ティルフィングの試験運用
「ごほ・・・。うぅ・・・。」
「シス様!!。」
「アウラ!!。下がれ!!。」
「この強さ・・・。ゼラ様は本当に人間なのか・・・。私も流石に人間ですって断言できないのですが・・・。」
現在翌日の朝。
ティルフィングを握ったゼラの強さはとんでもないレベルに達していた。
HPはすぐに全回復する、強力なバフとデバフ、トリッキーな重力操作や転移にパリングバリア、それらを乱用しても尽きない無尽蔵の魔力に覚えて間もない聖剣術を上手く使っている。
得意レンジは近接だが転移で瞬時に距離を詰めて後ろや横に現れ斬るとんでもない奇襲能力。
状態異常や状態変化を防ぎ、格上相手であってもそれを覆したり同等に持ち込んだりするバフとデバフ。
怪我を負っても気絶しなければ即座に全回復。
アイテムによる範囲攻撃や罠等の汎用性能。
これらを酷使して戦う戦闘方法はもはや鬼に金棒と言っても過言ではない。
今まで逃げという戦闘しか出来ず引き分けが勝利だったのが一転し勝てるようになった。
そして今朝は誰かが腕や足の損失や心臓を貫く等の致命傷追ったらゼラが勝ち、ゼラが魔力枯渇で気絶や攻撃で気絶したら負けと言うルールでゼラ対多数で勝負していた。
「ふぃ。やっぱ剣術を使えると余裕だな。改めて支援師に武器を持たせちゃいけないのが分かるわ。」
「いやいやいやいや!!。お主の戦闘能力が異常だぞ!!。剣術を付与しているとは言え後ろに目でもあるの!?。」
ゼラの剣の扱い方は独特な物。
後ろの攻撃を知っているかのように躱したり、弾いたりする為これと言った形が無い。
これはサブキャラでやっていた戦闘方法でもある。
縛りプレイで剣一本で様々なレイドボスを撃破したり対人をして遊んでいたのも影響している。
その結果形を持たないのが正解っと自分の中で完成してしまい対人では非常に戦い辛いと言われ、レイドでは臨機応変に動く。
ただこの形無しは非常にリスクがある。
色々な事に対応は出来るが出来ることが多いが為に判断が遅れたり的確な行動が出来ない場合が多い。
読みにくいがその分考えて使わないと不利になるのが形無し。
普通は構えを整えて素振りをして綺麗な太刀筋を身に付けていく。
これは綺麗で強い。
だが形は何かしらの弱点も存在している。
突きに弱かったり、抜刀に弱かったり、槍に弱かったりと様々な弱点が存在する。
それに長年の癖が付いて臨機応変に対応が出来ない事態も起こる場合もある。
どっちも短所も長所もある為一丸にこれと言えないのが剣術である。
そして決着が着いた。
リニが左足を斬られ無くなった為。
「しっかしシス達合わせて10人相手でも余裕で相手できるのは今後自信持てるわ。」
相手にしたのはこの世界で最強クラスの剣士と魔術師と遠距離職を複数相手にし本気でやったらどうなるのかの検証も兼ねていた。
転移で翻弄され、リニの狙撃はパリングで完全に無力化、デバフも一切通らない、能力値はバフ込でゼラが劣っているが火力魔術師が居ない事に気がついた。
「よし。ルシファー。お前入れ。」
「え?。いいのか?。」
驚くルシファー。
「ああ。お前は魔術メインで戦ってくれ。何使ってもいいぞ。」
「わかったが・・・。本気で殺るぞ?。」
「そのほうが助かる。」
「あれに更に魔術師を追加するのか・・・。」
ティルフィングの声はゼラのみに聞こえている為に持っている剣が元は魔剣とは誰も思っていない。
やり取りは小声でティルフィングにしか聞こえていない程度のボリュームなので独り言を言っている感じに見える。
「あ?。不満か?。」
「いや。正直主の容量が見えない。限界が見えないんだ。」
「限界は突破する物。あれもこれも出来る内はただ走り続ける。それが俺だ。」
そしてまた模擬戦が始まった。
ナルベアが先程の戦いである程度のゼラの戦闘方法を見抜いていたので全員の連携が極端に良くなったのとルシファーの魔術攻撃も追加されたのでゼラは苦戦を強いられる。
シスとラズのコンビネーションを凌いだと思ったらルビニアとメディアとビーニュ、リニのHGによるアクロバットショットでパリング対策の攻撃にヴルリアの闇魔術の妨害攻撃。
ナルベアが状況を判断し転移で奇襲されても慌てないで凌いでルシファーが奇襲に対応しつつ的確に高威力の魔術を放ってくる。
それに加えて魔術の無力化、傷の回復を魔力残量に気を付けてピーニュと交互に使用している。
一手一手確実に詰めていく戦いを心がけているが、
「・・・。次は読めません・・・。」
「だな。既に動きが捉えるのがやっとだ。」
ルシファーは隙あれば闇魔術で破壊をしていた。
その魔術の影響でクレーターが出来たがゼラは地形までも利用をして戦闘をしている。
策は上手く機能している。
一人で攻撃や防御をしない様にしてもらっているのがかなり効果的だった。
だけど追い詰められない。
急所は外され回復し、策で翻弄してもそれを対処する状況判断と反応速度。
そして絶対に不利になる行動をしない。
「正直勝てる気が全くしません・・・。」
「一体何が見えているのか分からん。どんぴしゃでジャンプで回避されそれの追撃したシス達も躱しては隙を見つけては反撃。もう手が見当たらぬ。自爆特攻ぐらいか?。」
「物騒ですね・・・。ですがそれは愚策ですよ。自爆特攻はゼラ様には効果がありません。」
「分かっている。したところで転移で逃げられるのがオチだ。さて。どうしたものか・・・。」
「追い詰めてはいるみたいです。ですけど後2~3手足りてないんです。」
その先では囲んで様々な攻撃を仕掛けていた。
剣、銃、矢、魔術の猛攻を笑いながら避けて隙あらば攻撃していた。
シスと競り合いて横からメディアの魔力のボルトとルビニアの矢とリニの弾丸が飛んでくるが競り合いながら最小の動きで避ける。
「うそ・・・。」
「流石に何でかわからない・・・。」
「本当に・・・。お父様は!!。」
競り合っている所に突っ込み横から斬る。
ゼラはシスから離れメディアと斬り合いが始まる。
「流石に早いな。」
「お父様のおかげですよ!!。」
火花が飛び散る程激しい斬り合い。
その後ろからラズが斬るが、
「甘いぞラズ。」
そう言ってメディアの縦斬りとラズの払い斬りを衝突させ安置を作りそこに避ける。
「ラズ様。」
「分かってます!!。」
「ん?。」
そのままの勢いのまま二人からの攻撃が始まる。
上下左右あらゆる方向から斬る。
息が合っていて互いに当たる事は無かった。
「おいおい。この短時間で合わせられんのか。」
関心しつつも二人の攻撃を躱し、避け隙を伺う。
「何で・・・。」
「貰った!!。」
「これなら!!。」
「貰ったよ!!。」
ラズの攻撃をティルフィングで防いだ瞬間に足にボルトを放つ。
それに合わせてアウラとスィーナもそれぞれの属性のイレイザーが放たれる。
「それは当たらない。」
とっさに自分の体を回しボルトを避けその勢いで回りつつ体をひねり魔術を直撃を回避しそのまま斬り払う。
二人は威力を殺す為にバックステップをする。
「次は私。」
「私もいますよ!!。」
そう言ってシスが突っ込んでリニが銃で援護する。
斬り合いが始まりゼラに向けて正確に避けにくい所に弾丸を撃つリニ。
普通なら一瞬で勝負が決まるがゼラはそれでも回避し続け隙があればシスに攻撃する。
そして聖剣術のレベルが5になろうとしていた。
「ダークハンド。」
「無駄!!。」
直ぐにヴルリアの魔術を無力化して、
「本命はこっちだ!!。」
そう言ってゼラの足元に沼が出来て足が入ってしまったが、
「いや。無駄無駄。転移あるから全然余裕だぞ。」
ニコニコ笑いながらヴルリアの隣に現れ斬る。
「んな!?。」
しかしパリングバリアが発動し弾かれ体勢が崩れる。
「止め!!。」
物凄い速度でシスがゼラを思っきり突っ込み付み突く。
しかしゼラは笑い。
「上がった。」
そう言って構えが一瞬で変わる。
「え・・・。」
シスが驚きのあまり硬直してしまった。
「陽炎。」
シスの突きはそのままゼラを通り過ぎた後に右腕が切り落とされた。
「それ・・・。聖剣術の・・・。」
「そう。レベル5で覚える陽炎。今のは腕を斬った。」
「・・・。私の負け。」
そう言って左手を上げて降参した。
「すまん。今治すぞ。」
そう言って直ぐに治す。
「まさかシス様がやられるとは思いませんでした・・・。」
驚きながら全員が集まってきた。
シスは斬られた腕を確認してからゼラに抱きつく。
「凄いマスター。初日で聖剣術をここまで上げ切った。」
嬉しいのかテンションが高いシス。
それを笑いながら受け止める。
「まぁシス達のおかげだよ。強いから俺が強くなった。」
「ふむ。だがゼラのその剣はお主専用で特別な能力がついているのか?。今までは武器を持つことなく戦闘していたのに今日は剣術の高レベルでしか使えない剣技のギルティブレイクやコスモスレイヤーを使っていたが・・・。更には聖剣術も取得しているようだが・・・。」
ルシファーが疑問に思っている事を口に出した。
「ああ。これのおかげ。ティルのおかげだぞ。まぁこれ元は魔剣だったティルフィングを錬金術で新しい武器にしたらこんな馬鹿げた強さの剣がね。出来ちゃったのよ。」
そう言って皆に剣を見せる。
魔剣に見えず聖剣に見え白く輝く剣。
「ゼラ様・・・。嘘は良くないですよ・・・。」
ミカエルは嘘だと思っている。
「ん?。俺は嘘つかないぞ。まぁ元は血でドス黒く汚れてた上に精神支配と魅了を持ってたからそう思うかもしれないが。」
「・・・。それ・・・。本当にティルフィングの情報なのですが・・・。」
「だから言っただろ。これ元はティルフィング。今は俺専用の剣、聖魔剣ティルフィングだけど。」
「相変わらず常識が通じないな・・・。でも面白い!!。」
そう言ってルシファーが手に取って握ると、
「あふん!!。」
パーンと剣が砕け散った。
「・・・え?。」
その場に居た全員が固まりルシファーを見る。
「わ・・・我は悪くない!!。ただ握っただけだ!!。」
焦り言い訳をする。
「あははははは!!。」
ゼラが笑い出す。
「ぜ・・・ゼラ・・・。その・・・。すまぬ・・・。いや・・・。ごめんなさい・・・。」
ルシファーは直ぐに謝った。
「大丈夫大丈夫。」
そう言って暫くするとゼラの背中にティルフィングが修復される。
「もう・・・。これ凄い痛いんだよ・・・。あまりされたくない・・・。」
とティルフィングがゼラにだけ聞こえる文句を言う。
「修復・・・。本当にティルフィングだな・・・。」
「だから言ったじゃん。」
「あれ?。もう終わっちゃった?。」
そう言ってリエが中に入ってきた。
「おう。今第2ラウンド終わったとこだ。じゃリエも来たしリエも加えて複数戦やるぞ。」
全員がまだやるのっと驚愕していたが無視して剣を構えるゼラであった。




