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ガダルカナル〜密林に消えていく星〜  作者: kazu
第三章「落日篇」
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第31話「上等兵曹への昇任」

今回はまじでようやく作れた時間で描いたものです。

これからも恐らく不定期更新になりますがなるべく高頻度でお届けしますのでどうかよろしくお願いします!

9月18日 ガダルカナル島 残存部隊

僕らは一木支隊の生き残りと海軍警備隊、そして川口支隊を主力に残存抗戦部隊として森林のなかに潜伏していた。

最近は両軍の航空隊の戦闘が激しく、あたりあたりに敵機や自軍の戦闘機の破片が散らばっている。

落ちてきた敵機の爆発にやられたやつもいた。


小嶋「はぁ…暑い…」

小嶋たちは今、行軍を休憩しており中尾大尉とともに倒木に座り込んでいた。


中尾大尉「ハハッ、ここはいつもこうなのか?まぁ本土の夏とはまた違う暑さがあるよなぁ…」

そう中尾大尉は小嶋にニコッとした感情を見せながら話す。


小嶋「てか、私はどうなるんですか結局。部下も…全員…」

小嶋はそう暗い顔で中尾大尉に聞く。

そして中尾大尉は真面目な顔で…


中尾大尉「君にはしばらく私が率いている第三中隊に来てもらう。」


小嶋「は、はい…」

小嶋は少しそう不安そうな感じで言う。


中尾大尉「どうした?陸軍の隊員たちのことならみんないいやつだし警備隊の生き残りもいる。きっとやっていけるさ。」

中尾大尉はそう小嶋を元気づけようとした。

しかし、小嶋の不安点はそこじゃない。


小嶋「い、いえ…そういうわけでは…陸軍兵のことを心配なんてもうしてません。一時期ですけど偵察隊にいたことがあるので…」


中尾大尉「そうだったのか…」

中尾大尉は大体のことは察して隊員たちのことは一切聞こうとはしなかった。


小嶋「私の不安点はまた仲間を失ってしまうのではないかというものです…私のいる部隊はほとんどすべてつぶれてしまっていますから…」

小嶋はそう暗い顔で言う。

まるで自分が"死神"と認めてしまっているかのように。

しかし中尾大尉は言う。


中尾大尉「何を言っている!これは戦争だ。死神もクソもないところなんだぞ?そんなところでそんな心配しなくてもいい!わかったな!?」

そう中尾大尉は強くはっきり言った後立ち上がる。


中尾大尉「皆聞け!これからまた行軍を再開するぞ!荷物を持って進め!」

そう命令を下した瞬間に皆はぞろぞろと準備をしてまた行進する。

そうして小嶋も準備したが、中尾大尉に呼び止められる。


中尾大尉「すまんが、一つ話がある。ついてこい。」

そうして、少し奥の方で2人で話をする。


小嶋「用って、なんですか?」


中尾大尉「まぁ、これを見てくれ。」

そう言われて小嶋は突然中尾大尉のポケットから出てきた軍曹、海軍で言う上等兵曹を表す階級章を目にする。


小嶋「これが…?」

小嶋にはまだなにも理解できていなかった。



中尾大尉「君には、山田上等兵曹という上官がいたろ。最近ムカデ高地にて彼の死体が確認された。茂みに近かったので小指も取れたそうだ。」


小嶋「そ…そうですか…」

もう泣く涙も枯れていた小嶋は、そのような反応しかできなかった。

戦場ではどんな人でも精神はやられていく。

だからこそ、死というものの儚ささえ忘れかけてしまっていた。


中尾大尉「そして、君には今までの作戦であげた武功などの功績がある。だからこそ君はこれからこの山田上等兵曹の階級章を受け継いで兵曹への昇任をしてもらいたい。」

中尾大尉からのお願いに小嶋はもちろん了承する。


小嶋「はっ、小嶋はこれより上等兵曹の任に就きます!」

そうして、小嶋は一等水兵の階級章を外して背嚢に入れる。

そして中尾大尉に縫い付けてもらい、ついに小嶋は一等水兵から上等兵曹への昇任を済ませた。

これより小嶋も分隊を率いることになる。


中尾大尉「早速だが君にはまず第5分隊を率いてもらいたい。総勢20名の分隊でほとんどが歴戦の兵士たちだ。役に立ってくれるだろう。」

中尾大尉はそう説明を済ました。


中尾大尉「それじゃあ行くぞ。待たせてる。」

そうして、行軍は再開された。


しばらく歩き、少し広い開いた土地に出るとまたもや空が騒がしくなる。


F4Fの航空隊がラバウルから飛んできた爆撃隊に襲いかかろうとしていた。

ズダダダダダという音が響き出し、日本軍側の爆撃隊はすぐに回避行動に移り始める。


小嶋「くそっ…ここで見ることしかできねぇのかよ…せめて対空砲さえ…あれ…ば…いや、なくて良いのか…」

対空砲に苦い思い出があった小嶋は、そう口にする。

そんななかでも空は激戦を繰り広げている。


そうして皆が隠れながら空を見ていると、小嶋の目に一機の零戦が見えた。

その零戦はF4Fに追いかけられている隊長機を守るためにF4Fと隊長機の間に飛び込んだ。



零戦の装甲は脆い。



だからこそその庇った零戦はすぐに羽から出火し、真っ逆さまに森林へと落ちていった。


小嶋「…」

やがてその光景を見た小嶋は、その勇気ある行動をした零戦パイロットの墜落した方角に向けてただ一人。



そう、ただ一人…



敬礼していた。


第31話「兵曹への昇任」


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