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【完結】異世界召喚が勇者召喚じゃなくて魔王召喚だったけど、魔王として頑張ってみようと思います  作者: 雲英侑李


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第22話 勇者軍

「[テレポーテーション]」


戦闘を終え、気絶した犯人を魔王城に連れ帰るってことで、試させてもらったけど、成功したね。


「まさか、魔法を新たに作るたぁな。」


「さすが、というべきか。ですが、これでは私の存在意義はほぼありませんね。」


「そんなことないよ。ボクの魔法はあくまでも魔力を使って高速で移動してるだけ。もちろん障害物に当たらないよう一回上空まで行ってから移動させてるけどね。空間を直接つなげて移動してるカイルのとは全くの別物だし、カイルの空間転移の下位互換だよ。」


「それでもです。やはり任意の魔法を作り出すとは異次元です。」


「そうかな?さすがにそこまで万能でもないけどね。原理は自分で考えないといけないし。魔力は使えるからエネルギーは発生させれるけど、それをどう使うかは自分次第なんだよ。多分ボクが何かしらのスキルを持ってるんだろうけど。」


「話してるとこわりぃがまだ依頼は残ってる。どんどん行くぞ。」


「ボクは目的地がわからないからカイルお願い。」


「かしこまりました。」





ってことで計10か所で起こってた問題を解決して魔王城に戻ってきたわけだけど、まだお昼だね。


「思ってた数倍早く終わっちまったな。さすが魔王様だ。」


「えぇ。ヒヨリ様にかかればこの程度造作もありませんね。」


なんかの宗教みたいに見えてくるから嫌なんだけど、信頼してもらえてるようで良かったかな?


「ヒヨリ様、お戻りになられたのですか?」


「うん。目的の依頼を全部片づけてきたとこだけど、どうしたの?」


「戴冠式の情報が漏れていたそうで、勇者の率いる軍勢が動きを見せました。これまで国境付近から動くことがなかった軍勢が魔王量に侵入、侵攻してきております。」


「なるほどね。・・・・カイル。」


「転移いたしますか?」


「お願い。カイルはボクを送ったらすぐに魔王城に戻ること。ちょっと準備するから待ってくれる?」


魔法を作るのはそう簡単じゃない。ただ、既存の魔法や技術からの転用ならそこまで難しい話じゃないよね。相手に幻覚を見せる魔法があるからそれを応用して・・・


「[フェイクカバー]」


「ヒヨリ様、なのですか?」


「その反応は成功みたいだね。この顔は元の世界のボクの親友だよ。幻覚を見せる[ファントム]って魔法あるでしょ?あれの応用でボクのことをこの姿で認識するようにしてみたんだ。レドルから流す情報に矛盾ができるとよくないでしょ?ボクが『魔王』と同等に強いなんて。」


「それもそうですね。ですが本当におひとりで?」


「もちろん。ここでみんなに危険な目に合わせるわけにもいかないし、レイは知らないと思うけど、ここになら一瞬で戻ってこられるから。」


「お気をつけて。」


「もちろんだよ。」


「それでは転移いたします。」


念のため口調とかも変えとこうかな?一人称だけでいっかな。万が一勇者本人と遭遇した時がまずいからね。


「それでは、ご武運を。」


カイルに送ってもらったのは近くの森の中の木の上。確かに遠目に軍勢が見えるね。さっそく仕掛けてみようかな。せっかくだし今思いついた魔法を試してみようかな?軍勢にはちょうどいいだろうしね。


「[タイフーン]」


軍勢の居る場所に5個の竜巻が出てきた!うまくいったみたい。まぁ、感覚的にこの後の制御が効かないんだけど・・・消すことはできるみたいだし、問題ないかな。ちょっと近づいてみようかな。





近づいてみたけど、ほんとにすごい数だね。さっきの魔法でかなり体制が崩れたみたいだね。この世界の人間なんだし、まさかあれが魔法だなんて思ってないんだろうな。


「そこの森の縁から見ている魔族。貴様が元凶か。」


気づかれた!あれが勇者かな?


「答えろ!この軍が勇者レイロス様の軍と知っての行動か!」


「ってことはあんたが勇者ってわけじゃないんだ。よく気付いたものだね。私はまだ姿も見せてないってのに。」


「あくまでも質問には答えないつもりか?」


「答えてあげてもいいけど、あんたは何者?」


「確かに名乗らぬのも無礼というものか。ブロライヤ王国王立騎士団団長モレアだ。」


「なるほどね。残念だけど、私は名乗らないよ。名乗ったところで意味もないだろうし。代わりといっては何だけどさっきの質問に答えてあげる。さっきの竜巻を起こしたのは私だよ。」


「風を操るスキルか。」


「残念、はずれ。」


シュッ


「死にたくなければ勇者の居場所を吐きなさい。」


身体強化で一気に背後に回り込んで首筋に触れる。


「き、貴様・・・」


「そんな口叩いちゃっていいの?」


「団長をお助けしろ!」


「随分と部下たちに好かれてるみたいね。でも・・・[ウィンドカッター]」


周辺にいる全員の鎧と武器だけを対象にして破壊してみる。一部ケガしてる人もいるみたいだけどうまくいったね。


「な、何が起こった・・・?」


「見てわからない?みんなの鎧と剣を壊してみただけだけど?」


「そうではない。なぜ魔法なんかでそんなことが出来る・・・?」


「あぁ、そういうことね。この魔法はこの世界の[ウィンドカッター]とは別物だからね。で、勇者の場所は?」


「俺の部下を殺さぬというのなら俺を殺す気もないのだろう?」


「へぇ、思ってたよりも鋭いね。じゃあ、本格的に脅させてもらうとするよ。今この手には[ウィンドカッター]が無数に纏われてるんだ。だからこうやって近づけると・・・」


パキパキパキ


鎧にヒビを入れてみる。


「あと10秒以内に吐かないんだったらこれをあんたの顔面に近づけてみようと思うんだけど、どうかな?」


「・・・軍の最後方だ。」


「そっか。それじゃちょっと挨拶だけしてこようかな。」


さて、勇者とやらはどんな『化け物』なんだろうね。

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