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ガダルカナル〜密林に消えていく星〜  作者: kazu
第二章 「激闘篇」
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第26話「小嶋と義雄」(決戦編 前編)

小町を介錯、いやもはや殺害してから数時間がたち、朝日も見え始めていた。


赤く燃え盛る太陽…


風に揺れる木の葉…


風に乗る死体の臭い…


もはや死体の臭いまでが自然と感じてしまう戦場。


餓死、戦死、病死。

あらゆるものを見てきた。


小嶋のあの日からの燃え盛る闘志はもはや絶望に溺れる人間であった。



9月13日 ガダルカナル島 中央隊休憩場所


小嶋「義雄、俺のしたことは正しいと思うか。」

そう小嶋は倒れた木に座りながら義雄二等兵に話しかける。


義雄二等兵「僕は、正しいとも正しくないとも思えません。」

義雄二等兵は少し俯きながら言う。


小嶋「それは、なぜだか言えるのか?」

小嶋は義雄に理由を問いかける。


義雄二等兵「そりゃあ、死を救済と考える人もいますし…生きることが正しくて、やるべきことなんだと考える人もいるからです。少なくとも僕は、死にたくありません…」

義雄二等兵は"死にたくない"と口にする。

おそらくほとんどの上官はその言葉を聞いた瞬間に激昂して暴力で矯正しようとするだろう。

しかし小嶋が選んだ答えは…


小嶋「ハハッ、じゃあ俺と同じだな。」

小嶋は少しニヤッと笑いながらそう言う。

しかし義雄には疑問があった。


義雄二等兵「一つ聞きたいんですけど、なぜ今そのようなことを僕に言うのでありますか?」

義雄二等兵はそう問いかける。

確かにこのようなことは上官に聞けばすぐに肯定される話であったはずだ。

それをわざわざまだ人としての理性を守っている部下に聞くなど意味がわからない。


小嶋「いや、ただ毎回俺の元で死にに行く部下という者たちの立場で考えて欲しかったんだ。わざわざ肯定されたかったわけじゃないからな。」



あれ、?本当にそうなのか…?


てか俺、何言ってんだ…?


死にに行く部下という立場って、ふざけたこと抜かしてるのになんでこいつは…


こいつはこんなに冷静で俺を"優しい目"で見てくるんだ…


義雄二等兵「そうですか!なら疑問が晴れたのでいいです。」

そう真っ直ぐに、熱のこもった闘志を溜めた目でこちらを見つめたあと、彼はどこかへ立ち去っていった。


小嶋「…」

小嶋は、何も言えなかった。


あんなに短い会話のなかで、俺は一枚何を考えさせられたのだろうかとずっと考えていた。


でも、答えを導き出すことはできなかった。


同日 ガダルカナル島 中央隊

小塚隊長が上層部同士の作戦会議から戻ってきた。


小塚小隊長「いいか、俺たちは川口少将率いる中央隊としてムカデ高地を攻略する。左翼隊と右翼隊も同時攻撃するらしい。死ぬ気で飛行場へ突っ込むぞ、いいな?」

小塚小隊長の言葉に皆反応する。


小隊「はい!」


そうして、行軍が始まってしばらくしたあと…



小嶋「クソっ…またあの場所か…」

小嶋や小塚小隊長にとっては因縁の場所であった前回の草木が生い茂ってるところからまた一気に飛び出すらしい。

しかし今度は少しだが何丁か機関銃もある。

そして一人に一つか二つ手榴弾も配られている。

塹壕を見つけたらそこに投げ込めとのことだ。


今回は、"準備万端"だぞ…


小嶋「小塚小隊長、川口少将の部隊が突撃し始めてから同時突撃ですよね…?」

小嶋は不安そうに聞く。


小塚小隊長「大丈夫だ。成功すれば俺たちは生きて帰れる。わかったな。絶対に生きて帰るぞ、いいな?」

小塚小隊長の励ましに皆…


小隊「はい…!」

そう小声で反応する。


小塚小隊長「待て…あともう少しで来るはずだ…」

小塚小隊長がそう言った瞬間ついに…始まる。


大隊長「いくぞぉぉぉ!!突撃ぃぃぃ!!!」

大隊長のその命令がくだった瞬間一気に米軍陣地に向けて機関銃が発射される。


「fuckin jap!!!!!!」「ohh.....!」

米軍陣地からは怒号が飛び交いこちらに応戦しようとしてくる。

しかしその機関銃の近くに潜伏していた日本兵たちが手榴弾を同時に投げ、一個ブローニング機関銃を破壊する。


斥候兵「くそっ…よし!俺たちも突っ込むぞ!」

そうして斥候隊も突入を開始し、なんとか白兵戦にもちこもうと全速力で駆けていた。


小塚小隊長「よし…突撃が始まったようだな…俺について来い、あそこの機関銃は向こうに気を取られてる。吹き飛ばすぞ。」

そうして小塚小隊長も全身を開始し、前に小嶋の部下を襲った機関銃に借りを返そうと小嶋も殺気をまといながら手榴弾を持つ。


「〜〜〜! 〜〜…!!」「〜!〜〜〜!」


畜生…何喋ってやがんだ…


小嶋には英語が理解できずずっと何を言ってるんだと心の隅で困惑していた。

しかしそんな困惑できるほど良い状況ではない。


そんなことを考えつつもようやく機関銃の手前まで来ることができた。

体を少し出せば十分投擲できる距離だった。


小塚小隊長「おい、小嶋。投げろ。」

小塚小隊長がそう命令を下すと小嶋は機会をうかがう。


そうしてなかなか手榴弾の紐が抜けずにイライラしていると、ついに米兵たちが突撃部隊の方を見た。

その機会を無駄にせず手榴弾を石に叩きつけ点火、全力の投擲で機関銃の土嚢へと投げ込んだ。


ドガァーン!と手榴弾が爆発し、どうやらその寸前に米兵たちは退避していたようだが肝心のブローニングは銃身が折れ、撃破することができた。


小嶋「やりました。隊長…」

小嶋がそう戦果報告をすると小塚小隊長は命令を下す。


小塚小隊長「やるなら今しかない…」

小塚小隊長は、小隊員皆の顔を見る。

この間にも多数の他部隊の隊員たちが死に絶えている。

それなら…と考えた小隊員たちは覚悟の目を小塚小隊長に向ける。


小嶋「やれますよ…小塚小隊長。」


小塚小隊長「お前ら…よし、わかった。」

小塚小隊長は、"突撃を"命ずる。




小塚小隊長「突撃いいいいいいいいい!!!!!!前へぇぇぇ!!!!」


小隊員たち「「「「「うおぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」



やってやる…今度こそ、中村や部下たちの仇を…!



第二十六話「小嶋と義雄」(決戦編 前編)





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