第12話「飢餓からの脱出作戦 覚悟編」
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これからも「ガダルカナル」を連載していきますのでどうぞよろしくお願いします!!!
それでは、どうぞお話へ…
あの作戦計画から一日が経った。
ついに決行する1時間前であり、部隊員のほとんどが1週間ぶりの外だった。
小嶋「おぉ、久しぶりの外だな。そして…星が綺麗だ…」
小嶋は久しぶりの「外」というものに感動し、星を見ていた。
仲間たちも久しぶりの外に喜んでおり、このあとに決行する作戦を忘れているようだった。
でも、今だけは忘れさせてあげよう。
中村「おい、こっちも準備終わったぜ。どうやら俺たちの班の山田兵曹がさっき戻ってきたそうだ。」
小嶋「本当か!?あの山田兵曹が…」
中村の突然の山田兵曹の生存報告に小嶋は喜ぶ。
新しい仲間とともに過去の仲間たちも戻ってきている。
「飢餓と戦争」という環境を忘れるならばなんていい環境なんだろう。
しかし今回はその「飢餓」から脱出するための作戦だ。
到底どんなにいいことがあろうと体は忘れさせてくれない。
その時腹が鳴る。
山田兵曹「腹が減っているのか、ほら残り飯だ。」
そう言い山田兵曹は自分の飯盒をあけ、余り物の米を小嶋に渡す。
山田兵曹「お前ら二人で分けろ。俺はなかなか腹が減らない体質でな。」
そう優しく言い、壕の入り口に戻っていった。
二人はいつも通りの信頼できる上官の山田兵曹で深く安心した。
戦争というものは当然のように人間の中身を変えていく。
すべて「狂気」に…
そして小嶋と中村は残り飯を分け、食べ終わる。
小嶋「腹の足しにはならないけど十分に動けるだけの栄養は確保できたな。」
中村「馬鹿野郎。残り飯を分けてもらえるだけ幸運と思え。本来なら山田兵曹の飯なんだから。」
そう中村は山田兵曹にありがたみを感じていた。
そして飯盒を山田兵曹に返しに行く。
やがて壕の前につくと山田兵曹がいた。
山田兵曹は笑顔でこちらを振り向く。
小嶋「飯、ありがとうございました。」
山田兵曹「おぉ、返しに来てくれたのか。ありがとうな。」
そう小嶋は感謝を伝えながら山田兵曹に飯盒を返す。
しかし山田兵曹は突然悲しそうな顔になり、話す。
山田兵曹「お前ら、主任部隊に選ばれたんだってな…できるなら俺もついていってやりたかったんだが…すまんな、護衛しかできなくて。」
そう山田兵曹は小嶋に申し訳なさそうに話、とうとう謝られてしまった。
そんな山田兵曹に小嶋は返す。
小嶋「いえ、飯を分けてもらっただけでも私たちは十分救われております。今までは米だけでなくそこら辺の草を水と煮たものやトカゲを食っていましたから、貴重な米をありがとうございます。」
そう、小嶋たちガダルカナルに現在潜伏している部隊は食料の備蓄がほぼない状態で密林に潜伏を始めてしまったため自然のものを食べるしかなかった。
山田兵曹「そんなに…でも…その言葉だけで助かったよ。ありがとう。」
そう山田兵曹は言い、笑顔がもどる。
少し頑固そうな顔だが、笑顔はとても優しそうだ。
するとなぜか壕の中から大きい音が鳴り響く。
気になった小嶋は壕に入る。
そして奥の方に行くとなにか殴り合いをしている人物たちがいる。
おそらく服装的に海軍設営隊の人たちだろう。
やべ…喧嘩してんのか…?こんなときに…
とりあえず止めねぇと、
そう思った小嶋は2人に近づく。
するとお互いに怒鳴りあっていた。
設営隊員1「俺は…生きて帰りたいんだ…!こんなところで死んでたまるか!俺はただ生きて帰りたいだけなんだ!それをお前に否定されることはねぇよ!!」
設営隊員2「俺たちが生きて帰れると思ってんのか!?あぁ!?そんな甘い考えがこんな苦しみ引き出してんだろ!いい加減に死ぬ覚悟決めやがれよ!」
なんだ…と…?
「生きて帰る」が…甘い考え…?
そんな考えが…苦しみを…
たしかにそうだけど…けど…!
「覚悟」は決まってるんだよ…!
小嶋「おい、生きて帰るという考えは甘い考えではないぞ。」
そう、小嶋が口を開く。
設営隊員の2人がこちらを向く。
どうやら俺たちと同じくらいの年齢のようだ。
お互いに般若のような顔をしており、一瞬恐怖を覚えたもののそれでも語る。
小嶋「お前たちになにがあったのかは知らないが、それでも断言はさせてもらう。君の言う「生きて帰る」という考え方はどういうものだ?」
そう、先ほど発言していた隊員に聞く。
するとその隊員も口を開く。
設営隊員2「そんなの、周りを捨て置いてでも自分を大切にするという帝国軍人の風上にも置けない考えだろ!!」
そう設営隊員は怒鳴る。
小嶋は少し後ずさりしてきてしまう。
しかしそれでも小嶋は教える。
小嶋「生きて帰るってのはな…」
生きて帰るってのは…
「小嶋は、この戦争から生きて帰れると本気で思ってんのか?」
生きて帰るってのは…!
「か、母ちゃん…」
生きて帰るってのは…!!!
「俺、生きたいんだよ…!!!」
生きて帰るってのは!
「俺が、お前の太陽になりたい。」
そうだな…
やっと教えてやれるようになったよ。
小嶋「生きて帰るってのはな…周りを捨て置くんじゃねぇよ。逆だ。周りを大切にし、共に進んでいくことを言うんだ!周りを捨てた瞬間、それは生きて帰るじゃねぇ。それはただの"帝国軍人"の恥さらしだ!!」
さっき反論した設営隊員も、これには反論はできなかった。
帝国軍人の名誉も守りながら、そんな中でも生きて帰りたいというただの願いをここまで言葉にできるのは世界を見てもごくわずかしかいないだろう。
いや、もしかしたら…
そんな人間いないのかもしれない。
そんな考えは偽物なのかもしれない。
でも、「俺と中村の友情」は本物だ。
その「友情」の中で誓ったんだ。
きっと、本物なんだ。
小嶋「もしそこまでお前が死にたいなら、
"帝国軍人"として死ぬか、
"一人の人間"として死ぬかよく選ぶんだな。」
そう言って二人の喧嘩を収めたあと、壕を出る。
その小嶋を出迎えたのは、山田兵曹だった。
小嶋「山田兵曹…?」
そう山田兵曹に呟くと、返事が返ってくる。
山田兵曹「どうやら俺はとても馬鹿だったようだな。俺はまだお前を一人の子供として見ていた。だからこそお前についていってやりたいと思っていたんだ。でも、必要ないな。」
山田兵曹はそう小嶋に告げる。
そして、山田兵曹は小嶋を変えるひと言を放つ。
それは…
山田兵曹「お前はまだ"一人の人間"としての感性を持っている。この戦争ではそれを失うのが普通だ。でも、お前はその面に関しては俺より上だな。」
そう山田兵曹は小嶋の戦争に侵されない人間の心を褒めた。
そして、その言葉を放つ。
山田兵曹「"帝国軍人"だけに、染まろうと思うなよ。ただ一人の"日本人"として、「生きろ」。」
そう言って、山田兵曹は去っていった。
生きろ…か。
でも…俺の考えたとおりだったよ…
やっぱり、甘い考えじゃなかったんだな…
死ぬのは簡単だ。
でも生きるのは難しい。
だからこそ、「生きて帰る」という覚悟を決めるのはなかなか難しいはずだったんだ。
でも、それでも…
俺は、あいつを故郷に返してやりたい。
そして、別れを告げさせてやりたい。
それからあいつを…
地獄まで見送ってやる…!!
待ってろよ…中村…!
第十二話「飢餓からの脱出作戦 生きる覚悟編」
今回はPV数500突破ということで約3000字にしてみました!
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それでは次回、決行編にてお会いしましょう。
それではまた。




