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Sランク


それから三日後。

途中魔物が現れたり、盗賊が現れたり、村の困り事などがあった。

討伐に手こずっている王国兵にゼラがバフを施して指示するだけであっという間に討伐させてしまった為に兵達の評価がただ実力があるからではなく自分達を強くして的確な指示する指揮官としての才を目の当たりにした上に食事も振舞った結果、理想な上司という位置づけになってしまった。


「ゼラ様!!。そろそろ出発のお時間となりました!!。」


木の物陰で昼寝をしていたゼラに敬礼し報告する兵士。


「んあ?。ああ。もうそんな時間か。シス達はどうしてる?。」


「っは!!。現在全員で片付け最中です!!。」


「ありがとう。じゃ俺は馬車に先に乗ってるからって伝えておいてくれ。」


「っは!!。」


立ち上がり兵士に見送られながら馬車に乗り込む。

その後はすぐに掃除を終えたシス達も乗り込み出発する。

そして王都へ到着し王城へと進む。


街中は商売が物凄い盛んで馬車が多く、露店もイシュタルよりも多くて商店も多い。

変わった店もあって、鍛冶屋に並んでいる品も上。

イシュタルより上の大都会と言っていい。

ただしイシュタルと違い治安が悪い。


そして王城前に馬車は止まり馬車から降りる。


「やっとか・・・。はぁ・・・。」


「あっちこっちから注目浴びてる。」


「まぁそんなもんでしょ。さて案内役はまだかな~。」


辺りに居る兵士達はエルフだとかあんな小さな子が覇王?っと様々な反応をしている。


「ご苦労様です。」


「ん?。君が案内役かな?。ヴェイン・ロード・ヴァレリン。」


「・・・。」


近付いてきたヴェインが固まる。

いつもの白い鎧の格好ではなく一般兵の格好で自己紹介もしていない相手に実名や家の名前まで全て知られている。


「ダメだぞ。神眼持ちなんだから自分以下だと何したってバレる。」


「やはり本物なんですね。覇王ゼラ殿。」


「っはっは。驚け驚け。さて案内は?。」


「こちらです。」


そう言って先頭を歩きその後ろに全員ついて行く。


「こちらが部屋となります。」


案内された場所はありえないぐらい大きい寝室の部屋だった。

ベットはダブルの大きさが10個。

テーブルも大型で椅子も20個ある。

クローゼットも数がある為収納にも困らない。

赤と白の清潔感があり、シャンデリアもマッチして美しい。


「なんだこの部屋・・・。」


「こちらは団体様がお泊りになる部屋です。20人を想定してあります。」


「ほ~。凄いな。けどこれだけで城の大半使ってるよな・・・。」


「仕方ありません。一部のSランクの方々はお嫁さんを10人20人とか娶っているのでこのぐらいの大きさが必要なんですよ・・・。」


「は~。派手な生活してるなぁ~。まぁありがたく使わしてもらうよ。」


「ではまた後ほど。王の前で。」


そう言って出て行く。


「さて荷物置いて横になろう・・・。」


「私も。」


「シス様ばかりずるいですよ!!。たまには私にも変わってください!!。」


「そうだよ!!。僕も主様と添い寝したい!!。」


「それなら私もしたいですね。」


「私も・・・。」


「分かったけど。何で決める?。」


「トランプで決めましょうか?。」


「ポーカーで勝負。ルールは1対1の1戦、トレードは1回の真剣勝負。最後まで勝ち残った一人がここに泊まる間はマスター添い寝できる。」


「私も乗ったよ!!。」


そうしてちょっとしたポーカー大会が始まった。


「くぅん・・・。」


「気にするな・・・。そのうち終わるさ・・・。」


ベットの上に程よい大きさのシルヴィアが居てもたれかかっているゼラ。

その光景を微笑みながら眺めるのであった。

最終的に勝ち残ったのはルビニアだった。


「今日は私の勝ち・・・。むふー・・・。」


表情はあまり変わらないが嬉しそうである。

ちなみに最後の対戦はルビニア対ナルベアだった。


「まさかここで負けるとは思いませんでした・・・。今日はいけると思ったんですが・・・。」


ナルベアの手はKが3枚とQが2枚のフルハウス。

一方ルビニアの手はAが4枚とKが1枚のフォーカード。


「ゼラ様の添い寝は貰った・・・。」


そう言って寝巻きの外出用のパジャマに着替えて寝ているゼラを起こさないように添い寝する。


「まさかフォーカードが揃うなんて・・・。勝つにはストレートフラッシュ以上ってどんだけ運が良いんですか・・・。」


「仕方ない。私なんか最初で引き直してもハイカードだったから。」


「そうですね。やっぱり時の運です。配った人もシス様とアウラ様ですしイカサマは無いでしょうし。」


「うん。イカサマはダメ。」


「お茶を入れましょうか。」


「私も手伝います。」


「お願いしますね。」


「私は銃の手入れかな。」


「シルヴィア取られてるから僕は体動かしてくるね。」


そうして各自好きなことをやり始める。


到着から約1時間。


「失礼す・・・る・・・。」


白い鎧を着てきたヴェインがまた固まる。

目の前にはシスとアウラがチェスをしていてその周りを取り囲む様にルビニアとリニ以外が観戦していて、ゼラはシルヴィアにもたれかかり寝てその空いている右側で包まれるように左腕で抱きしめられてルビニアも寝ている。

リニは銃を分解して掃除や点検をしている。


「・・・駄目ですね。これはこっちが詰んでます。」


「私の勝ち。」


「私全く理解が出来ない・・・。」


「大丈夫だよ。僕も苦手だから。」


「なるほど・・・。一見シス様の方が負けてるように見えてもアウラ様には詰みがあるんですね。兵の実力は一緒で指揮のやり方で優劣が付く。勉強になりますね。」


ヴェインにはこの光景が軍議そのものに見え戦いにでも行くかのような雰囲気が漂っている様に感じた。

この中の主であるゼラは鋭気を養っていて他の者達が考え意見を出し合っていてリニはヴェインには良く分からない武器の整備をしている。

そして迎えに出した部下達からも評価や性格等を聞いてとんでもない大物だと結論に至った。

指揮官の才がずば抜けて高く被害を限りなく無くし相手に致命傷を与える。

個の能力はそこまで高くないと部下が言っていたがそれも怪しいと自分は思っている。

それに彼に従う静謐姫に舞姫と人魚姫は実際に対面すると自分より実力が高い事を感じ取れた。

そしてエルフ達も私より劣るとは言えSランクの才能があると認められた人材。

ゼラの人材発掘能力も高いのも凄いと思っている。


一体どこでこのような人材を見つけたのか気になっていた。


「あ。すいません。少し夢中になっていました。」


ナルベアがヴェインに気がついた。


「い・・・いえ。それよりこれから戦でも始めるのでしょうか?。」


「戦?。いえ。そのような予定はありませんが・・・。・・・敵になると言うのであればあるのでしょうか?。」


ニコニコと微笑むナルベア。

ヴェインは息を飲んだ。

敵対行動をすれば容赦無く戦うと宣告されたからである。


「忠告だけしておきます。自分達が上だと思わない事です。」


「・・・。有難うございます。」


笑ってはいるが目が笑っておらず恐怖を感じる。


「それで何か御用でしょうか?。」


「あ・・・。すいません。王との面会の準備が整いました。」


「そうですか。では少しお待ち下さい。」


そう言ってゼラの方へ近付き、


「ゼラ様。会見のお時間です。」


寝ているゼラの耳へ近付けて優しい声で囁きかける。


「・・・。んあ・・・?。・・・あはよ・・・。」


寝ぼけてボーっと状況を確認する。

次第に意識が覚醒し、


「・・・。なんでルビニアがここに?。まぁいいけど。ほれ起きろ。」


ルビニアの頬を掴まれている反対の手でツンツンととすると、


「うみゅ・・・。おはよ・・・。ゼラ様・・・。」


機嫌良く起きる。

ただしヴェインには機嫌が悪そうに見えている。


「ほら腕離して準備して。」


「はい・・・。」


腕を離して着替えようとする。


「ブラインド。」


「な・・・なんだ!!。」


ルビニアが見られないようにヴェインを状態異常の盲目にする。

急に見えなくなって恐れるヴェイン。


「こらルビニア。ここには俺以外にも異性がいるだろ。」


「忘れてた・・・。ごめんなさい・・・。次気を付ける・・・。」


「すまんな。ってな訳だ。」


「そうか・・・。質問しても?。」


「大丈夫だぞ。あ。これに関しては治せるから大丈夫だぞ。ちなみにこれは状態異常の魔術。使えるのは毒、麻痺、睡眠、盲目、狂化、石化、沈黙で今の症状は盲目。」


「・・・。ちょっちょっと待ってくれ・・・。」


「なんだ?。」


「恐ろしい種類まで聞こえたが・・・。」


「え?。事実だぞ。ちなみに他には強化魔術と弱体魔術等も使えるぞ。」


「・・・。」


「さてルビニアも準備出来たし行こうかヴェイン。」


そう言って盲目を治して案内を頼む。


「・・・分かりました。」


もうヴェインは質問をするのをやめた。

ゼラは自分より遥かに格上で本気を出されるとまず勝てないと分かった。

強化魔術と弱体魔術は自分の身で味わっている。

使ってくる魔物は厄介で倒すのに苦労をした。

能力が高い程強化が凶悪になり手に負えなくなるのが強化魔術。

自分が相手より弱い場合には最善の手になる弱体魔術。

それが使える上に状態異常魔術を酷使されれば何も出来ずに本当に負ける。


「着きました。ではどうぞ。」


王座の間に入るとそこは無駄に豪華で玉座にはダンディーな王と若々しい女王が座っていた。

兵士達も見守っており襲撃してもすぐに守ったり、遊撃を出来る配置になっていた。

そして全員が入ると兵隊達が敬礼をする。


「ゼラ殿。わざわざ足を運んでいただき有難うございます。」


王は立ち上がり頭をすぐに下げ挨拶する。


「私は第18代国王のアズ・ラ・ヴィール・ローヴェンと申します。」


「その妻のサーリャ・ラ・ヴィール・ローヴェンと申します。」


女王も立って頭を下げて挨拶をする。


「もっと偉そうにするんかなって思ったがまぁいいや。とりあえずこっちも自己紹介をしておこうか。俺はゼラ。一応このパーティーの責任者だ。」


「シス。」


「アウラと申します。」


「スィーナです。この子はシルヴィア。」


「ワン!!。」


「ゼラ様のメイド長をしているナルベアと申します。」


「副メイド長をしているリニと言います。」


「ルビニア・・・。この子は私の相棒・・・。」


「メディアと申します。」


「私はリエと言います。よろしくお願いしますします。」


それぞれ挨拶を終える。


「それでは。」


そう言って手を叩くとガンガオが入ってきた。


「あれ?。なんでいんの?。」


「一応俺が渡す事になってるんだよ。特別製のギルドカードをな。んでどこに居たかは2日前にこっちに滞在していた。」


「そ。じゃ頂戴。」


「お前軽いなぁ・・・。」


「うむ。ガンガオよ。良い友人を持ったな。」


「普通はそう見えないでしょ・・・。」


そう言いながらアズの方へ向かう。

そして王に綺麗なシルクで包まれたギルドカードを渡す。


「うむ。ご苦労。」


「勿体無きお言葉。」


「ではゼラ殿。」


呼ばれたので近付き、


「昇格が遅れて申し訳ない。」


黒いカードを渡される。


「いや。気にしなくていい。まぁSになってもやる事は変わらんけどな。」


「面白いお方だ。そのおかげで民達が感謝しているのだ。災害、病、魔物等の被害が格段に減っている。あっちこっちで救世主や聖人だと言う者達まで現れている。」


「暇つぶしでそんな評価になってんのか・・・。でも最近は俺じゃなくナルベアやリニにルビニアがやってるしなぁ~。」


「仕えて居るゼラ殿の名を堂々と言いながら依頼をしていたそうだ。」


「ナルベア・・・。」


「事実を述べただけですよ。私達はゼラ様に鍛えられ強くなったのですから。」


ニコニコと嬉しそうに言うナルベア。


「まぁいいや。にしてもこれかなり黒いな・・・。」


「ああ。それは特別製でSランクの証のギルドカードの中でも更に特別の色の黒色だ。Sランクの中でも実力、評価が共に高い者に与えられるブラックカードだ。このカードでギルドの禁書を読む事と合成ダンジョンが使えるようになる。悪用は不可能で各それぞれに特殊な魔法陣が仕込まれている。ちなみに俺とヴェインもそのカードだ。」


ガンガオも懐から取り出し見せる。


「なるほどね。登録した所有者の魔力を保存する魔法陣、所有者以外の魔力が流れたら遮断して鍵として使えないようにする魔法陣、魔法陣を複製しようとすると壊れる仕組みか。」


「当たりです。本当に神眼持ちなんですね。」


ニコニコと笑いながら手をパチパチと叩くサーリャ。


「俺は嘘をつかないって・・・。とりあえずこれで合成ダンジョンの件も終わりな。王に会って許可をもらってからやるように頼むぞ。」


「わかった。」


「では。シス殿方にはこちらを。」


それぞれゼラとは違い赤色のカードがそれぞれに渡される。


「これがSランクの証である赤のギルドカード。ブラックカードと違い合成ダンジョンの使用権限はないが禁書は読める。」


「む~。マスターとお揃いがいい。」


「本来はそうしたいんだがこれ以上の権限拡大は正直避けたいから許してくれ。」


「分かった。だから今度ご飯。」


「・・・。軽くでお願いします・・・。」


「ではこれにて終える。各自配置へ戻るがよい。」


王がそういうと兵達が礼をした後それぞれが担当している持ち場へと戻る。

王座に残ったのはアズ


「・・・。はぁ・・・。疲れた・・・。」


アズは玉座にドスンと座りだれる。

そして性格が変わる。


「それが素?。」


「ああ。そうだ。構わないよな?。」


「そっちの方が気が楽だしそっちで頼める?。」


「分かった。ゼラ君と会う時はこっちで話そう。」


「じゃ俺もアズと呼ぶけど構わない?。」


「構わん構わん。正直今の世の中私を王やアズ王や力王、陛下とかしか呼ばん。」


「それは仕方ないだろ。」


「ガンガオよ・・・。私は疲れた・・・。だから酒を持って来い。」


「あ?。嫌だね。今日はアズが奢るって言ってたろ。」


二人がギャーギャーと言い争う。


「ふふふ。楽しそうで良かったです。」


「そういえばサーリャさん。」


「サーリャで構いませんよ。私もさんや様付けされたりするの嫌いでして。」


「じゃサーちゃんで。」


「まぁ良いあだ名ね。気に入ったわ。それで?。」


両手を合わせ喜ぶ。


「ご飯まだですか?。さっきからシスが不機嫌になりつつあって・・・。」


シスの方を向くとお腹を鳴らして不機嫌なオーラを放っている。


「あらら・・・。もう少し待ってね。今作らせているから。」


「分かった。けどお腹空いた。」


「仕方ないな。ほら。」


シスに飴を渡す。


「やった。ありがとうマスター。」


そしてすぐに口に入れてコロコロと舐める。


「そうだ。ヴェイン。」


「はい?。」


急に声をかけられて驚く。


「明日の朝に訓練所で決闘しようぜ。」


「・・・。あの私に死ねと?。」


「いやいや。訓練訓練。正直戦ってみたいなぁ~って思ってたんよ。後実力が知りたい。」


にやぁっと笑うゼラに恐怖しか覚えないヴェイン。


「諦めろヴェイン。ゼラに目を付けられた時点で終わりだ。だから逝ってこい。」


「酷くない?。」


「事実だろうが。この間なんかAランクに上がりたての奴ら全員叩きのめして半分以上が心折れてたぞ。」


「あまちゃん達はいらぬ。俺に負けてはいSは諦めるなんて言う奴はそこまでの奴らさ。正直実力はあるが問題がある奴も多かったからな。一度プライドを粉砕してそれでも立ち上がってくる奴こそ素質があるんだよ。魔物相手に負けたらそれっきりだが俺の様な人間で殺さない程度にいたぶるだけならチャンスがあるんだからな。」


「ふむ。なかなかに厳しい教えをしているようだな。」


アズは興味を持った。


「厳しいってもんじゃないぞ。こいつ術者なのにAランクの剣士10人に術者8人と弓使いが6人相手に術無しで相手を気絶や魔力切れに矢を全て破壊して勝つ変人だぞ。」


「それは酷い・・・。プライドが完璧に木っ端微塵になるな・・・。」


「あの・・・。一体どうすればそんな勝ち方が出来るんですか・・・。」


「え?。簡単じゃん。相手の動きを読んで行動して的確に攻撃を避けつつ回復術者を狙う。後は

弓や攻撃魔術を避けつつ矢を壊して近接は相手の威力を借りれば気絶程度なら狙える。」


「それは簡単と言っていいのか・・・。」


「まぁそうゆうことだ。ヴェイン楽しめ。俺も最近は楽しむようにしてからは面白いと思ってるからな。」


「・・・。何しても構いませんか?。」


「いいぞ。引き撃ち、自爆特攻、カウンターメインなんでもいいぞ。」


「では明日。手合わせお願いします。」


そしてメイドがノックして入ってきて食事の準備が出来たようだ。

別の部屋に案内されてパーティーが始まる。


「っはっはっは!!。良い飲みっぷりだ!!。」


「あ。アズ。ゼラはかなり酒強いぞ。」


「そうかそうか。私に勝てるかな?。」


「勝つつもりはないが・・・。けどこれ美味しいな。」


グビグビと果実酒を飲む。

甘い赤ワインの様な味し飲みやすい為ゼラはグビグビとどんどん飲んでいく。


「これ美味しい。」


「こっちも美味しいですね。」


「これもなかなかいけるね。」


「ふむ・・・。なるほど・・・。」


「美味しいね。」


「うん・・・。このスープは絶品・・・。」


「人間の食べ物は凄い奥が深いですね。」


「ワフワフ・・・。」


シス達は様々な料理を口にして物にする為に色々と考えながら食べている。


最終的にゼラは15本飲んでもピンピンしておりアズは9本で倒れてガンガオは6本で止めていた。

サーリャは倒れたアズを看病する為に使用人の手を借りて一緒に自室へと戻った。

その後は料理も全て無くなりお酒も無くなったので自分達が寝る部屋へと戻りお風呂があったのでそこで全員で入り何事も無く1日が終わる。


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