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【完結】異世界召喚が勇者召喚じゃなくて魔王召喚だったけど、魔王として頑張ってみようと思います  作者: 雲英侑李


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第20話 原理

「成功、だね。」


「はい・・・。まさか本当にできるとは・・・」


コンコン


「どうぞー」


こんな時間に魔法訓練場に?誰だろ?


「ヒヨリ様、明日のご予定に関して・・・と、カイルもいたのですか。でしたらすでにお聞きになられていますか?」


「うん。ゲルとカイルと一緒に依頼でしょ?」


「その通りです。でしたら私はお邪魔でしょうし、これで・・・」


「ちょっと待って。ちょっと試してみたいことがあるんだけど、今からダメかな?」


「かしこまりました。」


「レイも大丈夫だったら呼びたいんだけど・・・」


「すぐに呼んでまいります。」


本当にすぐにレイを呼んできてくれた。


「どうしたのヒヨリちゃん。わざわざこんな夜中に。」


「いや、さっきカイルに試してもらったんだけどね。ちょっと見せてあげて。」


「はい。[ウォーターボール]!」


「「え?」」


打ち出す前からそんな声が聞こえてきたけど、とりあえずうまく発動したね。さっきよりも発動までの時間がちょっとだけど短くなったかな?


「ちょっと待って。なんでカイルが?」


「そうですよ。無詠唱で魔法を使用できるなんて・・・」


「ボクが教えてみたんだよ。ボクが自分で見つけ出したものだけど、スキルの効果とかそういうものじゃないと思ってね。それで、2人にも試してほしいんだ。」


「なるほど。ですが、本当に無詠唱なんてことが出来るのですか?いや、カイルのを信じていないわけではないのですが、信じられないというか・・・」


「そうね。私も正直信じられないわ。」


「先に2人ってスキル持ってる?」


「はい。私は種族に根付いたものとして悪魔操者(デーモンそうじゃ)のスキルを持っています。自身より格下の悪魔を自在に操ることのできるスキルです。」


「私は不死者(アンデッド)のスキルを持っているわ。元の種族は堕天使(フォールンエンジェル)よ。スキルの効果は死ななくなるってことくらいかしら?」


「それならボクの予想だと2人は無詠唱魔法が使えないと思うな。まぁ、教えてみるからやってみてよ。まずは[ウォーターボール]のイメージを強く持って魔法の名前だけを言いながら打とうとしてみて。」





「「[ウォーターボール]」」


何も起きないね。やっぱり見立ての通りだね。


「何も起きない?私の時は水球が生まれたのですが・・・」


「ここがスキルの差、だね。」


「スキルの差、ですか?私もフランもカイルのスキルと大差ないほどのスキルだと思うのですが・・・」


「スキルの性能の差はそうだろうね。でも大事なのはその本質。」


なんかボクらしくないよね。こんな賢い感じの話って。でもなんでだろ?スラスラと言葉にして出てくるんだよね。理解もできてる。スキルの力なのかな?どんなスキルかもわからないけど。


「本質?それでいうならフランちゃんはできるんじゃないのかしら?」


「カイルとフランが何かを操るっていう点でいえば確かにレイだけが浮いてるんだけど、そうじゃないんだよね。フランのスキルで操る悪魔って自由意志を持ってるわけでしょ?だから簡単な指示でも動いてくれるし、多少あいまいでも大丈夫。でもカイルは違う。」


「意志を持たないものを操っている、というわけですか。」


「厳密にはちょっと違うけどね。まぁ、ほぼあってるしその解釈でいいよ。意志を持たないものを操るためにはそのもの自体を解析しなきゃいけない。現状がわからないと操りようがないんだから。で、意志を持たない「何か」を操るスキルには多分だけど、操る対象を解析する能力とそれを操る能力の2つの能力が含まれてるんだよ。多分当人は解析してるつもりはないけど、操るときに無意識に解析をしてるんだよ。」


「考えたこともなかったわね。でも、言ってることは理にかなってるわね。」


「えぇ。私もまったく考えたことがありませんでした。ですが、それが無詠唱とどのような関係が?」


「意志を持たないものを操るスキルって結局は対象を解析して自分のイメージを顕現させるスキルなんだよ。無詠唱もやってることはほとんど同じ。魔法の術式を解析して[ウォーターボール]なら水球を作るって感じでね。あとはその解析した術式から魔力を注ぎ込むための器を作ってあげるだけ。ってかんじ。だから多分解析能力を備えたスキルを持ってる人じゃないと使えないかな。」


「なるほど。それで私は使えたというわけですか。」


「多分、器を作るのにも才能がいるだろうから実際はもっと少ないと思うけどね。」


「そうなのね。私にも使えるかも、って思っちゃったわ。」


「私もです。最近は魔法の威力上昇に関しても限度を感じてきていますので。」


「ごめんね。何か誰でもできるような技術を見つけれればいいんだけどね。ボクのスキルはそうさせてくれないみたい。」


「そのようですね。」

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