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最強の中の最強


翌日。


朝にて城の訓練場。

闘技場の作りになっており全員観客席で観戦している。

観客席と訓練所の間には隔離の結界が張られているので攻撃は全て通らない作りになっている。

アズやサーリャも見に来て大臣達や貴族達も集まっている。


ゼラとヴェインの模擬戦が始まろうとしていた。

準備を終え二人は向かい合う。


「へー。それが本気装備か。」


白の鎧に大剣よりかは小さいが剣の中では大きい白く輝く剣と白銀に輝く盾を着けている。


名前:ヴェイン・ロード・ヴァレリン

種族:人間

職業:ホーリーパラディン

レベル:99

筋力:10000

俊敏:10000

耐久:10000

魔力:10000

幸運:10000


装備:セクエンス・ヴェインの盾・ホワイトフルプレート


スキル:剣術10・盾術10・聖魔術10・不屈の闘志10・見切り10・天使の加護・勇者の卵

装備スキル:弱体無効(鎧)・物理耐性(盾)


天使の加護

成長速度が早くなる。

成長時ボーナスを得る。

自然治癒能力が付与され秒間0.5%回復する。


勇者の卵

勇者の素質を神に認められた者に与えられる。

全ての能力が1000増える。

自然治癒能力が付与され秒間に1%回復する。

特定条件を満たすと勇者になれる。



(おっほ・・・。こいつ勇者候補なのか・・・。)


「この国の職人の最高傑作の剣と盾。鎧は白龍を討伐した後にその鱗で作られた特注品。私は皆に助けられて今ここにいるんです。だから貴方には負けたくないとは思いますが・・・。」


「別に命を懸ける戦いをする訳じゃないからな~。勝ち負けとかどうでもいいわ。さぁやろうか。」


「分かりました。・・・行きます!!。」


深呼吸を終え一気に距離を詰め切る。

ゼラは未だに微動だにしない。


「はぁっ!!。」


ヴェインは当たる事を確信したが、


「はい残念。」


「な!?。」


ピンポイントバリアで防がれ隙が生まれ、


「オールアップ。リミットパワー。じゃ次はこっちの番ね。」


そう言って一発右ストレートをする。

盾でガードするが、


「っ!?。」


威力が高く吹き飛ばされてしまう。


「流石に硬いなぁ~。」


(ただの殴りのはずなのに桁違いの威力だ・・・。)


「さてさて。次はどうする?。」


そう言ってゼラの左手は燃え上がり、右手は氷が纏う。


「リミットスピード。グラビティ。」


重力をヴェインの方へ向けリミットスピードの効果で速度が更に2倍にした。

加速が凄まじく速度が一気に音速を超えヴェインの目でも捉えられない。


「がは・・・。」


鎧が軋む。

そして殴った左手から爆炎がヴェインに襲う。

勢いそのままに壁に激突する。

そしてそのまま右手で地面を殴ると辺り一面が氷漬けになった。


「ごほ・・・。ごほ・・・。」


なんとか生きているヴェインの目の前には氷漬けになった訓練場。

ヴェインの足も凍って動けなくなる。


「これは・・・。」


「よそ見は厳禁だぞ。」


「っ!!。」


突撃し殴ってきたのをとっさに剣で拳を受け止める。

その衝撃で凍っていた足も離れ動けるようになる。


「凄まじいですね・・・。攻撃魔術は使えないのでは・・・?。」


「攻撃魔術は使ってないぞ。これは付与魔術だ。」


そして蹴りをヴェインに入れ吹き飛ばし距離を取る。


「・・・ではこれでどうですか!!。」


剣が魔力で白く輝く。


「ホーリーオーバーブレイカー!!。」


圧縮された光の魔力光線が放たれる。


「おう。面白そうだな。」


そう言ってガードの構えに入り、


「リミットガード。マジックバリア。不動の守り。」


マジックバリア

魔力に関係のあるスキルの威力を半減シールド一枚を目標に付与する。

攻撃系の魔力に関係あるスキルやエンチャント等の追加魔力ダメージでダメージを受けると割れるがそれ以外では割れない。

シールドがある場合回復魔術や強化魔術に弱体魔術の上昇や減少も半減する。


不動の守り。

防御スキルで盾職なら誰もが習得可能。

一定時間動けなくなるが最終ダメージを半減する。


土煙が晴れる。

直撃しても致命傷ではないので回復魔術で治す。

ヴェインは驚き固まる。


「ふむ・・・。今ので6割か・・・。防御してなかったら終わってたな。」


「な・・・。あれを耐えるのですか・・・。」


「凄いな。この俺をここまでダメージを与えたのは君が初めてだ。」


「・・・。」


「ではこれは感謝の気持ちだ。受け取れ。」


そう言って一つの何かが入った袋のアイテムを投げる。

それをヴェインは斬って、


「何をしようとしてるかは分かりませんが受け取れません。」


そう言った。

しかしゼラは笑い。


「それはもう受け取った証拠だ。」


次の瞬間辺りから魔力が吸い取られて無くなっていく。


「うぐぅ・・・。これは・・・。」


「ダークマター。普通は錬金術の失敗作みたいなもんだ。この暗黒物質によって魔力が奪われて無くなる。」


ダークマター

錬金術で失敗した物を凝縮して作った物。

暗黒物質を撒き散らす極めて危険なアイテム


暗黒物質

魔力を喰らい無に返す魔力物体。

闇属性ではなく暗黒属性という扱い。




「見た感じはゼラ殿も巻き込まれているようですね・・・。」


訓練所を覆うように黒い物体が埃のように散乱している。


「ああ。でも俺は問題ないぞ。魔力はまだまだ自然回復が上回ってるからな。」


「そうですか!!。」


剣をなぎ払い剣圧で魔力を放って全てを吹き飛ばし暗黒物質を破壊してみせる。


「ほー。やるねぇ。」


「かなりの量の魔力を持って行かれましたけどね。」」


「コントロールも一流だな。流石1位。だが次のこれはどうする?。」


そう言って取り出したのは二頭身の腰ぐらいの小さい可愛らしい人形を大量に出す。


「・・・。何を?。」


警戒し構える。


「まぁこんな感じ。」


人形が一斉に突撃を開始する。


「このような物で!?。」


人形複数体を横に真っ二つにするとその人形が爆発する。

爆発の衝撃と熱がヴェインに襲う。


「っぐ・・・。」


「さぁ。まだまだあるぞ。」


更に追加で出す。


「ならば!!。」


人形を足場にしゼラに突撃する。


「うん。良い動きをしてるが無駄だぞ。」


ゼラの目の前に人形が現れヴェインがそのまま避けれず突撃し爆発する。


「この人形は俺の好きな場所に移動させる事も可能だ。しっかし自然治癒ある分ガンガオ以上に厄介だな。」


顎に手を当て考える。


「ええ。これぐらいでしたら問題ありませんよ。」


「仕方ないか。」


人形を全て回収し次の手を考える。


近接戦闘でも相手の勢いやエンチャント等を上手く合わさっても7割に届くか。

人形の爆発はヴェインには半分も削れない威力で自然治癒で全回復されてしまう。

向こうの1vs1の決闘では回復の上限があったので回復で時間稼ぎをしてもそこまで泥試合になる事は無かった。

しかし今は回復に制限が無い為自動回復で完治してしまう。


「だけど思うんだ。僕ではゼラ殿に勝てる気がしない。」


「まぁこっちはまだ本気は出してないからね。次の攻撃に耐えれてまだやるなら本気を出すかな。」


そう言って取り出したのは変わった形をした小さな爆弾。


「転移。」


「!?。」


転移で無理矢理避けれないようにヴェインと爆弾を宙に移動させ起爆。

次元が歪み灼熱の柱が立ち上がる。

当然ゼラも巻き込まれる。


「ふー。熱い熱い。」


「かは・・・。」


ほぼ無傷で出てくるゼラとボロボロになって血を吐き、剣を支えにして立っているヴェイン。


「これ効くだろ?。エターナルエンドボム。中心部のダメージはえぐいからなぁ~。」


エターナルエンドボム

全てを永久に終わらせる熱と光の爆発を広範囲に発生させる爆弾。

装備の防御力を無視し火属性と光属性の混合割合ダメージを10~99%のダメージを与えて回復阻害と最大HPを半減させる汚染の状態異常を与える。

威力は中心部に程上がる。

ボス相手には特大ダメージを与え継続ダメージを付与する。

向こうのPvPでは使用不可能。


「回復が・・・。」


「ああ。しないぞ。どうだ?。この威力。この迫力。そして追加能力で全ての回復を0にする回復阻害と最大HPを半減させる爆弾の最終形態がこのエターナルエンドボムだ。」


「負けです・・・。」


「強かったよ。これを使わないと勝てないぐらいに。」


「ふふ・・・。空中に爆弾と一緒に転移させ逃げられないようにする・・・。もはやどうしようも無かったです・・・。」


「そうか。じゃ今治すぞ。」


そう言って状態異常を治して全ての傷を癒す。


観客席から見ていた者達は全員唖然としている。

国一番のSランクが負けた。

それも成り立てのSランクにだ。


「うむ・・・。これほどの強さを持っていたのは予想外だったな・・・。」


「ええ・・・。付与魔術、強化魔術共に今のSランクより上の効果と継続時間。そしてあの致命傷を一瞬で治す回復魔術。アイテムでの戦闘は対単体から対多数も可能で隙が無くその効果も凄い。そのアイテム以上に恐ろしいのがゼラの無尽蔵の魔力量。あれだけの効果の付与、強化魔術をこの戦闘中ずっと維持してヴェインが魔力がかなり持って行かれたダークマターの暗黒物質の中でも尽きない。いくら攻撃魔術を使用出来ないとは言えこの戦闘力は歴代最大ですね。」


「当たり前。マスターはこれでもまだ本気じゃない。」


「そうですよ。まだここから三段階上がありますからね。」


大臣や貴族達がシス達の言葉に反応しそっちを向く。


「まだあれより上があるのか・・・。」


アズは驚きを隠せない。


「嘘だろ・・・。あれでまだ本気じゃないのかよ・・・。」


ガンガオもまだ上がある事に驚きを隠せない。


「流石ですね。私達ももっと精進しないといけませんよ。」


「だね。」


「メディア・・・。」


「大丈夫です。今の戦闘情報は保存しました。」


「ん・・・。」


ナルベア達は今後の為に色々と考えている。


「ふむ・・・。これはちゃんとした対応をしないと大変な事になる・・・。よいか?。今後一切ゼラ殿を刺激する様な事は禁ずる。よいな?。」


全員が頷く事しか出来なかった。

ヴェインを負かす術士。

歴代初の術士で1位に。


「じゃ次私もヴェインと戦ってくる。」


そう言ってゼラの方へ飛ぶ。

結界を突き破って。


「「「「「「はぁ!?。」」」」」


「おい・・・。ちゃんと出入り口から入りなよ?。」


「ごめんなさい。でも我慢出来なかった。」


「え?。え?。」


「悪いなヴェイン。シスと戦ってくれるか?。俺は客席から見るついでに結界も修復しとくし。」


「あ・・・。ああ。分かった。」


そう言って客席へと行き外側にある結界の本体をいとも容易く再構築し復活させアウラ達の元へ行く。


「よっこいせっと。」


そしてシスが座っていた場所に座る。


「ご苦労様です。」


ナルベアが飲み物を差し出してくれる。


「ありがとう。」


コップの中は水が入っておりそれを一気に飲み干す。


「んはぁ・・・。さてシスはどう戦うかな?。」


笑顔で戦いが始まるのを見守るゼラ。


「ゼラ殿はシス殿が勝つのは揺るぎないと?。」


アズは気になったので聞いてみる。


「ああ。俺が一番信頼し一番強いと思っているのがシスだからな。ちなみにヴェインを単純に火力構成にしたのがシスだぞ。」


「ほう。なる程。」


「どうぞ。」


ナルベアがテーブルを出して紅茶とお茶菓子のスコーンを出してくれる。


「ありがとう。」


「あの・・・。ゼラ殿?。」


「あ。ミーシャ様も食べます?。美味しいですよ?。」


「有難うございます。」


ゼラはナルベアに頼み紅茶も一緒にミーシャに渡す。


「ん~♪。これは凄く美味しいですね。どこのスコーンでしょうか?。」


「お口に合ってよかったです。」


「ナルベアさんの手つくりですか?。」


「はい。ゼラ様の好みに合わせて作っていますのでどうかと思いましたが。」


「ふふ。貴方は良いメイドね。どう?。ここで働かないかしら?。」


「すいませんがお断りさせてもらいます。私の主はゼラ様ただ一人だけです。ゼラ様以外に尽くすのは今後一切有り得ません。」


「まぁそうですよね。あ。始まりまし!?。」


シスの振りや移動が見えず全員が呆然とする。



「いく。すぐに倒れたら駄目。」


「ええ。いつでもどうぞ。私も貴方の実力は知っておきたい。」


名前:シス

種族:ヴァルキリー

レベル:130

筋力:13000

俊敏:13000

耐久:13000

魔力;13000

幸運:13000


装備:陽月の大剣・白銀龍一式


スキル:聖剣術10・体術10・聖魔術10・不屈の闘志10・第六感10・魔力遮断10・魔力干渉10・料理10・裁縫6・掃除5・ドラゴンスレイヤー3・未来視1・上限開放3


第六感

見切りの上位スキル。

あらゆる攻撃や危険な事を事前に察知出来るようになりその驚異度が分かる。

レベルが上がればより明確にどのように危険かが分かるようになり対処方も瞬時に理解し行動する。

見切りを10まで上げ才があれば習得可能。


魔力干渉

自分より魔力が低い相手のあらゆる魔術に干渉し主導権を奪ったり破壊したりできる能力。

1で2倍、10で相手と同等の発動魔力で干渉可能。


未来視

未来を見る事が出来る。

レベルが上がれば最大1日先の出来事を見ることが出来る。

レベル1だと戦闘時に1手先が見える程度。

習得は才でのみ習得可能。


料理

どれだけ料理が上手いか。

3で一般的で5で料理屋以上のレベルが作れる。

10は誰が食べても美味しいと言われるぐらい美味しい料理が作れる。


裁縫

どれだけ裁縫が上手いか。

3で一般的で5以上で一般以上のレベル。

10は何でも縫えるようになり最高品質の縫い物が作れるようになる。


掃除

どれだけ掃除が上手いか。

3で一般的で5以上で一般以上のレベル。

10はあらゆる汚れを落とせるようになる。




「行くよ?。私は手加減が苦手だから頑張って。」


そう言った次の瞬間にはヴェインの目の前で剣を振るう。


「っく・・・。」


なんとかギリギリ反応し盾で防いだ瞬間後ろから衝撃、そのまま壁へと吹き飛ばされる。


「はぁ・・・。みえ・・・。「遅い。これでは全然話にならない。」ぐあ・・・。」


また後ろからの衝撃で吹き飛ばされ中央に飛ばされる。

さっきヴェインが吹き飛ばされた場所から土煙を吹き飛ばしてゆっくりとヴェインに近寄っていく。


「はぁはぁ・・・。」


「これに反応出来ないのは私に戦う資格がない。」


「無茶言わないでもらえますか・・・。」


なんとか立ち上がり構える。


「マスターだったら普通に避けるよ?。魔術無しでも普通に。」


「ゼラ殿は特別ですよ・・・。正直貴方がこれほどの実力者だとは思いませんでしたよ・・・。ゼラ殿以上の強さ・・・。純粋に剣士としての才が凄まじいです。剣筋も鋭く綺麗で体術も極めているようですね・・・。」


「マスターには読みやすいって言われてる。体術はマスターに1発当てる為に努力した結果。それでも当たらない。」


「・・・。あの方は貴方ですらいなすのですね・・・。」


「うん。」


「そうですか・・・。あの方の適正はどうやら術士では無さそうだ・・・。」


そう言って剣に魔力を溜める。


「大技は大技で返すの礼儀。だから私も貴方に最大の一撃を放ってあげる。普通ならやらせる前に止めるのが正解だけど。」


「ふふ。面白い方だ。・・・。」


シスは大剣を両手で持ち構え魔力を大剣に溜める。


「凄まじいです・・・。逃げたいぐらいです・・・。」


魔力の量が桁違いで明らかシスの方が強いのを察した。


「覚悟はいい?。大丈夫貴方なら耐えれるはず。」


「は・・・ははは・・・。」


ホーリーノニュプルブレードがヴェインを襲う。

剣、盾、鎧が全て木っ端微塵になって吹き飛びヴェインの残りHPが1%未満で耐えた。


「あ・・・。ああ・・・。これが完全敗北ってものか・・・。」


傷は癒えてくる。

だが全ての装備が完全に破壊され実力差を思い知らされたヴェイン。

彼の中で何かが吹き飛びただただ笑うだけだった。


「おい。シス。やりすぎだって。」


ヴェインの体の傷は全て癒える。

出入り口からゼラが入ってくる。


「手加減したつもり・・・。ごめんなさい。」


「まぁいいけどさ・・・。どうすんのこの子・・・。」


「まさかヴェインで全く相手にならないとは・・・。」


アズとガンガオが医療班を連れて来てヴェインを医務室へと連れて行く。


「すまんな。あいつの心をズタズタにしてしまったみたいだ。」


「仕方あるまい。今までヴェイン以上のSランクが現れてなかったんだ。これも時代の変わり目と言えるだろう。」


「とりあえず今度装備一式を作って返すって言っておいてくれ。俺に出来るのはそれぐらいだ。何か本人からの注文、例えば色やこんな形がいいとかがあるならガンガオに手紙を出してくれ。費用はこちらで負担するが1週間以内に注文が無い場合は俺の好みで制作するからよろしく。」


「分かったそのように伝えておこう。」


「じゃ帰るわ。ガンガオはどうする?。」


「俺はもう少しやる事がある。先に帰るがいいぞ。」


「分かった。じゃお先。」


ナルベアを見つめてそのまま外へと出て行く。

ナルベアも全員に出ることを伝え外へと向かう。

闘技場には大臣と貴族も帰宅し、兵士達も持ち場へと戻った。

そしてアズとガンガオだけになった。


「恐ろしい・・・。一番の恐怖を覚えたな・・・。」


「だから言っただろ。ゼラにだけは絶対敵対するなと。」


「ああ。この身で味わった。あれはもはや人の土俵で戦っておらぬ。」


「神に近いだろうな。だがそれでも成長はしているんだ。特に彼奴の努力は底無し。鍛えられる事は全てやる。無くなればまた探し実行する。それを繰り返しているんだ。ついこの間なんかシス、アウラ、スィーナとリエが従えているラズ、ピーニュ、ヴルリアの三人を加えてゼラは30分凌ぎ切ったぐらいのばけもんだ。俺程度が100人200人で束になって戦ってもまず勝てないだろうな。」


「そうか。ならば出来る事は邪魔をせずにゼラ殿に好きなようにさせるのが理想か・・・。」


「そうだ。ゼラは邪魔さえしなければこちらに利益のみを与えてくる。怖いから邪険にして突き放す程度ならゼラは縁を切って何もしない。だが敵対行動をすれば1時間もかからずこの国は滅ぶ。これはゼラの考えだ。」


「心得ておこう。」


「そしてシス達はゼラを第一に考えて行動している。敵、邪魔者、侮辱する者には一切の容赦を持たず殺すだろうな。ゼラを馬鹿にすれば本人は何も思ってなくてもシス達が怒り襲って来るからな。だから隠れて悪口は止めとけよ。ちなみにアリシアもそっちの思考を持ってるからな。」


「本当なのか?。」


「ああ。本気だ。一回二人で今後について話したがエルフ一同はゼラの行動によって決めると宣言した。基本的には中立。だがゼラが敵と決めた目標は敵として戦うと言っていた。降伏もゼラが認めないとしないと言った。」


「帝国の方は?。」


「帝国はゼラの行動次第では支援と言う形でゼラに協力をするらしい。侵略をしなければ手を出さないとまで言っている。」


「・・・。戦争が始まりそうだったからな。良い情報を聞けた。」


「やっぱり聖国は攻めて来るか・・・。」


「ゼラを引き渡すように言ってきた。期限は1ヶ月あるが。」


「まぁ出来ないわな。」


「実力で歴然の差があるのにどうやって引き渡す・・・。自滅行為でしかないな。」


「ならゼラにも一応伝えておく。まぁもう知ってるかも知れないけどな。さてさっさと仕事を済ませて俺も帰るわ。」


「ああ。ご苦労。」


そう言ってガンガオも外へと出て行く。


「ふぅ・・・。なんとかなりそうだ、今後は良好な関係を築けていけばいいんだがな。」


空を見上げそう呟いた。


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