表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終世の復讐者  作者: 桐花・覇
26/47

49話 騒乱再び

誰かクソ内容でも良いからレビュー書いてくれないかなぁ〜(チラッ

 

 突然の魔族の襲来。相手が会話を望んでいるので簡単に動くこともできず、皆固唾を飲んでその動向を見守っている。


「………お前の目的は何だ?」

「なに、簡単な事だ。魔族の勢力の復興。それだけだよ。」

「その体はお前のものではないだろう?何故お前が操っている?」

「四年前、私は自爆した。その時に魂をこの女の中に忍び込ませたのだ。意識を無くし、体も重症。入り込むのは容易かったよ。まぁ、元々は勇者に憑依する予定だったのだがな。この体に憑依したのは偶然だったが、結果オーライだ。」

「という事は、お前はその時からずっと、アリシアとともに居た訳だ。」

「そういう事だな。お前がこの女に左腕をやられるところも見ていたし、感覚が共有されているお陰で勇者とこの女がベッドを共にした時も、出産した時も、その感覚が私にも来たんだよ。あれは本当に、このまま消滅した方が楽だと思ったね。」


「アリシア」の顔が当時の苦痛を思い出したのか、忌々しそうに歪む。相当嫌だったようだ。


「なぁ、ここは見逃してくれないか?私は魔族の権利回復さえ出来ればここで無駄に戦う必要は無いと思うんだ。それに、あんたに私が勝てるとも思えない。」

「そうか。別にそれは良いと思うが、その体は置いていけよ。お前がその体の中にいては私の目的は終わらんのでな。」

「こいつはお前を裏切ったんだろ?なのにまだそんな大事にしているのか?」

「置いていけないというのなら、」


 デュークが『奈落ノ太刀』を抜く。


「今ここで、お前を締め出してやろう。」

「………交渉、決裂か。仕方ない。」


「なら、お前にはここで死んでもらう。」

「………!」


 バールバッツが魔力を展開し、闘技場一面にゾンビやスケルトンが召喚される。会場全体に現れたアンデットによって闘技場は阿鼻叫喚の大騒ぎとなる。

 騎士団の面々と冒険者達が混乱する市民を鎮め、避難誘導を始める。

 そして、勇者の死体も起き上がり、パーツのほとんどを失った顔をデュークに向けた。


「正直、私1人ではあんたに勝てる自信がない。だから、こいつを使おう。まだ魂が体に残っているうちで本当に良かった。」

「ほう、二対一か。上等だ、かかってくるが良い。」



「お前達、両陛下を頼んだぞ。私は数人と共にこの騒ぎを沈めてくる。絶対に、危害を加えさせるな。」

「はっ!お任せください!」

「よし、良い返事だ。では、我らも行くぞ!騎士の務めを果たすのだ!」


 国王と王妃の護衛を配下に任せ、セネカルトは数人の部下と共にアンデットの鎮圧に当たる。

 流石に騎士団は強く、蠢き民を襲うアンデット達を瞬時に減らしていく。


「おう、騎士様か!ちょうど良かった、手伝ってくれよ!」

「数が多いな。よし、分担しよう。私達はこちらの特に数の多いところにあたる。君達は逃げ遅れた者の救助を優先して行ってくれ!」

「かしこまりぃ!聞いたかテメェら!?オレ達は救助活動だぁ!」

「「「「「おう!」」」」

「セネカルト様、アリシア様があそこに現れたという事は、何かがあったという事です。ここは我々だけでも対処可能でしょうし、貴女様はあちらに向かわれては?」

「本当に、お前達だけで大丈夫か?」

「勿論、騎士に敗北はあり得ません!」

「分かった。では私は闘技場の方に行く。死ぬなよ!」

「はい!お気を付けて!」


 セネカルトは闘技場に向かい、騎士達は掃討にあたり、冒険者達は逃げ遅れた国民の救助にあたる。それぞれが自らの役割を全力を以って全うしていた。



「その剣術、究極剣術(ウルティマアーツ)どころではない練度だ。実際、お前はどれほどの高みにいるんだ?」

「………終世は現世とは時間の流れが違うようでな。帰って来た時、()()()()()()()()()()()()()()()ことに驚いたものだ。」

「質問に答えられていないぞ。」

「現世では三年程度だが、私は何万という時を終世で過ごした。それだけあれば、私がいくら凡人といえど強くなれるというものだ。」

「は、はは………万単位かよ、えげつないな。勝てる気がしないわけだ。」

(やべぇな、今の話聞かなきゃ良かった………二人掛かりでも完全に負ける気しかしねぇ………)

「そうだ、そこまで来たらそれはもう新しい剣術って言えるだろ?なんで名付けたんだ?」

「まだ、名付けてはいない。なんなら、お前がつけてみるか?」

「冗談きついぜ!」


 剣を合わせながらそんな会話をする。どちらもまだ本気を見せていない。歩み寄りできる可能性を捨てていないようだ。

2人の戦いの間にアーノルドの死体が魔法で茶々を入れてくる。戦力として復活させたは良いが、死体に残留している魂が抵抗しているのかこちらも狙ってくる。面倒臭いことこの上ない。


(もういっそ、こいつにかけてる死霊魔法は解いてやろうか………けど、そうしたら神世に魂が昇って神に

なるんだよな………勇者ってのは歴史上例外なくそうだった。だから、神が俺達に嫌がらせをするんだよな………)

「おい勇者、どこ狙ってやがる!?私にまで攻撃が来てるだろうが!」

「………」


口をなくした勇者は何も語らない。そもそもアンデットなので語れない。

なんとか勇者をコントロールしようとしていた、その時。黄金の塊が暴風を纏って乱入し、「アリシア」の体に巨槍を突き立てる。寸前で避ける。


「二対一というのは不公平ではないか?デューク殿、私が加勢しよう。不服というなら出て行くが?」

「いいえ。ありがとうございます。」

「チッ、お前が加勢かよ。おい勇者、この盾女を始末しな!」

「………」


勇者が右腕に焔の魔力を纏わせ、セネカルトに殴り掛かろうとする。それを掴んで止める。


「まさかお前が屍霊術師(ネクロマンサー)だったとはな、バールバッツよ。あの時は手加減でもしていたのか?」

「な訳ねぇだろ、あの王宮は平和過ぎて使える魂も死体も無かったんだよ。」

「そうかそうか。では、こいつの相手は私がやろう。ここでは邪魔になる、場所を変えよう。」


「デューク殿、あなたにバールバッツの相手は任せる。絶対に、アリシアを取り戻してくれよ!」

「勿論。」

「………やべぇな、これで一対一。やるしかねぇか。勇者が戻ることを信じて。」


セネカルトが勇者を連れて何処かへ飛び立つ。ここに、二つの戦いが幕を開ける。



アイテム紹介

「勇者の剣」

『聖剣ラグナ・ロック』

神からアーノルドに与えられた聖なる剣。能力で劣る人間が魔族に勝てるようにと与えられた。但し、与えた相手が悪かった。

『神剣アニマ・メモリア』

デュークとの決闘中に最高神を脅して手に入れた剣。神世でも特に高いスペックを誇るのだが、それでもデュークとの力の差は埋められなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ