第23話「現状」
久しぶりです皆様!
お盆の時期で忙しく最近連載できておりませんでした…申し訳ありません…
次もいつ出せるかわかりませんがこの作品を捨てたわけでは断じてないのでご安心ください!
9月6日 ガダルカナル島
川口支隊が来てから生活は一時期安定していた。
しかしそれは文字通りすぐに終わり、人数が増えたことで食料は底をつきかけ挙句の果てに密林の中の蚊による熱帯性マラリアに襲われ続けていた。
小嶋「はぁ…今日もマラリアが1人出たか…」
翔太陸軍二等兵「そうですね…やはり密林なので睡眠中に襲われることが増えてますよ…」
この新しく元別働隊に編入された兵士の名は翔太陸軍二等兵である。この者は徴兵により強制的に軍隊に入隊しておりよりにもよってこの激戦地に送られていた。
そしてもう一つ。マラリアとは、蚊が運んでくる一種の感染病でそれは人から人に伝染することはないが進行すると重い症状を発症し死亡のリスクもある非常に危険なものであった。そのなかでも熱帯性マラリアは非常に進行が早く現代のような予防策が無く、治療薬が貴重だった当時ではほとんどが死亡した。ガダルカナル島やその他の太平洋の島々では飢餓や戦争以外にも病気に襲われていた。
隊長「お前たちもマラリアには掛からないように気をつけろよ。進軍中でも睡眠中でもどこでも蚊は襲い掛かってくるんだからな。」
まさにその忠告の通りであり蚊は四方八方から寄ってたかって来る。
小嶋「わかってます。てか、僕食料取ってきますね。」
そうして、小嶋はトカゲなどを取りに密林へと入っていく。
セミの鳴き声が響く…
ブゥ〜ンと蚊の飛ぶ音
あたり辺りに響く銃撃音
空に響く航空機の音
空に陸に米軍に取られている現実を毎度毎度密林に入っていくたびに見なければならない。
小嶋「クソっ…俺たちは絶対に勝つ…」
そう呟き、トカゲを探す。
しばらく歩いていくと木にくっついているトカゲを見つけた。
いつもの通り銃剣で刺し、それを捕る。
小嶋「ふぅ…よしっ、捕れたな…」
そうしてテントに帰ろうと来た道を戻る。
すると、近くから声が聞こえる。
セミの鳴き声に隠れてよく聞こえないが良い内容ではないのはわかる。
助けに行こうとすぐに少し体を縮こませながら走る。
そうして進むと、なにか家のようなものが見えてくる。
小嶋「なんだ…?先住民のやつらのか?」
そうして少し入り口の方に寄っていくと、どうやら日本語で話しているらしい。
服装も陸軍と海軍の奴らがいる。
なにしてんだ…?
そんな疑問は後回しに、会話の内容を盗み聞きする。
日本兵「だから!1円やるから寄越せって言ってんの米を!な?1円だぞ1円!」
先住民「お願いします…もう、まともに私たちも食料は余ってないんです…どうか、どうか…」
先住民の女性の人がどうにかと食料を持っていかないよう懇願し頭を下げている。
そんなことも気にせず日本兵たちは手に1円札を握らせようとしている。
なんてことをしようと…
小嶋は同じ軍人が先住民に対してこんなことをしているなんて信じられなかった。
誇りある皇軍のはずだったろ…!
心に怒りは感じるものの手を出すことは出来ない。
もし手を出しにいけば撃たれる可能性だって全然あるからだ。
正義感を持つものなら行くのだろうが、そんな愚か者にはなりたくない。
しばらくして、彼らは奪い去っていった。
その後に小嶋は姿を表し、女性のもとへ歩いていく。
女性「こ、来ないで!もうこれ以上あげたら私たち食べるものがないのよ…」
そうひどく怯えており、泣いていた。
その後ろには子供たちもおり、もう元気のなさそうな男性の人もいた。
旦那だろうか…可哀想に…
そう怯えられていることは気にしないようにと心に言い聞かせ、自分は持っていた少しの米を差し出し土下座して誠心誠意謝った。
小嶋「皇軍ともあろうものが…本当に申し訳ありません…!ほんのお返しにもならないと思いますが…これを…」
女性「あなたたち、守ってくれるんじゃなかったの…?ねぇ…教えてくださいよ…」
そう泣きながら聞いてくる。
守る…か…
そんな綺麗事あるわけがない…
俺が言えることなんて…
小嶋「私たちは、やれることをやったまでです。」
そうはっきり言った。
いや、言ってしまったが正しいのだろうか。
その言葉に女性は泣き崩れ、絶望しているかのような顔をしていた。
怒りの表情を、こちらに向けてくる。
なぜ…そんな顔をするんだ…
俺は、本当にやれることをやっただけなんだ…
これ以上…何も求めないでくれ…
そう思い、彼らに告げる。
小嶋「もう、何も言わないで…」
そう言って僕はテントへと戻った。
泣きながら1円札を握りしめている女性を背中に。
あんな紙切れ…今何の役に立つってんだ…
そう怒りを感じながらも、帰った。
第二十三話「飢餓の名」




