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ガダルカナル〜密林に消えていく星〜  作者: kazu
第二章 「激闘篇」
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第16話「イル川渡河作戦」

8月21日 イル川近くの密林

日本軍の一木支隊は、イル川近くまで行軍していた。

あの時報告した偵察情報はなぜか聞き入れてもらえなかったとでも言うのか、なぜか急遽渡河作戦を強制的に実行することになっていた。


小嶋「畜生…もうそろそろ着いちまう…着いたらオレの死に場所か…」


そう吐き捨てながらも、必死に行軍を続ける。

しかしそのとき、あの場所が見えてきた。


偵察隊として潜入したときに通った、あの米軍との交戦場所だ。

しかしなぜか今回は警備隊がいない。



なぜだ…?



やけに静かだな……



そう感じていた。

しかしほかの兵士たちは気にもとめないのか、攻撃準備を進めている。

中村も同じだ。


中村「どうした…小嶋…」


小嶋「いや…なんでもない…準備しよう…」


そうして三八式歩兵銃に弾を込める。

すると僕たちの前の方に一木大佐が直々に出てくる。


あの人もここで死ぬ気か…?


お偉いさんは死なないと思っていたが…勇敢だな…


そう感じていた。

すると、佐原大尉が言う。


佐原大尉「おい、小嶋。ここを死に場所にしろよ。生きては帰れんぞ。」


そう告げる。



僕に死ねって直接言ったのか…?


始めてだな、直接言われたのは…



すると、攻撃が突然始まる。


一木大佐「行くぞ!!突撃ー!!!」


そう、叫ぶ。


くそっ!!行くしかねぇ!!!!


そう思い銃剣を立てて勇敢に雄叫びを皆上げる。


突撃部隊全員「うおおおおお!!!!!!」


そうして皆が草木の密林から飛び出し体をさらけ出しながら突撃する。


河口を渡ろうと皆が砂州に殺到する。


その瞬間、空に何かが打ち上げられる。


パンッ、という音とともに辺りが光りに包まれ僕たちは丸見えになった。



あ…?今は昼かぁ…?


バカかっての…畜生…!


でもやるしかねぇ!!



しかし止まらずに突撃し続ける。

その時、敵の陣地からとある合図のような何かが聞こえてくる。


米兵「〜〜〜!」


何を言ってるんだ…??


しかしその時、


"地獄"が始まる。


ズバババババババと一斉に河口を渡ろうとする僕らに容赦なく機関銃が発砲してくる。


一瞬にして我先にと突撃していった者たちはバタバタと倒れていった。


しかも敵軍は強固な陣地を築いており、大砲や機関銃、兵士たちをあちこちに配置し徹底的に僕らを殲滅しようとしていた。



畜生…!畜生!


死にたくねぇ…!でもやらねぇと!!


そうして小嶋と中村も砂州を渡ろうとする。


小嶋「中村ぁ!早くいかねぇと狙い撃ちされるぞ!!!」


中村「オレだっ」


そう中村が言おうとした瞬間、俺達は吹き飛んだ。



あ…?なんで飛んでんだ俺…


よくわかんねぇけど…綺麗な星だぜ…



そう疑問に、純粋に戻ったのもつかの間。

一瞬にして僕らは密林に放り投げられた。


ザスッ、と枝を折る音が耳に入りながら木にたたきつけられる。


小嶋「グフッ!!!」

そう唾を飛び散らしながら声がでる。

そうして、木に倒れる。



中…村…



俺の記憶は、そこでは途切れた。


しかし戦闘は続く。



日本兵たち「うおおおお!!」「死んで皇国のためにぃぃ!!」「テンノウヘイカバンザァァァァァァァイ!!!」


そう雄叫びを上げながらもどんどん少しずつ我らの兵力は削られていく。


ズバババババババという鋭い機関銃やサブマシンガンの音が響き渡る。


ズバァァンという音とともに砂州のド真ん中に砲弾が直撃、何人もの日本兵たちを吹き飛ばした。


何丁もの銃が砂州に積もっていく。


しかし日本兵たちも果敢に反撃しようとする。


ズダンッ!という銃声がやっと日本軍側にも聞こえ始めるようになり本格的な砂州を乗り越えようとする突撃は終わり、密林を利用した本格的な銃撃戦になっていった。


砂州には、大量の死体が山積みになっていた。


中にはその山積みになった死体を土塁代わりにして反撃するものもいた。


しかし砂州に残れば米軍の思惑通りだ。


米軍は徹底的に砂州のなかにいる日本兵たちを殺すために工夫を張り巡らせていた。


しかし日本兵たちも森林を利用した戦いは得意なため、自分たちの長所を生かして戦おうとする。


確かに日本兵たちの長所は米軍からしたらとても戦いづらいものであり、手こずらせるものだった。 


日本兵「撃て!撃ちまくれぇ!!」


そうして草の中から銃を出し、米軍に向かって発砲する。


お互いに空に輝く照明弾により姿は丸見えで、いくら米軍でも姿がさらされこの状況ではお互いに不利であった。


ズダンッという音とともに米兵たちも倒れる。


しかし敵は機関銃、サブマシンガン、ライフル、大砲という点で圧倒的に有利であった。


敵はこちらの姿が見えない限りは発砲したときの閃光で狙ってくるが三八式歩兵銃はその閃光が小さいため有利であった。


しかし米軍はそれならと大砲を密林に撃ちまくる。


木々は倒れ、鳥たちは逃げ草は焦土と化す。


ドガァァンと日本兵たちが密集するところに着弾し、日本兵たちは吹き飛ぶ。


日本兵たち「うわぁぁぁ…」「た、助けて!」

「畜生…!アメ公めぇぇ!!」


日本兵たちは必死に這い、銃を手に取ろうとするがすでに倒れた兵士など格好の的だった。


大きな損害を食った日本軍はついに撤退する。



ここは…なんだ…?


そういえば…戦闘だったな…


なんで…なんで…


長島一等兵「なにやってんだ!!行くぞ!」

そうして小嶋に手を貸す。


小嶋が後ろを振り向くと、体を穴だらけにされてるものや、首自体を吹き飛ばされているものもいた。


砂州は死体だらけになり、水は透明で透き通った青ではなく人の濃い血の色になっていた。


まさに"地獄だった"。


第16話「イル川渡河作戦」





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