常識非常識
その後この屋敷の自室で寝る事となった。
部屋は2階にあって一番奥にある。
大きさは街の屋敷の倍ありベットもキングサイズが3つ。
家具はソファとテーブルとクローゼットが多数。
「おい。これ一人部屋か?。」
「一応私達もここで寝れるようにしましたが・・・。問題ありますか?。」
「・・・。はぁ・・・。もういいよ。好きにしたらいい。」
「有難うございます。」
サリアは笑顔のまま内心はガッツポーズをしていた。
「とりあえず風呂は?。」
「勿論用意してます。1階の奥にあります。」
「ありがとう。じゃ行ってくる。」
そう言って風呂場へ向かう。
「・・・。」
サリアはニヤリと不気味に笑った。
「はぁ・・・。もはや露天風呂だな。しかも温泉だしこれ・・・。いつ掘り出したんだよ・・・。」
身体を洗い湯船に浸かっている。
温度も37~38度とぬるめだがゼラは向こうもこのぐらいの温度で半身浴をしていたので丁度いい温度。
「どうでしょうか?。」
そこにサリアが入ってきた。
「ああ・・・。良い湯だ・・・。」
気にせずに湯船に浸かりながら上を向き目にタオルを置いている。
「全員来たのか。」
見ずに気配でだけで全員を来た事を感じ取る。
「見ないで全員来たってわかるんですね。」
「正直ベリアナ達が来たのは予想外。」
「まぁ・・・。恥ずかしいですが・・・。全員行くって言うので来たのですが・・・。」
「お邪魔でしたか?。」
「いや。俺は気にしない。身体を洗って浸かるがいいぞ。」
腕を振り言う。
「ってシス様もう身体洗ってる!!。」
「あ。私も洗う。シルヴィアも洗ってあげる。」
「え?。なんでもう身体を洗っているんですか?。」
「ルール。マスターが決めた。湯船に入る前に身体は洗う。これ絶対。」
シスは身体を洗いながら言う。
「おお。良い湯!?。」
「おい貴様。何をしている。」
ルシファーがゼラの怒りに触れた。
「ただ湯船に浸かっただけだ・・・。っひ!?。」
「宜しい。」
「え?。え?。ちょっと待てゼ・・・うぎゅ・・・。」
麻痺が入る。
「うごきゃ・・・。おぼおぼぼぼぼ・・・。」
ゼラは首を掴む。
「風呂。大浴場ってのは他人の事を思いやって入るのがマナーってもんだ。汚いまま流し湯すらせず入るのは愚か者がする事だ。」
「「「「「「「・・・。」」」」」」」
シス達以外が普段全然怒らないゼラが殺気を放ちながら怒ってる事に恐怖し固まる。
「ごみぇん・・・な・・・ひ・・・。」
「・・・。」
湯船の外に出して下ろし麻痺を治す。
「ごほ・・・。ごほごほ・・・。」
「だ・・・大丈夫ですかルシファー・・・。」
「コワイコワイコワイコワイ・・・。ゼラハオコラシチャダメ・・・。ウンウン・・・。」
「はぁ・・・。疲れた・・・。」
元の位置に戻り再度浸かる。
「常識的な事を出来ないと怒るんですね。非常識な事ばかりやってるのに。」
「聞こえてるぞ。」
「すいません。許してください。」
「まぁいい。」
「マスター。」
身体を洗い終わったシスが湯船に入ってきてゼラの膝に向かい合わせになって座る。
「・・・。はぁ・・・。シスは本当に良い子だなぁ~。」
「ん~。」
頭を撫でながら抱きしめる。
「ん?。マスター?。」
「すぅ・・・。んぅ・・・。」
抱きしめたまま寝てしまう。
「お休み。マスター。」
「ほえ?。主様お休みですか?。」
アウラが近付いてきた。
「手伝って。私一人だと引きずってしまう。」
「はい。喜んで。」
この後争奪戦になりかけたがシスの威圧によって何も起きなかった。
シスはアウラと共にゼラの体を拭いて服を着させてペットに寝かせた後自分達も服を着て左右を陣取る。
翌日。
日が昇る前にゼラは目覚める。
「マスター。おはよう。」
「おはようございます。」
「ああ。悪いな昨日あのまま寝て。」
「大丈夫。訓練する?。」
「ああ。やろうか。」
「私もお供させてもらいます。」
「僕達もやる。ね?。シルヴィア。」
「ワン。」
足元の方から声が聞こえたので見ると空いているスペースに二人が横になっていた。
「こんだけいても寝れるもんなんだな。」
「うん寝れる。これからこれでお願い。」
「ここだけな。じゃ行こうか。」
自分達以外を起こさずに身支度を済ませて外へ出てシスがエルフの訓練を知っていたので向かう事になった。
訓練所は地面などが整備された広場で1000人ぐらいで訓練しても問題ないぐらい広い。
灯りも地面に等間隔で埋め込んである為夜でも訓練ができるようになっていた。
そしてその場所でチベルネが一人訓練をしていた。
「早朝から元気だな。」
「おはようございます。ゼラ様。」
「よし。準備運動後の組手の相手を頼めるか?。」
「喜んでお受けします。」
体を伸ばし、軽く走った後チベルネの前に立つ。
二人は構えて、
「じゃやろうか。」
「お願いします。」
そう言った瞬間チベルネが突っ込んできて顔を殴る。
それを避け足払いをするが側転で回避され蹴られる。
「大分強くなってるな。」
腕で蹴りを止めて褒める。
「ありがとう・・・ございます!!。」
その足に力をいれゼラを吹き飛ばし構え直して突っ込む。
吹き飛ばされたゼラは空中で受身をし着地と同時にチベルネがラッシュを仕掛けてきた。
「あはぁああああああ!!。」
一打一打重く、そして鋭くて速い。
だがそれを最小限の動きで回避したり受け流したりし防ぎきる。
「せい!!。」
足払いをされ体勢を崩される。
「もらいました!!。」
確信し体勢を崩したゼラのお腹にストレートを決め吹き飛ぶ。
「・・・。あれを防ぐのですか・・・。」
決まったように見えたが実際は左手で受け止められ吹き飛んで衝撃を緩和していた。
そして体をひねりながら綺麗に着地。
「うん。いい感じに仕上がってきてるな。」
「いえ。まだまだです。」
「じゃそろそろこっちも本気でやるとしよう。」
そう言ってバフを施す。
「この力の差をどう凌ぐか見せてみろ。」
「はい!!。」
そう言ってゼラは突っ込む。
その早さは尋常ではなくチベルネの倍以上。
「っくぐ・・・。」
ストレートを両方の腕で受け止め吹き飛び威力を軽減するが威力が大きすぎるため衝撃がチベルネの体に襲う。
「これはどうする?。」
その後裏に取られる。
そしてエルボーをぶちかます。
「・・・。」
避けきれない事を悟りそのまま直撃。
「・・・。ふむ・・・。今のをいなすのか。」
「けほ・・・。っぺ・・・。」
どうにか威力を下げて致命傷を避けた。
だがダメージは大きく口から血が出ている。
「本当に強くなったな。俺は嬉しく思うぞ。」
「はぁ!!。」
体勢を低くし先ほどより速く鋭いアッパー攻撃がゼラの顎にヒット・・・したように見えた。
「良い速度だ。だが。」
「かふ・・・。」
アッパーで吹き飛んだと見せかけそのまま一回転しその勢いの蹴り上げが入る。
チベルネは意識を失い地面に倒れる。
「エクスヒール。」
回復魔術をチベルネに施す。
傷が一瞬で癒えてす意識も回復した。
「有難うございました。私はまだまだ未熟ですね。」
「前の時より成長してるな。これからも精進しろ。」
「はい。」
「じゃシスやるぞ。」
「ん。本気で。」
「ああ。全力で来い!!。」
シスの攻撃は一発一発が衝撃を放つ高威力。
ゼラはそれを直撃を完全に受け流し対処している。
チベルネはその光景をただただ見続ける。
「もっと・・・。もっとだ・・・。」
そう言って自分とシスにオールアップを施す。
「マスターまた手加減?。」
「バフありの平等で戦いたい。だから使った。」
「分かった。死なないでっね!!。」
「っ!!。」
シスの突撃はチベルネには見えなかった。
それを笑いながら防ぐゼラに釘付けになっている。
足運び、陽動、フェイント等の様々技術を見て盗もうと必死に見ている。
「っ!!。」
「いいな!!。もっとだシス!!。」
ゼラは劣勢気味ではあるがそれでも負けていない。
シスは後一歩がなかなか決まらず少し焦りが出てきている。
「隙が少ない!!。」
「当たり前だ!!。はっは!!。」
「あ・・・。」
焦りのせいか一瞬の隙を突かれて物凄い勢いの背負い投げが完璧に決まる。
「ぐぁ・・・。」
地面に物凄い振動が響きクレーターが出来る。
「はい。今日も俺の勝ち。危ない危ない。」
回復を施して地面も埋めて固めて元に戻す。
「むぅ・・・。また負けた・・・。」
立ち上がり不機嫌オーラ全開である。
「シスはもう少し応用を効かせないと駄目だな。ワンパターンは解消しつつあるけどそれでも予測がしやすい。」
「努力する。」
「じゃ次はアウラとやろっか。」
その後アウラ、スィーナ、シルヴィアと連戦をしたゼラ。
全員を軽く負かして終わる。
「ひぃぎ・・・。容赦がありませんね・・・。」
「むぅ・・・。これきつ過ぎるよ・・・。」
「くぅん・・・。」
「アウラとスィーナは近接を鍛えることだな。クイックまで使ってやったが反応速度が遅すぎて話にならん。シルヴィアは実践経験が少ないからそんなもんだ。これから学んでいけ。」
二人と一匹が頷く。
「チベルネは頑張ったご褒美にこれをやる。」
そう言って取り出したのはエメラルドのネックレス。
「これは?。」
「神速のネックレス。速度向上の装備品。次また強くなったら何か作ってやるよ。」
「有難うございます。精一杯頑張ります。」
そう言った後すぐにを装備をし走り始める。
「凄い・・・。体が軽くなって速く走れる!!。」
「ほどほどにしとけよ。」
聞こえてるかは分からないがそう言って訓練所を去る。
シスたちもゼラを追いかける。
「ほぁ・・・。いつ見ても凄いです・・・。」
「言葉がでないんだけど・・・。」
「あれがランクS同士の戦いなんですね・・・。」
「うぅ・・・。実力差が凄すぎてやばいよう・・・。」
朝練をしようと四人は来たがゼラ達が組手をしているのを見つけた為邪魔にならないように隠れて見ていた。
「さ。私達も始めましょう。少しでも追いつけるように。」
「セフィリアは本当に熱心だね。うん。始めよう。」
二人もはいっと言い訓練を始める。
途中物凄い速度で走っているチベルネに驚く事となる。
屋敷に帰ると全員起きており朝食の準備や洗濯や掃除をしていた。
「おはようございます。はい。水です。」
アリシアが気をきかせて水を持ってきてくれた。
「ありがとう。」
「ん。美味しい。」
「体に染み渡りますね。」
「今日の朝食は?。」
スィーナが飲み終えた後に聞く。
「今日は創作パンとスープですね。私達が考えたパンです。色々作ってみたのでいっぱい食べて感想をくださいね。」
「楽しみ。」
暫く自室で今後の事を考えていると朝食の時間になった。
場所は1階の食卓部屋に集まった。
パンは10種類。
甘味系のパンが5つ香辛料系が2にシンプル系が3つ並んでいた。
「ほう。美味しそうだな。俺はこの香辛料の良い香りがするパン2つとポクツのをもらおうかな。」
椅子に座り言ったパンを皿に盛ってアリシアが持ってきてくれる。
「いただきます。」
香辛料系を食べる。
鶏肉を使ったジューシーで甘辛いくスパイシーな胡椒ソースパンとクリームチーズが入った焼きカレーパンだった。
「ほう。美味い。この肉とソースの相性が良くて照り焼き風味だが胡椒が良いアクセントになってる。んでこっちは焼きカレーパンか。かなりスパイシー系だがクリームチーズがそれを緩和していていい物だな。んで最後にこのポクツのを・・・。」
パイ系になっていて細かくカットしたポクツの砂糖漬けの相性最高な一品。
「サクサクで軽い塩味が効いた生地に砂糖に着けた甘酸っぱいポクツがジャムぽくなっていて相性最高だが食べずれぇ・・・。」
そうボロボロ落ちる。
美味しいが食べづらい。
「ん~。私もそう思いましたがそれが一番比率が最高なんですよ。」
「それは理解出来る。そうだな。大きさを抑えて一口サイズにすればいいんじゃないかな。」
「でもこぼしながら食べるの美味しいと感じません?。」
「なるほど。いいな。まぁ見た目的にもこの大きさがいいしな。」
「あ~。私の傑作を褒められて嬉しいです。」
「え?。これアリシアが作ったんか。」
「そうです。やっと美味しいと言われて満足ですよ。」
「そっか・・・。うん。美味しい。これからも頑張ってくれ。」
「はい。」
そう返事しパンの方向を見たら、
「あ。ルシファー!!。それ私の!!。あ!!。アウラ様!!。それは私のです!!。」
「っはっはっは!!。ここの食卓は弱肉強食。奪い奪われるのが・・・ってシス!!。それは私のだ!!。」
「のろま。」
「くそ。これ以上はやらせんぞ!!。」
「っふっふ。負けるわけにはいかないんですよ。そう。美味しい食べ物は常に戦場。食べれるか食べれないかの二択なんです。」
「あ~。美味しいですねぇ~。」
「本当にマイペースだね。」
「シス様達の方は混沌としてますからね。」
「はい。シルヴィア。一緒に食べよ。」
「ワン!!。」
ルシファーとミカエルはシスとアウラの進撃に耐えられず奪われまくっているが楽しそうに食べていて、
セフィリア達はゆっくりと自分達が食べる分を取った後は離れてゆっくり食べている。
スィーナは食べつつも干渉されないようにしてシルヴィアと仲良く食べている。
その後はゼラは帰る事を伝えアリシアにセフィリアを預ける。
「また様子見に来る。」
「はい。ですがここを拠点にしても構わないんですよ?。」
「色々と準備が終えたら考えるよ。それに暫くはあっちこっちで寝泊りするだろうし。」
「そうですか。」
「じゃお前らもサボらず頑張るだぞ。」
「「「「はい。頑張ります。」」」」
「サリア。」
「はい。」
「体調は・・・。」
「分かってます。もう二度と起こしません。」
「それならいい。」
「チベルネはその四人が面倒をかけるが色々教えてやってくれ。」
「はい。次来るまでには強くしてみせます。」
「ありがとう。」
そう言ってシス達と手を握り繋がった後転移で消える。
「行っちゃいましたね・・・。」
「だな。」
「さて私は自分の能力を少しだけ分析してみるかな。」
「そういえばレリアは?。」
「彼女でしたら昨日の夕刻にオーロレ達を連れて帝国へ行きましたよ。オーロレが医療に興味があって学びたいっとお願いしたそうです。それで護衛も兼ねてアーティアとルーンメルも連れて帝国に行きましたね。勿論ちゃんと申請書を書いてもらって承認してるから問題なしですよ。」
「そうか。私は魔術がからっきしだからな。サリアに負担かける事になるからレリアに頼もうかと思っていたが・・・。」
「大丈夫だよ。もう私はあんな事絶対にしないから。それにゼラ様の新しい弟子だよ?。なら最初の弟子である私達がそれぞれ教えるってのが正解だよ。」
「そうか・・・。だが無理はするなよ。」
「もうチベルネは心配性だなぁ~。って事で私が魔術のコツや扱い方を全て教えるよ。」
「そして弓術は私が教えますよ。」
「私は接近戦を教える。四人共これからしんどいと思うが頑張ってくれ。なんせ・・・。ゼラ様が考えた本当に強くなりたいならこれぐらい出来るだろって限界ギリギリの訓練をする事になるからな。」
「「「「はい!!。」」」」
「良い返事ですね。まぁ1週間耐えれば後は慣れます。では今日は解散します。訓練するなり本を読んだりしても構いませんよ。本格的に訓練するのは明日からとします。私達はこれから色々話し合いをしてきますので。」
そして次の日。
「ひぃいいいいいいいいいい!!。」
「いったああああああああああああああい!!。」
「どうした?。この程度で根を上げるのか?。」
ベリアナとセフィリアは足と腕の左右両方に30kg重りを付けられてす素振りをして形が崩れたら無理やり喝と言う名のムチを入れる。
「ゆ・・・指が・・・。ひぐぅ・・・。」
「何を弱音吐いてるんですか?。まだ200本しか放ってないのに命中率なんか6割ですよ?。最低でも10回は連続で動いてる的に当ててくださいよ。」
リューニャは動きが奇想天外に動く宙に浮く的に矢を放ち続けている。
的は左右上下だけでなく消えて現れたりする為狙いが定まらない。
「ほら。何寝てるの?。」
「うぶ・・・。ふぐ・・・。」
フローディナは錬金術の才能があった為ゼラがサリアにした事の少し優し目の錬金術ぶっ通し訓練をしていた。
魔力を限界ギリギリの所で回復させ低品質の下級ポーションを1000個作らした。
「「「「鬼!!。悪魔!!。こんなの人間がする物じゃない!!。」」」」
「おう。元気だな。じゃもう10週行こうか。」
「元気ですね。ではもう1時間放ち続けて下さいね。」
「次は下級ポーションの品質を上げていこうね。目標は今日中に低品質の中級ポーションの製造まで進めたいね。」
「「「「もうやだぁ・・・。この人達・・・。」」」」
そして逃げ出す事も出来ず一週間後には彼女達はアリシア達同様に非常識に汚染され限界を一つ突破することとなった。




