「小嶋 久人という男」
今回は追加で1.5話を作り、小嶋についての過去に少し触れてみます。
それではどうぞ。
これは外伝編に投稿したほぼコピーですが本編しか読んでいない人でも最新話を理解するために載せています。
これからも外伝はわかりやすく本編にも出しますし、まとめとして外伝編にも出しまーす!
現在僕らはこの輸送船内の最内部にいる。
蒸し暑い…
たくさんの人がいるから押しつぶされそうだ…
戦い前だけど…帰りたい…
そう思った小嶋はポケットから手紙を出す。
小嶋「母ちゃん…」
そう言って目を閉じる。
過去の思い出を、振り返る。
この話は小嶋の過去に遡る。
戦前 1940年 帝都にある小嶋 久人の村
小嶋(17歳)「母ちゃーん!飯できたよ!」
ここは1940年の東京の村。
小嶋久人の実家である。
外ではセミの鳴き声が響いており、太陽が差し込んでいる。
出るだけでも汗をかくほど暑い。
すると奥の部屋から母が歩いてくる。
小嶋の母(60歳)「は〜い〜。今行きますよ〜…やっぱり完全には治らんね…」
小嶋の母は現在60歳で体もだいぶ弱ってきている時期だった。
だからこそ小嶋にご飯を作ってもらっていた。
しかしそんな中でも小嶋の母は久人の傷を見つめてそう言っていた。
小嶋「あぁ…これか…」
小嶋は好きだった木登りを小さい頃、時々していたのだが、たまあに怪我をしていた。
しかし今回の傷は深かった。
小嶋の母「あんたの顔は立派な顔でとてもかっこよかったのにこんな傷がねぇ…」
小嶋久人「大丈夫。おれの顔は傷があっても立派だよ!」
小嶋の母「そうかいね…ならいいんですよ。」
そしてお互いに座り、飯を食べる。
小嶋、母「「いただきます」」
そしてカツカツと飯を食べ、母と話す。
母「そういえばあんた…軍隊行くの…?」
母は前から久人が話していた"軍隊に行く"という話を聞いて深く心配していた。
母「大丈夫…?その傷とか、」
小嶋「だから大丈夫だって!こんな顔の傷…」
小嶋の母が心配するのも仕方がない。
深い傷が見えないところにあるならまだしも、ほっぺたにあるからだ。
まるで弾丸がかすったような傷だ。
母「ごめんね…」
母は本当に申し訳なさそうに謝る。
小嶋久人「謝らないでよ!そんな、俺が勝手に登って落ちたんだから…」
小嶋もそう申し訳なさそうに言う。
その後は気まずくなり、お互いに静かに食べ終える。
小嶋、母「「ごちそうさまでした。」」
そして母は奥の部屋に戻っていき、自分は外に出て軽く走り汗を描く。
頭に響き渡るセミの声。
スタッスタッと地面に響き渡る足音。
長く続く道。
その近くに見えるたくさんの田。
そこの田からこちらをみて挨拶をしてくる農業人。
そして激しく熱を発する太陽。
夏を感じさせるような風景だった。
しかしやはり激しく熱を発する太陽がいるとすぐに汗をかいてしまう。
そして頃合いと感じた小嶋はきた道を戻り家に帰る。
そしてただいまと家に入り、休む。
こんな日々が続いていた。
そしてついに1年の月日が経つ。
ついに軍隊に出征する日だ。
1941年12月 出征日 家の玄関
小嶋「いってまいります…!」
そして母に対して敬礼する。
母「あんた…立派になったねぇ…」
母は涙を流す。
小嶋は母に感謝を伝える。
小嶋「母さんが、お父さん無しで一人で育ててくれたからだよ…ありがとう。」
小嶋の母は一人で小嶋を育てていた。
父は日中戦争に出征後、上海にて戦死した。
手紙でも、
「勇ましく死んだ」
と書いてあったため、母も誇りに思っただろう。
思うしかなかったろう。
そんなショックを感じる状況の中自分をなおも育ててくれた母には感謝がしきれない。
そして小嶋はそんな感謝の気持ちを胸に玄関の扉を開ける。
母「久人!」
母は小嶋を呼びとめる。
小嶋は目を合わせず、顔だけ横に向ける。
母は最後に言う。
母「また…帰っておいでね…!」
大粒の涙を流しながら母はそう言う。
小嶋はもちろん、
小嶋「もちろん、帰ってくるよ…!」
そしてついに細道を歩いていく。
長い長い道を歩いていく。
セミは珍しく鳴いていない。
田んぼの人はこちらを見た瞬間挨拶ではなく、万歳を三唱していた。
出征人だから。
しかし止まらずに歩いていく。
相変わらず太陽は自分を照らす。
しかし歩けば歩くほど、
母のことを思ってしまう…
しかし止まれない…
止まれないんだ…
小嶋は走る。
ただひたすらに…
駅に着くまで…
汗をかいても…
疲れても…
帰りたくても…
やがて駅に着く。
車掌さんがこちらに歩いてくる。
車掌さん「乗るなら、今ですよ。」
そう案内され、大人しく電車に乗る。
しかしどうしても…
足が扉の先にいかない…
怖い…
すると後ろからトンッと優しく押される。
そして足がついに…
扉のさきを行く。
小嶋は誰だろうと振り返る。
しかし押してきたであろう人物はいない。
小嶋「父さん…」
咄嗟に父さんの顔が思い浮かぶ。
父さん…厳しいな…
そう少し涙をこらえながら考える。
たとえ違くても…
たとえ正しくても…
そう考えたい。
あぁ…なんて幸せだったんだろう…
母さんに会いたい…
父さんにお礼が言いたい…
村に帰ってあげたい…
また…平穏に暮らしたい…
戦争から…逃げたい…………
??「…ぉぃ…おぃ…おい…!おい!」
小嶋「あ、あぁ…」
その時小嶋は目覚める。
中村が話す。
中村「なに寝てんだ?ほら、中尉が来るぞ。」
小嶋「あ、あぁ…」
小嶋はやっと自分の体に戻る。
そして中村から疑問がとんでくる。
中村「そういえばさ、お前のその傷はどこで負ったんだ?訓練か?」
中村は小嶋のほっぺたの傷を指さす。
そして小嶋は教える。
小嶋「これはな…俺の成長のための傷…かな…」
1.5話 「小嶋 久人という男」
今回は少し小嶋の人物像が思い浮かぶように顔の傷のことについて少しだけ触れてみました!
本編ではおそらくそこまで出ないものを、1.5話として出してみました!
これからも「ガダルカナル」をよろしくお願いします!




