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ガダルカナル〜密林に消えていく星〜  作者: kazu
第三章「落日篇」
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第35話「対米軍反抗戦」

9月20日 ガダルカナル島 ムカデ高地より南7km


中尾大尉「急いで配置につけー!!絶対にこの丘を米軍に突破させるなー!!」

中尾大尉はそう配置につくよう命令する。


現在米軍は約一個中隊を出して日本軍の残党をあぶり出し、殲滅しようとしていた。


それに対抗するために日本兵たちは陣地から出て丘を登り、頂上を伝って分散し配置につく。


右翼、左翼、中央隊に分かれて防衛につくことになり中尾大尉と小嶋たちは左翼隊についた。

その他にも第二中隊の岩吉大尉たちは中央隊と右翼隊に分かれて分散した。


第二、三中隊の迫撃砲部隊は陣地より砲撃し、砲弾に丘を越えさせて攻撃することになった。


小嶋たちは、配置につき終わった。




同月同日 昼前 陣地付近の丘


小嶋「よしっ…とりあえず配置にはつけたが…草むらだから米軍からしたら邪魔でしかないからな…戦闘機でも出されたら…」

小嶋はそう米軍の容赦のなさを知っていたため、戦闘機や戦車を引っ張り出してくるのではとずっと心配していた。


中尾大尉「大丈夫だろう、おそらく今回はただの偵察隊だ。そこまでの苦労と物資は使うまい。」


小嶋「(この人は本当に米軍の恐ろしさを知らないのか…?)」

小嶋は中尾大尉のことを少し疑った。

本当に心配しているならばこのような対歩兵にしか向かないような作戦は立てないからだ。


迫撃砲の弾が当たったとしても貫徹するかは運だし、そもそも命中精度を試される対戦車戦では絶対に命取りになる行動だ。


しかし、ここで反論しようが既に部隊は展開済みであり何も変わらない。


命令されたならば、実行するのみ。


小嶋「了解…第5分隊は草むらに紛れながらうまく潜伏せよ。命令があり次第攻撃するぞ。」


第5分隊「了解…!」

そうして、第5分隊は丘を少し超えて米軍が出てくるとされる側の斜面の草むらへと潜伏した。


いくら人間とはいえただでさえ自然で覆い尽くされている南方の島々では日本軍のように草むらに化ける戦法を使われては発見することはほぼ不可能だった。


だからこそ、この戦法を使う。




そうしてしばらく経つと、少しずつ奥側の丘のほうから人影が頂上を超えてこちらの陣地側の丘に近づいてくるのが見えてくる。


小嶋「米軍だ…!通信兵…!」

そうして、小嶋は自分の分隊の通信兵に陣地へ報告させる。


通信兵「こちら左翼隊第3中隊第5分隊。わが防衛線を張っている丘より距離ー」

通信兵はそうして距離を伝えると砲撃するように命令を出す。


通信兵「砲撃を開始せよ。」

そうして砲撃を開始するように伝えると、陣地の方から一気に迫撃砲の甲高い音が聞こえ始め、米軍の歩兵隊の付近に何発も命中する。


米軍からしてみれば1個丘を越えた瞬間にもう一個の丘からいきなりもう砲撃を食らうことになっているためかなり焦っているはずだ。


中尾大尉「よし…うまくやっているな…」

そう中尾大尉や岩吉大尉の読み通りに作戦は続けられていた。

しかし、日本兵たちからしたら意外なことが起きる。


なんとその米兵たちはいきなり部隊で突撃を開始し、小嶋たちの陣地を強襲しようとしていた。


通信兵「了解…分隊長!発砲を許可するとのことです!」


小嶋「ようやくか…!」

ようやく、発砲許可が出たのである。


こうなれば、反撃のための手順は全て踏んだ。



"全ての犠牲"は、この時のために…


ズバン!という銃声があちこちから鳴り始め、丘を超えようとする米兵たちに襲いかかっていた。


隼斗「死にやがれ米兵!!」


好古「畜生!!」

小嶋たちも射撃を始め、何発も米兵へと撃ち込んでいく。


米兵たち「oh!!!!!」 「fuck!!!」

米兵たちは突撃をしている間にバタバタと何人も倒れていっていた。

その過ちに気づいたのか米兵たちも突撃をやめて草むらに隠れながら反撃してきた。


しかし、草むらに隠れていても日本兵たちは迫撃砲を使用しているため砲撃からは逃れられずにあちこちの草むらを米兵ごと吹き飛ばしていた。 


小嶋「よし!よし!!」

日本兵たちの士気は頂点に達していた。

今までのガダルカナル島での戦いでコレほど有利になったことは一度もないからだ。


右翼隊や中央隊も善戦しておりもはや米軍の一個中隊は小隊にも満たない規模だった。


その不利を悟ってか、米軍はついに撤退した。




中尾大尉「や…やったぞぉ!!!」

その瞬間歓喜の声が響き渡り、日本兵たちは大いに喜んでいた。


隼斗「や、やりましたよ!分隊長!」


好古「いやはやまったく…すごいな中隊長は…」

みんなはそう2人の中隊長を評価し、称賛していた。



小嶋「っ…!」

小嶋はうれしさのあまりに泣いていた。

初めて死んでいった者たちの仇を取れたからだ。


中尾大尉「小嶋、良くやったな!」

その言葉に、小嶋は元気な声で答える。



小嶋「は、はい!!」







でも…あれ…?



なんで…人殺しして喜んでんだ…?



まぁいいか…



「全部、戦争のせいなのだから。」



第35話「対米軍反抗戦」








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