな。多分このスキルはイメージできることであればすべてを実現するスキル。文字通り全能の神の力だね。
「そうかよ。そういえば勇者から魔族の襲撃を受けたと連絡があったんだが、知っているか?」
「それね。勇者軍を本来の魔王が見つけちゃってね。襲撃したって言ってたよ。」
「本来の魔王はお前と勇者との決闘を結んだらしいが?」
「そうだね。でも本当にそうなるのかな?」
「どういうことだ?」
「魔王は自分の姿を誤認させる魔法を使えるんだよ。だからボクの姿になって魔王が戦うつもりみたいだよ?」
「なるほどな。異世界の魔法ともなればそんなものもあるか。」
「勇者には警告しといたほうがいいと思うよ。ボクは直接連絡を取れないし、レドルから伝えておいてよ。」
「分かった。初めてお前が役に立ったな。」
「今後も情報はいくらでも渡すからなんかあったら呼んで。それじゃまた明日の夜。」
「魔法を試さなくていいのか?」
「いいよ。なんか話して満足しちゃったし。」
「そうか。」




