移住企画
拠点内部。
中では慌ただしく動く人達。
書類を運んだり作ったり、
料理の下準備をしたり、
洗濯をしたり、
掃除をしたりと様々な仕事をしている。
そんな中でも一際忙しく、死に物狂いで働いているのがサタンとエルヴィア。
サタンはエルヴィア達を受け入れる為、
エルヴィアはその補佐や住民の規模、住居先の提案、
仕事や生活のルールや違反行為に対しての罰則等の説明を一から受けている。
「本当にこのエリアの家を貰っても構わないのですか?。」
エルヴィア達が住む住居は城から離れてはいるが一軒家が立ち並ぶ予定の地区100軒の内の50軒。
家の設計図では1軒で8人が十分暮らせる2階建ての現代風の家で対火災の性能もある。
1階は35畳のリビングでキッチンもあり、トイレとお風呂も完備。
2階に10畳の部屋が4つある。
「でもまだ完成は先ですのでしばらくはこの拠点で生活が続きますが大丈夫ですか?。」
「問題ありませんよ。普通にこの拠点を頂けるなら50軒もいらないと思うのですが・・・。」
「ここはあくまでこれは仮拠点。快適に作られてはいますけど寝る場所は私達以外はかなりギュウギュウ詰めで硬い床で寝袋での睡眠でかわいそうですし、それにエルヴィアには近くにいて欲しいと思ってこの提案をしたんですよ。」
「でも相当なお金が・・・?。」
「そこは問題ありませんよ。資金は既にゼラ様が用意して建築段階になってます。」
「どこからそんなお金が・・・。」
「まぁ現最強の冒険者ですのでお金は有り余ってるんでしょうね。ポンってお出しになりましたよ。白金貨50枚。」
「え・・・。白金貨50枚って・・・。本当に一生遊んで暮らしても有り余る・・・。」
「本人曰く、お金が余りに余ってる状態だから放出したいんだそうです。ゼラ様だけで毎月金貨200枚程、シス様達を含めると白金貨1枚程稼いでいるとか。しかもこれがドラゴンの素材等を売っていない場合の稼ぎで素材を売り出したりしたらもっと行くらしいですよ。それにこの土地で色々とやりたいからと言って投資のやり方か予想を遥かに超えていて成長速度が速すぎるんですよ・・・。」
「その結果が人材不足と?。」
「ええ・・・。だから本当にお願いしますね。」
「微力ながら手伝いをさせていただきます。」
そして外の異変に気が付く。
「空が・・・。」
「はい。終わったみたい「もうここまで話が進んでんだな。」
「!?」
いきなり音もなく現れるゼラにエルヴィアは驚き構える。
「もう。ゼラ様。」
少し怒り顔のサタン。
「そんなに怒る事か?。」
「エルヴィアは初めてなんですから驚くに決まってるじゃないですか。」
「まぁこうゆうことがあるから慣れてくれよ。」
笑いながら椅子に座り書類にサインをしていく。
「とりあえずエルヴィアはサタンの補佐役として住民達は家に住まわすんだな。んでそれに伴い住民区の名前がトラスト。責任者がエルヴィアで経営者はアーべルニ。法は厳守。住民の中から志願兵が30名。残り87名は適正試験を受けて教師と内政員と数名、他は生産業やサービス業へとなる事も承認済みと。」
「はい。これからよろしくお願いします。」
「別に俺の事は王の扱いをしなくていいぞ。この国は王政じゃないからな。意見はサタンやアリシアに通せばいいし、直接俺に相談してもいい。それによろず箱にメッセージを入れてもいい。」
「有難うございます。では早速なんですが、私を鍛えてもらえないでしょうか?。」
「・・・。俺から見ればエルヴィアは十分な実力を持っているように見えるが?。」
神眼で情報を見ている。
サリアと同じジョブでレベルが低く、ダブルスペルと錬金術を無くした性能をしている。
十分世界的に通用するレベルの強さで人間界ではSランク相当の実力者である。
「サリアさんに比べたら全然・・・。」
「よりにもサリアと比較すんのか・・・。」
困り顔で頭を右手でかく。
「一つ言っておいてやる。」
「はい。」
「サリアには基礎を全て叩き込んだだけだ。」
「え?。」
手を組んでそのまま話す。
「だからサリアの戦いの技術はサリアにしかわからん。実際勝手にあそこまで成長してるんだよ。」
「そうなのですか?。」
サタンが驚く。
「ああ。正直規格外な成長をしてる。そのうち魔術師として世界最強になるかもな。」
「既に世界最強では?。」
「いや。俺が知る限りじゃまだまだ。まぁ強くなりたいなら俺よりサリアに聞いた方がいいぞ。それぞれの戦い方は教える事は出来るがエルヴィアは既に基礎は終えてる。俺からは何も言えないかな。」
「そう・・・ですか・・・。」
エルヴィアは残念そうにする。
「まぁ戦術とかで聞きたい事があれば聞けばいい。」
「分かりました。その時はお願いしますね。」
トントンとドアがノックされ、
「ただいま戻りました。」
そこにサリアが入ってくる。
「おう。お帰り。」
「あ。ゼラ様帰ってきてたんですね。丁度よかった。」
「ん?。なんか相談事か?。」
サリアはそのままゼラの横へ立って。
「私の相談ではありませんけどね。皆入っておいで。」
そして三人も入ってくる。
「ああ。セフィリアが職出たのか。んで決まったのか?。」
「いえ・・・。かなり悩んでまして・・・。」
そう言ってカードを出す。
「まぁいいんじゃないか?。俺は魔刀将だが、セフィリアは抜刀術を極めたいから剣豪にしたいのだろ?。」
「はい・・・。」
「なら後悔が無いようにじっくり考えるといいぞ。特化か汎用かの二択だ。」
「ゼラさんは・・・。」
「ん?。」
セフィリアは意を決して聞く。
「どうして魔刀将を?。」
「そうだな。じゃ特性は前話したから戦術について話してやろう。」
そして戦術が話される。
ゼラは立ち上がりボードを用意し、
ボードに次々と説明をしながら書いていく。
剣豪は完全な物理アタッカーで瞬間火力が高い職。
その特性を生かし純粋に敵を火力で倒して突破口を開いたりする。
ただし弱点がある。
物理アタッカーなので物理耐性を持つ敵に弱く、火力職ではあるが手数火力で火力を出すので防御力の高いタンク職と相性が悪い。
魔刀将は物理の他にも属性攻撃が可能な職。
瞬間火力は剣豪よりかなり劣るが、戦闘中属性を変えれる上に遠距離も攻撃可能の為、弱点という弱点が存在していない職で有利不利が唯一存在しない職で純粋に人の強さで勝負が決まる。
しかし弱点はある。
武器を揃えるのが非常にめんどくさいという事。
物理、魔法、それぞれの属性の7種の計9本を揃えて本領が発揮すると言ってもいいぐらい準備時間がかかる。
「まぁ簡単に言ったら弱点がはっきりしている剣豪。弱点はないが強くなるのに時間が必要な魔刀将って事。」
ボードに要点をまとめた物を見せる。
全員がそれを見ている。
「なる程。ですが一ついいですか?。」
セフィリアは疑問に思うことを言う。」
「何かな?。」
「武器の用意が時間が必要であれば私は剣豪で構わないのですが・・・。」
「ああ。それについては・・・。」
そう言ってテーブルへ移動しアイテムボックスから刀8本を取り出す。
「ほれ。」
全員が目の前に置かれた刀を手に取って確認する。
「俺のコレクションの一部でそれぞれ属性の最強の武器だ。しかも抜刀術の型で戦える代物だ。」
腕を組み自慢げに言うゼラ。
「・・・。凄い力が宿っていますね・・・。」
エルヴィアは炎の力を宿した黒と紅色の炎龍の性能に驚きを隠せない。
「上級・・・いえ最上級以上の炎の精霊の力がありますね。」
「まぁ龍シリーズだからな。各それぞれの神龍の加護が宿ってるし。」
「あの・・・これは一体何処で・・・。」
サタンが震えて聞く。
「そうだな。お前達には話しておくか。」
そう言って椅子に座る。
全員がゼラを見る。
「サリアは外で見張りを頼めるか?。」
「分かりました。」
笑顔で命令を受け外へ。
「さてまずはこの話はアリシア達には話したがお前達には始めてだな。」




