サリアとティルフィング
「ふふ。」
「どうした?。サリア?。」
ゼラはサリアと一緒に武器作りを始めている。
簡単に話し合いをし武器の構成は必要な素材をどっちが作るかを決め作業をしている。
「いえ。久々にゼラ様と一緒に物を作ってるなっと思って。」
「そういやそうだな。サリアがワールドアルケミストになる前にある程度は大丈夫だろうと思って少し目を離した時に魔力不全起こして俺が色々探しに行ってる間に魔力暴走に種族進化だもんな。」
「もう・・・。言わないでくださいよ・・・。反省はしてるんですから・・・。」
せっせと武器の素材を作る二人。
そんな状態でも余裕があり楽しそうに話しながら進行する。
ゼラは武器の基礎となる武器を作り、サリアは必要な部品や宝石等を担当している。
「しかし本当に極めたな。」
「そんな事はないですよ。ゼラ様には敵いませんし。」
「いや。神木を作れるのは誇って良いぞ。杖や弓にクロスボウ等の木の素材で作る武器でユニーク装備に必須な素材だからな。後は傷無しの宝石だな。神木が作れるならこれらも十分作れる。」
「作れると言っても私は今までレシピを知らなかったのでゼラ様には追いついていませんけどね。」
「俺もそんなもんだから気にするな。さて形になる武器はこんなもんかな。」
そう言って作ったのは双剣、大型のメイス、弓、杖。
どれも最上級の最高品質で完成している
「相変わらず凄い品質ですね。」
「まぁ慣れだよ。低品質を重ねて普通品質、高品質、最高品質ってやって最後に武器を作ればどこの鍛冶師にも負けないさ。まぁ一部の極めた鍛冶師には勝てない物も中にはあるけどさ。」
「鍛冶師ですか・・・。まぁ普通はそれが一般的ですが何が違うんですか?。」
「普通の武器なら何でも作れるのが錬金師。特別な武器が作れるのが鍛冶師。意思を持つ武器、インテリジェンス系は錬金術では作れないな。魂が込められないって言ったらいいかな?。このティルフィングを作ったのも元は鍛冶師だ。」
「それがインテリジェンスソードなんですか?。あれ?。そういえば武器は前持ってませんでしたよね?。」
「この武器が特別なだけだぞ。適当に強化したらなんかこんなもん出来たし。」
「こ・・・こんなもん・・・。マスターは我をこんなもん扱いなのか・・・。」
ティルフィングの言葉を無視する。
「凄いですね。見てもいいですか?。」
「構わないぞ。ほれ。」
そしてサリアに手渡した瞬間パーンっと音を立てて粉々に砕け散る。
「・・・。え・・・?。え~・・・?。え?。」
「まぁこうなるよね。」
「だからマスター、何時も言ってるだろ!!。安易に手渡さないと!!。」
毎回このやり取りでティルフィングは痛みに慣れつつあった。
「凄い・・・。もう元通りになってる・・・。」
「そうだろ!!。そうだろ!!。」
テンションは高くなるティルフィング。
だが次の瞬間また握られて粉々にされる。
「おい!!。娘!!。やめろ!!。」
「あはは!!。これ凄いですね!!。」
「凄いだろ!!。」
「やめてくれぇえええええええええええええええ!!。」
暫くサリアはティルフィングが粉々になるのを楽しんだ。
「そういえば意思あるんですよね?。」
「ああ。あるぞ。今物凄い悲鳴を上げて泣いてる。」
「え?。あ・・・。ごめんなさい。」
そう言って粉々にするのを止める。
「助かった・・・。」
「ごめんなさい・・・。つい楽しくて・・・。」
「もうするな・・・。」
「もっとしてくれって。」
にやぁっとしてゼラが言う。
「っは!?。まって!!。」
「もうゼラ様。ティルフィングも意思を持ってるんですから大切に扱ってあげて下さい。」
「娘・・・。」
軽く感動しているティルフィング。
「こいつがふざけと事とか言わなかったらこんなに粉砕はしてないぞ?。」
「それでもですよ。新しい武器なんですから。大切に扱ってあげて下さいよ。モノには意思がある、だから大切に扱えば扱う程期待に応えてくれるって言ったのはゼラ様ですよ?。」
「そういえばそうだな。」
「本当か怪しい・・・。」
「って事だティルフィング。これが終わったら手入れするぞ。」
「ふふふ。」
そして全ての工程が終える。
一息休憩する為に作業場から離れて隣の部屋の椅子に座りティルフィングを机の上に置いて手入れの準備をしている。
サリアは台所でお茶の準備をしている。
「本当にマスターの作る武器はレベルが違う・・・。」
「そんなにか?。」
「我が今まで見てきた武器はどれも私以下だったからな。喰らい、壊し、吸収していたから分かる。マスターの使い魔のシスと戦った時に持っていたあの剣と交えた時、始めて対等・・・いやあっちの方が上だと思った。」
「へー。何時も自信満々にしてたから自分より上なんて無いと言うと思ってた。」
砥石と植物油をティルフィングの横に置く。
そしてティルフィングを持って砥石が必要か確認するが、
「やっぱお前砥石は必要ないな。研ぐ必要性がない。」
「ふっふ・・・。当たり前。私は今完全体の体を手に入れたからな!!。」
「まぁ俺以外は持てないけどな。」
「構わないさ。マスターが生涯を全うしたら一緒に墓に入るつもりだからな。」
「別に解除しても構わないぞ?。んで俺以外に装備されてもいいと思った奴に握られても俺は怒りはしないぞ?。」
「いや。これは我なりのけじめだ。最初で最後の主としてマスターを選んだ。それ以降に握られる事は考えていない。それにマスター以上の剣術に適正がある人材がいるとは思えないからな。扱いは悪いけどそれでも良いところは短期間ではあるが分かる。」
「ふ~ん。つか汚れも無いし・・・。」
「ふっふっふ・・・。前と違って全ての汚れも落ちる!!。これでいくら斬っても汚れないぞ!!。」
「どうっすっかな・・・。まじで手入れする必要性が無いって・・・。まぁ持ち主からすれば理想な剣だけどさ・・・。魔石ってどうだ?。一応聖魔剣って魔力持ってるはずだし。」
「昔の我なら喜んだが今はマスターの魔力の美味しいと分かっておるし、それに何時も過剰に流れているからいらぬぞ。」
「凄い性能ですね。」
サリアがお茶とお菓子を持ってゼラの前に置く。
「あ~。独り言みたいですまんな。」
「気にしないでください。それにしても手入れ不要な魔剣ですか・・・。」
「魔剣じゃなく聖魔剣。聖剣と魔剣を合わせた剣なんだよ。」
「とんでもない武器作ってますね・・・。もう世界の宝みたいな物じゃないですか?。」
「ナンバーワンかは分からんがオンリーワンではあるな。」
「そうですか。あれ?。そういえば鞘はあるのですか?。」
「あ。そういえば無いな。何時も背中に魔術でくっつけて持ち運んでるし。」
「なら作ればいいのでは?。」
「・・・。欲しい?。」
「欲しい!!。今の我に似合う鞘で願う!!。」
「分かった。じゃぱぱっと作ってくるわ。」
そう言ってティルフィングを机に置きっぱなしにし作業場へと向かっていった。
「始めての贈り物か・・・。心が躍るな!!。」
「・・・。」
サリアはティルフィングを見つめる。
「?。」
ティルフィングが不思議に感じる。
そしてそのままサリアは言う。
「ティルフィング・・・。昔は魔剣として悪い噂しかない・・・。けど今は違うんですよね?。」
「ああ。勿論だ。正直今のマスターには逆らいたくはないな。」
ティルフィングの言葉はサリアには通じない。
「・・・。お願いします。どうかゼラ様の力に・・・。もしもゼラ様が窮地に陥った時には助けてあげてください・・・。どうかお願いします・・・。」
「・・・。心配なのだな。マスターが駆け抜ける道の先に何があってもおかしくない。いずれ敵わない強敵に出会うかもしれない。その時に助けろか・・・。よかろう。我に任せておけ。」
「・・・。ありがとうございます・・・。」
ティルフィングが輝く。
それが返事でありサリアはそう捉えた。
そして出来上がった鞘は紅と黒の厨二臭いデザインになったがティルフィングがとても気に入り絶賛したのであった。




