第18話 知覚強化
ドォォォォン
「痛っ」
「大丈夫ですか?」
「ごめん、急に出力上げすぎて制御できなかったや。大丈夫。続けよ。」
一瞬で壁にぶつかっちゃった。壁までは10mはあったけど、反応どころか前に動こうとしたときにはもう壁にぶつかっちゃってたや。出力を下げる?いや、ちょっとずつ慣らして今の出力まで行けるようにしよ。
まずは前回あのでっかい剣を引き抜いた時と同じくらいの出力の強化を全身に回して・・・
カァァァァン
「ぐっ・・」
カイルの双剣がボクの剣を受け止めた。こんな訓練を持ちかけてくるだけあってさすがの腕前だね。
「すさまじい速さと威力ですね。」
「まだまだ出力を上げるよ。」
さっきほどとは言わないけど今のと比べるとかなり出力を上げて・・・
ドンッ ドタッ
「グハッ」
「痛たたたた。カイル大丈夫?」
カイルにぶつかっちゃって巻き込んでころんじゃった。やっぱり反応できてないね。反応できる限界を超えると無理かも。
「問題ありません。私も反応できませんでしたし、目にもとまらぬほどの速さでしたので。」
「ボクの反応速度の限界を超えちゃったら制御効かないみたい。」
「それは当然でしょう。今のヒヨリ様の速度ですと反応できる存在などこの世界にはいないでしょうし。」
「勇者とやらの実力がわからないからね。できることだけでもやるのは大事だよ。」
「それもそうですね。現状我々の情報部隊でも勇者の実力はつかめておりませんし。」
「そうなの?」
「はい。勇者自身が前に出てくることがほとんどなく・・・」
「なるほどね。それよりもちょっと思いついたことがあるんだけど、もう1本お願いしてもいい?」
「もちろんです。いくらでもお付き合いいたします。」
まずは今日最初にやった最大出力での身体強化を身体にかけて、それと同じレベルで眼の周囲の筋肉、そして脳を強化して近く速度を上げて、あとは速度の圧力に身体が負けないように身体能力だけじゃなくて身体を保護するように魔力で覆って・・・
「行くよ!」
カァァァァン カァァァァン ドサッ
「な、何が・・・?」
ボクが動き出した直後にはカイルの持ってた双剣が地面に落ちてた。
「うまくいったね。」
「何が起きたのですか?」
「今の一瞬で剣を2回振るってカイルの剣を両方とも弾き飛ばしたんだよ。」
「まさか、そんなことが・・・」
「最初壁にぶつかっちゃったときと同じ出力だよ。」
「いったいどうやってそれだけの出力の制御を・・・?」
「まず見えてない件に関しては眼の周りの筋肉に重点的に魔力を流して無理やり強化することで解決してて、目で見えたところで反応できなかったら意味がないから脳も魔力で強化してみたんだよ。」
「なるほど。身体能力以外の強化をしたわけですか。さすがといわざるを得ませんね。もう一度打ち込んでいたでいてもよろしいですか?」
「いいけど、剣を狙えばいい?」
「はい。」
カァァァン スカッ
片方は弾き飛ばせたけど、片方はスカっちゃった。ミスったかな?
「やはり。」
「どうしたの?」
「今私は眼の筋肉に意識を向けて身体強化を施しました。脳の強化に関しては感覚がわかりませんのでできませんが、ヒヨリ様の動き自体は見切ることが出来ました。」
「それなら魔王軍の中でもっと周知してみてもいいかもね。あ、でもレドルから外に漏れちゃうかな?」
「そうですね。四天王のみにしておきましょう。情報管理は重要ですし。」
「そうだね。便利だしできるだけでも強くなれそうだけど、仕方ないね。」




