ダークエルフの長
集落の中では激しい戦闘が行われていた。
ダークエルフ達は強化されたゴブリン達相手に戦術と経験で能力低下状態でも戦えている。
弓や魔術に罠と頭の悪いゴブリン達は引っかかって倒される。
しかし能力的に倍違う上に数も圧倒的な為被害は確実に出ている。
一人、また一人重症を負って撤退せざる負えない者が増える。
そして中にはゴブリンに連れ去られた者も何人かいる。
「駄目です・・・。このままではここは・・・。」
「耐えなさい。もう少しで援軍が来るはずです。それまで耐えれれば・・・。」
銀髪で背が高く胸が大きい者ばかり。
その中でも特に美しい容姿をしている者が指揮をしている。
(万全であればこんな奴らに・・・。)
拳を握り締める。
強く締めすぎ爪がめり込み血が垂れている。
「目標確認しました。」
「え?。」
メディアがゴブリンの群れに向かってクロスボウを的確に頭に魔力の矢を一気に放つ。
1射で10本の魔力のボルトが放たれ高速で連射。
それでいて全てに誘導が効いていて弱点の頭や首に心臓に的確に当てていく。
連れ去られそうになっているダークエルフには1発も当たっていない。
「凄い・・・。」
「貴方がここのトップですか?。」
メディアは警戒しながら言う。
「はい。私がここの長を務めているエルヴィア・マーカルアと申します。」
「・・・。登録完了。では現在の状況を教えてもらえますか?。」
「え?。あ・・・はい。」
エルヴィアは疑問に思いつつも現在の状況を説明を始める。
「1時間前にここより北側の結界が破られゴブリンやオーク、ウルフが大量に侵入してきました・・・。同胞達は6割以上、住民は4割以上重症以上もしくは連れ去られたか捕食されたかと・・・。」
「・・・。了解。では今から私の指示に従ってもらえますか?。」
「貴方様程の強者であれば従います・・・。私たちをどうかお助けください・・・。お願い致します・・・。」
「ではまず避難場所を教えてもらえますか?。」
「ここより少し南へ行った神殿に避難させています。」
「・・・。では貴方達もそこへ避難して下さい。その神殿にてゼラ様達がお待ちです。」
「ゼラ・・・。分かりました。全員撤退の準備を!!。動ける者は動けない者を支え避難して下さい!!。」
撤退を開始と同時にオーク達が現われる。
「前方にオークの群れです!!。」
「え!!。」
「大丈夫です。そのまま避難をして下さい。」
メディアは群れに突っ込んで行く。
剣を握り紅い死神モードになってオーク達を容易く葬る。
全員が英雄的強さの援軍が到着したと希望を持つ。
希望によって全員が一丸となって撤退は速やかに終わる。
エルヴィアと兵達が神殿へと到着する。
中に入るとヘーゼナルボの他にゼラとアリシアが手当や水と携帯食料の配給をしていた。
「おう?。お前さんがエルヴィア?。ふむ。」
ジロジロと観察するゼラ。
「え・・・ええ・・・。」
少し気持ち悪く感じた為引いてしまう。
「お前は元気だからこれだけな。」
「え?。」
そう言って小瓶を渡された後は兵達の方へ向かっていった。
「え?。えぇ・・・。」
エルヴィアは自分の容姿には自信があった。
昔は前魔王に告白された程。
しかし強さしか持っていない前魔王相手では恐怖しか感情が沸いてこなかった。
無理やりモノにされ人形のように飾られ、愛されるぐらい。
手下達にもいやらしい目で見られていた。
しかしゼラは淡々と治療の為に状態を確認しているだけ。
容姿にまるで興味ありませんと言わんばかりの態度。
「あれがゼラ様ですよ。」
アリシアがそう言う。
エルヴィアはアリシアの方を向く。
「初めましてエルヴィア様。私はアリシアと申します。ちなみに分かっていると思いますがエルフです。」
「ええ。久しく見たわ。私はエルヴィア・マーカルア。ダークエルフの長です。」
「私としては話し合いをしたいのですがまた後でお話をしましょう。」
そう言って配給の続きに戻る。
そして短時間で治療が終わり全員が万全な状態になる。
「力が戻った・・・。」
エルヴィアは辺りを見渡す。
次々と同胞が運ばれ治療されていく。
もう助からないはずの傷を負っていても瞬時に治す。
食料が少なかったはずだが全員が暖かい美味しい食事を提供してくれる。
そして何より連携が異常であった。
けが人が運ばれてくるのが分かっているかのように動く。
何が足りないのか瞬時に判断しそれを誰かが必ず被らずに持ってくる。
「うし。じゃ俺は外の様子を確認してくる。ヘーゼナルボは仮拠点の建設の許可取ったら指揮して作ってくれ。」
「ああ。分かった。任せておけ。」
そう言ってゼラは外へ出て行く。
「凄いですね。」
ヘーゼナルボにエルヴィアは近付く。
「そうだろ?。ってな訳だ。拠点建設をしたい。できれば壊れたあとの場所を提供してもらえないだろうか?。」
「処理が大変なのでは・・・。」
「構わない。というかすまなかった。」
「謝らないで下さい。私達の方もなにも出来ずに・・・。」
「そうか・・・。とりあえずこの後だがその拠点建設を手伝って欲しい。」
「それぐらいでしたら手伝わせていただきます。食事と治療を提供してくださいましたし。」
笑いながら約束をした瞬間、
ドーンと大きな騒音が響き渡る。
「な・・・なんですか!!。」
「この魔力量は・・・。」
「サリアですね。魔力の質で分かります。」
アリシアがサリアの魔力を感じた為そう言う。
「はぁ?。サリアってアリシア様の所の錬金術師のエルフ?。」
「はい。サリアはついこの間に進化してエイシェントエルフになってから魔力の量がゼラ様より低いとは言え私達の中では1位ですからね。それでいてワールドソーサレスになってから学習し続けて元素魔術である火、水、風、地属性は完全に極めて種族進化で魔力が向上しているので本気を出せばこの集落程度であれば吹き飛びますね。現にこの間魔術の合体実験とかして村から離れた山を一つ吹き飛ばしてましたし。」
「おい・・・。ゼラ以外にもそんな事出来るバケモンが生まれてるのかよ・・・。」
「化物扱いは酷いですね。私達は強いですが乙女ではあるのですから。」
「すまない・・・。」
(エイシェントエルフ・・・。古代に神によって絶滅させられた最強のエルフ・・・。それが現代に蘇った・・・。これは何か大変な事の前兆の可能性が・・・。)
そんな事を考え出すエルヴィア。
「大丈夫ですよ。」
「え?。」
「この先にどんな困難が待ち構えていようと私達は乗り越えてみせます。神だっていずれ倒してみせますよ。今はゼラ様に頼らないと倒せませんがいずれは私達だけで・・・。」
「怖いなお前・・・。」
「それは同意するわ・・・。」
アリシアの目標に恐怖を感じる二人であった。




