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娘のためなら、熊殺しを半殺しにいたします  作者: 鶴見 日向子


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脱獄成功?

文字数が少ないので、同時公開です

分けて出したかったのです

それを見届けた執事は、黙って立ち上がった。


そしてポケットから鍵を取り出し、自分の牢の扉を開ける。


セリーは、その様子に目を見開いた。


執事は何も言わず、ゆっくりとダハントの後を追っていった。



ダハントは階段を駆け下り、教えられた通り、突き当たりの扉を開けて外へ出た。


「やった!


出られたぞ!」


その直後――


背後の扉が閉まり、


「ガチャン」


と、内側から鍵がかかった。


だが、ダハントは逃げ出せた喜びに夢中で、それに気づかなかった。


とにかく建物から離れようと、必死に走る。


しばらくすると、目の前に急な流れの川が現れた。


「川?」


ダハントは立ち止まった。


川沿いに歩いていく。


だが――


しばらくすると、なぜか元の場所へ戻ってきてしまった。


「ここは……。


川の中州なのか?」


途中、上を見上げると、向こう岸の建物と牢獄をつなぐ石橋が見えた。


「なんなんだ、ここは!!」


ダハントは、先ほど出てきた建物へ戻ろうとした。


だが――


扉には鍵がかかっている。


「おい!


入れてくれ!!」


重い木の扉は、びくともしない。


何度も体当たりを繰り返したが、扉には傷一つつかなかった。


「ちくしょう!!


なんなんだ、ここは!」


ダハントの叫び声が、中州に響いた。


その時――


橋の上から声がかかった。


「君。


そこで何をしているのだ?」


見張りの兵士だった。


「た、助けてくれ!


迷い込んでしまったのだ!」


ダハントが叫ぶ。


「ああ、それは無理だ」


兵士は、あっさり答えた。


「数日、頑張ってくれ。


私は『橋』の見張りだからな。


建物の中には入れない」


そう言って、兵士は何事もなかったように持ち場へ戻っていった。


実は――


ダハントが開けた木の扉は、執事一人では重すぎて閉めることができなかった。


そのため、騎士団長とレオンが待機していたのである。


二人が扉を閉め、内鍵をかけた。


さらに念のため、重いかんぬきまで下ろしていた。



「こうなったら、向こう岸まで渡ってやる!」


ダハントは川へ入っていった。


だが――


数歩進んだところで、川底が急に深くなる。


「うわっ!」


ダハントは慌てて引き返した。


なんとか元の場所へ戻る。


全身びしょ濡れだった。


「泳ぎを習っておけばよかった……」


今さら後悔しても遅い。


次にダハントは、建物の壁を伝って石橋まで登れないかと考えた。


だが、壁には苔がびっしりと生えている。


手をかけても滑る。


足場になるような出っ張りも、ほとんどない。


それでも必死に登ろうともがいていると――


上から、何かが降ってきた。


「うわっ!」


ダハントの顔が引きつる。


橋の上から、見張りの兵士が声をかけた。


「その壁な。


皆、そこで用を足すから、気をつけた方がいいぞー」


「先に言え!!」


ダハントの怒鳴り声が響いた。


その時――


今度は、建物の中から香ばしい匂いが漂ってきた。


肉を焼いている匂いだった。


さらに、看守たちの陽気な笑い声まで聞こえてくる。


「どこだ!


窓はないのか!」


ダハントは必死に建物の周囲を探した。


ようやく見つけたのは――


ネズミ一匹が通れるかどうかというほど、小さな通気口だった。


そこから、声も匂いも伝わってくる。


一方、自分から漂ってくるのは――


川の泥水の臭い。


そして、先ほど上から降ってきたものの臭い。


「ちくしょう!


なんで俺様が、こんな目に遭わなければならないんだ!!」


誰も答えてくれない。


ダハントは、とうとうその場に寝転がった。


もう、ふて寝するしかなかった。


……自由どころか、牢屋より不便な場所に自分から移動しただけですw

がチャッピーの感想でした

お読みいただきありがとうございます

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